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野球 コラム 2018年7月20日

マチャドがマエケンのいるドジャースへ移籍して「トレード要員」が動く

Do ya love Baseball? by ナガオ勝司
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さて、毎夏恒例の「トレード合戦」である。

今夏のノンウェイバー・トレード期限の目玉選手だった前オリオールズのマニー・マチャド内野手がドジャースに移籍することは、オールスターゲームの試合中でもずっと、いろんなテレビ番組で話されていたことだった。

前日のホームラン競争の中継時ですら、練習中にマチャドがドジャースのマット・ケンプをスマホで自撮りしているシーンがテレビで流され、いつの間にかドジャース移籍は既成事実になっていた。試合中のインタビューでも「このユニフォームを着るのも最後だね」と誘導尋問的な質問を浴びせられたマチャドが「どこへ行ってもチームの勝利のために頑張るだけだよ」とあっけらかんと答えるなど、本人も拒否できないような雰囲気が出来上がっていた。

今年の「トレード合戦」におけるドジャースの早い仕掛けは、彼らがまだこれから何か(例えば投手陣の補強)を仕掛けてくるのではないかと思わせるに充分だった。

ドジャースに主力選手を譲ったオリオールズは、レッドソックスとヤンキースの2強に遅れを取る前から「売り手」であることを感じさせた球団だ。マチャドの他にも救援左腕のザック・ブリットン投手や、チームを長年支えてきたアダム・ジョーンズ外野手といった有力な「トレード要員」がおり、マチャド放出で獲得した4人の有望株の他に、これから何人の有望株を獲得できるのか楽しみである。

ア・リーグ東地区で「希望なきシーズン」を送っているのはブルージェイズも同じだ。「売り手」球団の目玉は2015年のア・リーグ最優秀選手ジョッシュ・ドナルドソン三塁手と、今年のオールスターゲームの延長10回に投げてセーブを記録した先発左腕J.A.ハップ投手だ。

ドナルドソンは過去数年、トレードが噂されてきた選手だが、今年は傘下のマイナーでウラディミール・ゲレーロ・Jr.内野手(父は今年、野球殿堂入りした元エンゼルスほかのウラディミール・ゲレーロ)という有望株が育っているだけに機は熟している。素晴らしいシーズンを送っているわけではないが、トレード期限で人気があるのは実績のある選手である。ハップ同様、「買い手」球団にとっては狙いたい選手だ。

開幕前からやる気を感じさせなかったオリオールズとは違い、ツインズは前半戦の意外な不調で「売り手」になりそう。目玉は2016年に42本塁打を記録したブライアン・ドージアー二塁手だ。こちらも傘下のマイナーでニック・ゴードンという有望株が育っており、さらに他球団の有望株を獲得してファームを充実させるには絶好の「トレード要員」となる。

開幕前から「再建モード」のロイヤルズのマイク・ムスタカス三塁手も、有力な「トレード要員」の一人だ。今季前半はチーム最多の19本塁打を記録しており、長打力が必要なチームには魅力的だ。ムスタカスは昨冬のFA市場不況で年俸650万ドルと基本給が安く、2年目の1500万ドルのオプション契約を破棄するのもたったの100万ドルで済むし、シーズン途中のトレードで獲得した選手には単年の高額契約になるクオリファイング・オファーも出す必要がないのでメリットは大きい。

大谷翔平のいるエンゼルスより先に、ア・リーグ西地区の優勝争いで「蚊帳の外」になっていたレンジャーズの先発左腕コール・ハメルズも、先発投手陣を強化したいチームにとっては欲しい存在だ。フィリーズ時代にワールドシリーズ優勝経験のあるハメルズは、オリオールズのブリットン投手やジョーンズ外野手同様、ワイルドカード争いを含むペナントレースを戦う球団にとっては魅力的なベテランである。

ドジャースがマチャドを獲得した翌19日、インディアンスがパドレスから救援左腕のブラッド・ハンドを獲得したとの報が流れた。もう待ったなしだ。上述の目玉選手だけではなく、中継ぎ投手や控え内野手などもこの時期は引く手あまただ。

ドジャースやインディアンスだけではなく、「買い手」球団は東からフィリーズ、ブレーブス、ナショナルズ、レッドソックス、ヤンキース、カブス、ブルワーズ、アストロズ、ダイヤモンドバックス、ロッキーズ、マリナーズ、ジャイアンツ、アスレチックスと多い。これもすべてワイルドカードが2枚もあるお陰であり、今年も楽しい「トレード合戦」になりそうだ。

ナガオ勝司

ナガオ勝司

1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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