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フラッハウのスラロームでワールドカップ初優勝を飾ったセバスチャン・フォスソルバーグ(ノルウェー)
今回は、アルペンレース・ジャーナリストの田草川嘉雄さんに代わり、J SPORTSでも解説を務める私、吉岡大輔が1月前半のレースを振り返ります。
1月に入り連戦・激戦が繰り広げられているアルペンスキー・ワールドカップ。とくに技術系種目の男子スラロームについては1月中に4カ国(クロアチア、スイス、オーストリア、フランス)で7戦が展開されるハードスケジュールとなっています。
移動も含め過密スケジュールのなか、選手たちは常にフルアタックできるコンディションを維持し続けなければなりません。というのも、スラロームのタイトル争いはこの1月の結果が大きく影響してしまうからです。
2021に年が変わり最初のレースとなったザグレブ(クロアチア)では、気温が上がってザラメ雪に近い状態でのレースとなり、1本目が終わった段階では誰が勝つのか全く予想できないレースとなりました。2戦目で優勝したものの、この種目のディフェンディングチャンピオンであるヘンリック・クリストッファーセン(ノルウェー)の調子が今ひとつ上がらないため、圧倒的なリーダーが不在の状態なのです。
まず、このレースで1本目のトップに立ったのは、2戦を終えてまだ勝ち星のないクレモン・ノエル(フランス)。2番手にはセバスチャン・フォスソルバーグ(ノルウェー)。そして今シーズンは第1シード外からのスタートで初戦から好調を維持しているマヌエル・フェラー(オーストリア)と続きました。気温が高いことでコース状況が変わりやすい(荒れる)レースのなか、スタートナンバー30番以降の10選手が2本目にコマを進める展開は予想外でした。
2本目、まずスーパーランを決めたのがミハエル・マット(オーストリア)。2本目のトップタイムで1本目26位から大きくジャンプアップして4位と表彰台まであと一歩のところまで順位を上げることに成功。そのマットをようやく上回ったのが1本目8位だったリヌス・ストラッサー(ドイツ)でした。上位常連の選手ではあるもののスラロームでの優勝経験はない選手。荒れたコースを攻めきり、細かなミスも最小限に抑えた滑りで残り7人を残してトップに立ちました。
ザグレブのコースは緩斜面が長く、1つのミスが大きく順位に影響してしまいます。また、ほとんどの選手たちが自分の力を出しやすいコース設定がゆえに、僅差のレースとなることがほとんどのコースで、これからスタートする1本目上位の選手たちはノーミスが絶対条件となります。しかし、この後ゴールまでノーミスで滑りきる選手は現れず、リヌス・ストラッサーのスラローム初優勝となりました。
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