人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

バドミントン コラム 2024年1月29日

バドミントン日本代表の選考に垣間見えた「パリ五輪後」改革のイメージ

バド×レポ by 平野 貴也
  • Line

■シーズン中の代表選手の入れ替えを示唆

代表選手を発表する村井会長(左)、朝倉副会長

ほかに、見逃せない変化もあった。代表選手の人員削減だ。AとBを合わせて65人から58人に減少。男子ダブルスはA代表、B代表ともに4組から3組に減った。朝倉副会長は、男子ダブルスの選手数減少について「(4組目の)候補は出て来たが、決めかねた」と話した上で「1年間を通して、同じ選手が代表として頑張って行くという考え方ではなく、途中で伸びてくる選手を追加したりということは、今まで以上に柔軟にやって行きたいと考えている」と、シーズン中に代表選手が変更される可能性を示した。22年6月の日本ランキングサーキット終了後、男子シングルスでB代表だった奈良岡功大(FWDグループ)がA代表に昇格し、女子ダブルスで大竹望月/高橋美優(BIPROGY)をB代表に追加(→後に除外)した例など、過去にも代表選手の変更はあったが、今後は、国内の1種大会の成績や、選手のコンディションや伸びしろを考慮し、追加や入れ替えを行う方針だという。男子ダブルスについては「4枠目」を意識させ、競争を活性化する狙いが見える。
代表選手を減らすことは、次世代の若手の底上げを図る方針との両立が難しい。一方、可能になれば、代表活動の費用を抑え、国内大会を活性化できる。村井会長に聞くと「世界で戦う選手が、常に高い緊張感とテンションで戦えるように、あえて枠を減らしたところがある、と考えている。五輪レースの最後になると(代表選手の入れ替えは)難しくなるかもしれないが、4年(スパン)の早いタイミングでは、いろいろな人が代表を経験することも、底上げには良いのかもしれない。少しずつ、その辺のチューニングはしていくのではないかと思う」と、今後の代表選考の構造変革を見越した変更であることを示唆した。

■代表選手数削減の裏に見える、次期構造改革の狙い

パリ五輪を目前に控え、大きな変更は難しい時期だ。しかし、23年6月に就任した村井会長の下で構造改革を進める協会は、次のサイクルを見据えた改革案を練っている。現在は、A、B代表を編成し、B代表をA代表に近付けるために、B+と呼ばれる枠組でA代表と同じ上位大会の出場選手を増やしているが、初戦敗退が続き、強化に結び付いていない選手も見受けられる。この点を指摘すると、朝倉副会長は「組織の作り方も議論を始めている。長年、A、B代表の形でやっているが、一度枠を外したらどうか(という案もある)。できるようになると、解決策が見えて来る」と代表組織の改革を検討していることを明かした。
舛田テクニカルエキスパートも「所属企業の意向も強く、上へ(できるだけ上位大会へ)とやってきたが(戦略の)欠点も見つかって来た。(個々の)選手たちに合わせたプランを考えると、A、B(の枠組みが適切か)も議論しないといけない。(今は)五輪も控えているので、現状のままだが、今後は変えて行く方針も検討している」と国際大会への選手派遣について話した。
代表に選考されることや、世界ランクのポイントを稼ぐことばかりに傾倒せず、本来の目的である、いかにして勝ち続けられる選手を育てるかを考える。そのための最善策を考え直す時期が来ている。パリ五輪後、代表活動や現役生活を引退する選手が出てくれば、次の代表チーム編成に向けた動きは加速する。新たに選出された24年の日本代表選手への期待が高まるが、シーズン中の追加や入れ替えが示唆されたことで、変化も楽しみとなった。次の時代に向け、代表チームの選手選考、派遣方針がどう変わっていくのかも注目されるシーズンとなる。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
バドミントンを応援しよう!

バドミントンの放送・配信ページへ