ラグビー愛好日記

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2018/02

S M T W T F S
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28      

このブログについて

プロフィール写真【村上晃一】
1965年京都市生まれ。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。
ラグビーの現役時代のポジションは、CTB(センター)、FB(フルバック)。1986年度西日本学生代表として東西対抗に出場。
87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者、ラグビージャーナリストとして活動。J SPORTSのラグビー解説は98年より継続中。1999年から2019年の6回のラグビーワールドカップでコメンテーターを務めた。著書に「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)、「空飛ぶウイング」(洋泉社)、「ハルのゆく道」(道友社)、「ラグビーが教えてくれること」、「ノーサイド 勝敗の先にあるもの」(あかね書房)などがある。

2018年02月24日

サンウルブズ、ブランビーズに惜敗

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
  • Line

2月24日、秩父宮ラグビー場で行われたスーパーラグビー第2節「サンウルブズ対ブランビーズ」の一戦は、サンウルブズが前半を15-19でリードするなど健闘したが、最終的には25-32で敗れた。しかし、試合終了間際に交代出場のSOヘイデン・パーカーがPGを決めて7点差とし、ボーナス点「1」は獲得した。

試合はサンウルブズのキックオフで始まった。前半5分、ブランビーズがSOクリスチャン・リアリイファノのPGで先制。サンウルブズはSH流大を軸にテンポよくボールを動かし、ディフェンスでもCTB中村亮土の素早く間合いを詰めるタックルなどでプレッシャーをかけ、反則を誘ってゴール前のラインアウトを得る。前半8分、このラインアウトからモールを押し込むと、WTBホセア・サウマキ、SOロビー・ロビンソンらBK陣も参加、一気に押し込んで逆転トライを奪った。前半18分には、CTBラファエレ ティモシーがトライ、28分にもWTBサウマキが左コーナーに飛び込み、前半だけで19点をあげた。

しかし、自陣からのタッチキックがプレッシャーをあびてカウンターアタックを許すなど、自陣でのミスから15失点。後半の立ち上がりも、相手ボールのキックオフレシーブができず、ゴールラインを背負う状況になり、ターンオーバーに成功したが、SH流のパスがポストに当たってトライを許してしまう。これで22-19と逆転を許し、以降は、一度も逆転できず敗れた。後半のブランビーズは、サンウルブズのワイドな攻撃に対応し、モールのディフェンスも力強く、底力の違いを見せつけた。

僕はJSPORTSの解説だったのだが、ゲスト解説の菊谷崇さんが「後半のラインアウトはキャッチすることに精一杯で、良いモールを組むことができていない」と話していた。ラインアウトについてはブランビーズが一枚上手だったということだ。しかし、試合を通して選手のパフォーマンスは悪くなかった。FLピーター・ラピース・ラブスカフニ(この日でスーパーラグビー50試合目)の堅実なタックル、ターンオーバーは見事だったし、サウマキ、レメキ ロマノ ラヴァの両WTBはボールを持てば必ずゲインしてチャンスメーク。FL姫野和樹の突進力も光った。ラインアウトの要であるLOグラント・ハッティングが早々に負傷退場したのは痛かった。

「勝利を目指していたので悔しいです。前半は意図した形でトライがとれましたが、僕のミスで逆転を許していまい、キャプテンとして責任を感じています。前向きに言えば、こうしたプレッシャーを経験できたことが収穫だったということになると思います」(流大キャプテン)

ジェイミー・ジョセフヘッドコーチはこうコメントした。「満足できる内容ではありませんが、このレベルの強豪相手に戦っていける手ごたえをつかむことができました。敗因は自陣の22mライン付近からうまく脱出できなかったこと。ブランビーズのプレッシャーを受けてしまいました」。この言葉通り、キッカーが常にプレッシャーを浴びた状態で蹴るしかなかったのもブランビーズが上手だったということ。いかにキッカーへのプレッシャーを軽減させるかなど、サンウルブズとして修正すべき点だろう。試合後の選手たちは冷静に試合を振り返り、「手ごたえはあった」という話をしていた。堀江翔太は「去年より良いのは、準備段階で分かっていたことです。戦術・戦略も今のほうが細かくて良い」と話した。

おそらくオーストラリアカンファレンスで最も強いブランビーズとの戦いは、サンウルブズに確かな手ごたえと、明確な課題を与えてくれた気がする。次週のレベルズとの戦いも僅差勝負になるだろう。なんとか初勝利をもぎとってもらいたい。

■2月24日(土)秩父宮ラグビー場
13:15キックオフ、観客:14,614人
ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ●25 - 32◯ブランビーズ(前半 19 - 15)


追記◎ハーフタイムに郷ひろみさんが「2億4千万の瞳」を歌ったが、スタンドはめちゃくちゃ盛り上がっていた。真っ赤な衣装でピッチを走り回り、とびきりの笑顔で盛り上げる郷さんはさすが。また来てほしいなぁ。

  • Line