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スキー コラム 2022年4月26日

アルペンスキーFISワールドカップ シーズンレビュー

SKI GRAPHIC present’sアルペンスキーコラム by SKI GRAPHIC
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オーダーマット、歓喜の大クリスタルグローブ獲得

総合Vを獲得したM.オーダーマット(左)とM.シフリン(右)

クリスタルグローブの行方を決定するシーズン最後の戦い、ワールドカップファイナルがフランスのクーシュベル/メリベルで男女各4種目(ダウンヒル、スーパーG、ジャイアント・スラローム、スラローム)と男女混成のチームパラレルが行われた。この最終戦の結果、栄光のクリスタルグローブを受け取る権利を獲得したレーサーが決定した。男子総合は、前年王者アレクシー・パントュローが調子に乗れない中、スイスのエースとして覚醒したマルコ・オーダーマットが昨シーズン後半の勢いをそのままに、今シーズンのワールドカップシーンを席巻、ついに初の頂点を極めた。

ついに頂点を極めたM.オーダーマット

■男子総合ランキング

名前 国名 ポイント スキー
マルコ・オーダーマット スイス 1639 ストックリ
アレクサンダー・オーモット・キルデ ノルウェー 1172 アトミック
ヘンリック・クリストッファーセン ノルウェー 954 ロシニョール
マティアス・マイヤー オーストリア 880 ヘッド
ヴィンセント・クリーヒマイヤー オーストリア 840 ヘッド
ベアト・フォイツ スイス 820 ヘッド
マニュエル・フェラー オーストリア 687 アトミック
ドミニク・パリス イタリア 680 ノルディカ
ルーカス・ブローテン ノルウェー 655 アトミック
アレクシー・パントュロー フランス 603 ヘッド

最も得意としているジャイアントスラローム(GS)では、セルデンの開幕戦での勝利を皮切りに、8戦中5勝を含む全てのレースで表彰台に立つなど、手のつけられない強さを見せた。さらに、スーパーGでも7戦中2勝、ダウンヒルでも2位が4回など、GSからダウンヒルまでの3種目で大量得点を積み重ね、終わってみれば2位に400点以上の大差をつけて、母国スイスに大クリスタルトロフィーを持ち帰った。ピルミン・ツルブリッゲン、パウル・アッコラ、カルロ・ヤンカなど、スイスが誇る偉大なオールランダーの系譜がここに復活した。

種目別優勝を果たしたキルデ

総合2位となったのは、2020シーズンの王者、ノルウェーのアレクサンダー・オーモット・キルデ。昨シーズンは、けがによる悔しい途中離脱があったものの、今シーズンも好調を維持。ダウンヒルとスーパーGに出場種目を絞り、高速系がスタートした北米シリーズから勝利を積み重ね、シーズン中盤は、一時はオーダーマットに肉薄する勢いを見せた。総合では届かなかったものの、ダウンヒルでは3勝をマークして、ベアト・フォイツを最終戦で振り切りタイトルを獲得。スーパーGでは4勝をマークして、こちらも種目別のタイトルを獲得した。GSへの取り組み方によっては、来季の総合優勝を十分に狙えると感じさせるシーズンとなった。

強さが戻ってきたH.クリストッファーセン

12月にGSで1勝をあげたものの、ここ数シーズン今ひとつ波に乗れない戦いが続いていたノルウェーのヘンリック・クリストッファーセンだが、オリンピック後のレースでは、見違えるように成績が上向き、スラロームで2勝、GSで2勝と、久々に自信を取り戻したクリストッファーセンの滑りを見ることができた。この勢いのまま2年ぶりにスラロームの種目別のタイトルを獲得、総合でも3位へと浮上した。

かつての圧倒的な強さが本当に戻ってきたのか、来季に向けてこちらも注目となる。

■男子ダウンヒル ランキング

名前 国名 ポイント スキー
アレクサンダー・オーモット・キルデ ノルウェー 620 アトミック
ベアト・フォイツ スイス 607 ヘッド
ドミニク・パリス イタリア 522 ノルディカ

■男子スーパーG ランキング

名前 国名 ポイント スキー
アレクサンダー・オーモット・キルデ ノルウェー 530 アトミック
マルコ・オーダーマット スイス 402 ストックリ
ヴィンセント・クリーヒマイヤー オーストリア 375 ヘッド

