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しかし、レースが始まって1カ月で世界ランクは11位まで後退。五輪レースの争いも日本勢3番手でライバルに先手を奪われた。男女混合国別対抗戦のスディルマン杯では2勝を挙げて日本の4強入りに貢献。だが、マレーシアマスターズ(スーパー500)では、まだ勝ったことがなく苦手のベク・ハナ/イ・ソヒ(韓国)に敗戦。続くシンガポールOP(スーパー750)でも同じ韓国ペアにファイナルゲーム21-23の大激戦で惜敗し、ともにベスト8止まり。さらに、3連覇を狙ったインドネシアOP(スーパー1000)では、櫻本絢子/宮浦玲奈(ヨネックス)との日本勢対決に敗れて初戦敗退となった。志田は「直近のインドネシアOPでは、韓国のペアと久々に組み合わせが分かれて、チャンスがあるところで、今までにないくらい緊張しましたし、自分の中でプレッシャーをかけ過ぎて(動きが)硬くなってしまった部分があった。考え過ぎているなと、すごく思いました」と先々までが気になり、必要以上の重圧に苦しんだことを反省した。
■強打を打つのは「安心するため」か「相手を崩すため」か
神経を研ぎ澄ますレベルの緊張感は必要だが、理想や希望を描き過ぎれば、不安を増長させる。そして、メンタルはプレーを支配してしまう。21年後半から1年半以上も世界のトップで戦い続け、身につけてきたものは確実にある。ところが、不安を感じると得意なプレー、やりたいプレーに頼ってしまう。ワールドツアーの合間、6月下旬に出場した全日本実業団選手権では、決勝戦で即席ペアの中西貴映/東野有紗(BIPROGY)に敗戦。志田は「やれることは増えているはずなのに、うまくいかなかったり、攻略されてしまったりしたときに、同じやり方を貫いてしまうところがある。試合の中で試さないとできるようにならないと分かっているけど……。今日も、結局、自分たちのプレーに戻してしまって、相手に慣れられてしまった。思い切ってプレーの幅を広げてみるのが課題かなと思う」とプレッシャーの中で一本調子になりやすい状況にあることを感じ取っていた。
攻めていないと不安になる部分があるのだろう。決まりにくいと分かっていても、強打に頼ってしまう。しかし、あえて上から打たせている相手からすれば、同じ速さのアタックばかりになればカウンターを狙いやすくなる。プレー面での課題は、松山も似たようなところを感じている。
「自分たちは、全部速くて頑張るプレーが多いけど、海外の選手はカットだけでつなぐとか、自分で自分たちを楽にしている。そういうのができないと、連戦を戦い抜けない。そういうプレーは、1点を取るショットではなくても、相手のペースを乱せると見ていて感じる。意識的に緩急を使えるようになりたい。攻めれそうと思うと、攻めてしまう。自分をコントロールしながらやれば、楽な試合も増えると思う」(松山)
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