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野球 コラム 2018年6月23日

大谷翔平のいないエンゼルスの失速

Do ya love Baseball? by ナガオ勝司
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大谷翔平のいないエンゼルスが、失速している。

大谷が右肘を傷めて故障者リスト(DL)入りしたのは現地(以下同様)6月8日のことだ。打者としては6月4日のロイヤルズ戦(1打数1安打)が最後、投手としては6月6日のロイヤルズ戦(4回4安打1失点)が最後の出場になる。

6月8日の時点でエンゼルスは36勝28敗で、ア・リーグ西地区の首位マリナーズ(当時)に3ゲーム差の3位だった。それから12日後の6月20日、39勝35敗で順位こそ3位のままだが、首位アストロズに9.5ゲーム差を付けられている。その間、4連敗と3連敗を含む3勝7敗で「貯金」は8から4へと半減し、6月8日の時点で3ゲーム差を付けていた4位アスレチックスに1ゲーム差まで迫られている。

同じ時期、首位アストロズは躍進し、大谷が右肘を痛めた(当時は右手の豆で降板したと伝えられた)6月6日から18日まで12連勝し、4シリーズ連続勝ち越し中。エンゼルスが苦戦した12日間は10勝1敗だった。

2位マリナーズは20日までに3連敗しているものの、6月13日までは首位だった。エンゼルスが苦戦した12日間はやや失速気味で、それでも6勝5敗と何とか勝ち越して首位アストロズに3ゲーム差の2位につけている。

エンゼルスは大谷がDL入りした翌6月9日まで6連勝していた。失速が始まったのは翌10日のツインズ戦に敗れてからで、それまでの65試合で一試合平均4.5得点、同3.9得点だったのが、10日から20日までの11日は一試合平均4.8得点、同5.9失点と失点が極端に増えた。

エンゼルス急降下の大きな原因となっているのは間違いなく、主力選手が大勢DL入りしていることだ。6月15日には不名誉な球団記録となる合計15人がDL入りし、6月20日の時点でも13人がDLに入っている。そのリストには大谷を筆頭に、ギャレット・リチャーズ、ニック・トロピアーノ、J.C.ラミレス、マット・シューメイカー、パーカー・ブリッドウェルという6人の先発投手と、ジョンソンほか3人の救援投手が名を連ねている。

先発投手に怪我人が多いことが投手陣の弱体化に繋がっているようだが、先発投手のチーム防御率は6月20日の時点でア・リーグ4位の3.75と上位に位置している。苦戦しているのはチーム防御率3.90でア・リーグ9位に沈んでいる救援投手陣だ。

たとえば、イニング別の失点を同地区のライバルたちと比較してみる(現地6月20日)。

ア・リーグ西地区のどのチームにとっても、先発(2.91)、救援(2.72)ともにア・リーグ最高防御率を誇るアストロズと比較するのはさすがに厳しい。だが、単純に3位エンゼルスにとっては2位マリナーズと、4位アスレチックスの存在が気になるところで、マリナーズはおろか、アスレチックスにも負けている最後の2イニングを何とか改善する必要がある。エンゼルスは6月21日のブルージェイズ戦に8対5で勝ったものの、この試合でも終盤に失点しており、その前途は明るくない。

開幕してから約二カ月とはいえ、ア・リーグは東地区の2強(ヤンキースとレッドソックス)と同地区首位のアストロズが早々とシーズン50勝に到達しており、現時点でワイルドカードは東地区と西地区から1枚ずつ出る見込みになっている。

まだペナントレース=地区優勝を諦める時期ではないが、ワイルドカードが2枚ある以上、それを見据えた戦いも必要になって来るのがメジャーリーグだ。エンゼルスにとってのもっとも身近な敵がワイルドカード2枚目を狙うマリナーズとアスレチックスなら、大谷やリチャーズが帰ってくる前に救援投手陣の強化に取り組まなければ、エンゼルスはプレーオフを逃すことになる―。

ナガオ勝司

ナガオ勝司

1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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