■男子ジャイアントスラローム ランキング

名前 国名 ポイント スキー
マルコ・オーダーマット スイス 720 ストックリ
ヘンリック・クリストッファーセン ノルウェー 453 ロシニョール
マニュエル・フェラー オーストリア 326 アトミック

■男子スラローム ランキング

名前 国名 ポイント スキー
ヘンリック・クリストッファーセン ノルウェー 451 ロシニョール
マニュエル・フェラー オーストリア 361 アトミック
アトレ・リー・マッグラース ノルウェー 348 ヘッド

ライバルとの激闘を制したシフリンが4回目の総合V

4度目の総合優勝を獲得したM.シフリン

一方女子の総合争いは、王座奪還を目指すミカエラ・シフリンと、昨シーズンの女王ペトラ・ヴルホヴァが、終盤まで激しいマッチレースを展開。序盤から高速系を含む4種目に出場して着実にポイントを積み上げていくシフリン、一方のヴルホヴァは、技術系に出場を絞りながらスラロームで着実に勝利を重ねてシフリンを追う展開となった。最終戦をむかえた時点で、トップのシフリンと2位ヴルホヴァの差は、わずか56ポイント。オリンピックで完全に調子を崩してしまったシフリンに対して、スラロームで金メダルを獲得したヴルホヴァが圧倒的に有利と予想されていたが、シフリンは、ダウンヒル1位、スーパーG2位と自身も驚く快走を見せ、最終戦を待たずに4度目の総合優勝が決定。昨シーズンから続いた父親の死やけがなどのアクシデント、苦しいシーズンの中で最後に女王への執念を見せた最終戦だった。

最後の最後までシフリンと競ったペトラ・ヴルホヴァ

■女子総合ランキング

名前 国名 ポイント スキー
ミカエラ・シフリン アメリカ 1493 アトミック
ペトラ・ヴルホヴァ スロバキア 1309 ロシニョール
フェデリカ・ブリニョーネ イタリア 1055 ロシニョール
ラグニル・モーヴィンケル ノルウェー 880 ヘッド
ミッシェル・ギジン スイス 874 ロシニョール
ソフィア・ゴッジャ イタリア 873 アトミック
サラ・ヘクター スウェーデン 760 ヘッド
テッサ・ウォーレー フランス 747 ロシニョール
コリンヌ・ズター スイス 697 ヘッド
マルタ・バッシーノ イタリア 673 サロモン

ダウンヒルの種目別優勝を獲得したソフィア・ゴッジャ

各種目別のタイトルは、ダウンヒルは序盤に圧倒的強さを見せたソフィア・ゴッジャ、スーパーGは3勝をあげたフェデリカ・ブリニョーネが獲得。

スーパーG女王のフェデリカ・ブリニョーネ

ジャイアンント・スラロームは、最終戦でサラ・ヘクターを逆転したテッサ・ウォーレーが2度目の獲得、そしてスラロームは5勝をあげたペトラ・ヴルホヴァが獲得した。

逆転でGS女王となったテッサ・ウォーレー

■女子ダウンヒル ランキング

名前 国名 ポイント スキー
ソフィア・ゴッジャ イタリア 504 アトミック
コリンヌ・ズター スイス 407 ヘッド
エステル・レデツカ チェコ 339 アトミック

■女子スーパーG ランキング

名前 国名 ポイント スキー
フェデリカ・ブリニョーネ イタリア 506 ロシニョール
エレナ・クルトーニ イタリア 390 ヘッド
ミカエラ・シフリン アメリカ 380 アトミック

■女子ジャイアントスラローム ランキング

名前 国名 ポイント スキー
テッサ・ウォーレー フランス 567 ロシニョール
サラ・ヘクター スウェーデン 540 ヘッド
ミカエラ・シフリン アメリカ 507 アトミック

■女子スラローム ランキング

名前 国名 ポイント スキー
ペトラ・ヴルホヴァ スロバキア 770 ロシニョール
ミカエラ・シフリン アメリカ 501 アトミック
レナ・デュール ドイツ 437 ヘッド

ここ数年明るい話題が少なかった日本人選手にとって、今シーズンは、苦しいながら光が見えたシーズンでもあった。小山陽平のスラローム8位入賞をはじめ、安藤麻、向川桜子、加藤聖五のワールドカップ入賞。相原史郎のヨーロッパカップでの活躍など、来シーズン、そして次のオリンピックに向けてさらなる飛躍を期待させるシーズンとなったのではないだろうか。

文:SKI GRAPHIC

SKI GRAPHIC

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