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終盤戦に入ったアルペンスキーワールドカップ 残り少ないレースにタイトル争いも激化
SKI GRAPHIC present’sアルペンスキーコラム by SKI GRAPHICまさかの大不振に陥ったミカエラ・シフリン。ショックを振り払い、再び本来の強さを取り戻せるか
この極端な不振に大きな精神的ショックを受けていると想像できるが、はたしてシフリンがそこから抜け出すことができるのか、タイトル争いを別にしても、ファンとしては気になるところではある。
ワールドカップ女子総合(2月25日現在)
種目別をみてみると、男子のダウンヒルとスラロームのタイトル争いが面白い。ダウンヒルはトップに立つアレクサンダー・オーモット・キルデから5位ドミニク・パリス(イタリア)までが89点差。ここから先、順位がどう入れ替わるかまったく予断を許さない。なかでも4年連続でこの種目のタイトルを獲得しているベアト・フォイツ(スイス)の5連覇なるかに注目。
ダウンヒル4連覇はかつてフランツ・クランマ(オーストリア)がなしとげたが、5連覇はいまだ前人未到の領域。34才の鉄人ダウンヒラーベアト・フォイツは逆転で5年連続のダウンヒルチャンピオンに輝けるだろうか。
ダウンヒル種目別連覇を狙うベアト・フォイツ。北京五輪でも金メダルを獲得して好調を維持している
男子スラロームはさらに大混戦だ。今季ここまでの6レースで6人が優勝。つまり誰もポイント争いから抜け出していないのだ。現時点でのトップはルーカス・ブローテン(ノルウェー)で8位のロイック・メイヤー(スイス)でさえ、90点差につけている。
大混戦の男子スラローム。北京五輪金メダルのクレモン・ノエルは抜け出せるか
ただし、混戦だけに獲得ポイントは総じて低く、それだけに、残り4レースで波に乗った選手は比較的たやすく混戦から抜け出せるはず。その意味では北京五輪で優勝したクレモン・ノエル(フランス)が有力な候補かもしれない。
北京五輪では途中棄権に終わった小山陽平。8位となったマドンナ・ディ・カンピリオの再現が期待される
女子の種目別では、スラロームでペトラ・ヴルホヴァの初タイトルが決定しているが、残りの3種目はすべてオープンな状態。
女子GSで種目別リーダーのサラ・ヘクターは、北京五輪でも金メダル獲得。今季大きな成長を見せた
ダウンヒルではソフィア・ゴッジャ(イタリア)、GSではサラ・ヘクター(スウェーデン)、そしてスーパーGではフェデリカ・ブリニョーネ(イタリア)がリードはしているものの、まだまだ逆転可能圏内にいる選手も多く、虎視眈々とタイトルを狙っている。そのなかで誰がクリスタルグローブを獲得するのか、どの種目も最後まで緊迫した争いが続くだろう。
SKI GRAPHIC
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