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日本ラグビー最高峰のリーグワンは接戦が相次ぎ、例年以上の盛り上がりを見せている。並行してリーグワン以外の社会人ラグビーも行われているのをご存じだろうか。1月26日(日)、東京大学丸和柏FUSIONフィールドでは、3地域社会人リーグ順位決定戦の決勝戦が行われる。3地域とは、トップイースト、トップウェスト、トップキュウシュウという地域リーグのことで、順位決定戦では各上位2チームが集って戦い、リーグワン以外の社会人NO1を決めている。
決勝に勝ち残ったのは、流通・運輸大手の丸和運輸機関「アズコム丸和モモタローズ」(AZ-COM丸和MOMOTATO'S)と、東京ガス。トップイーストAの2強が頂点の座を争うことになった。試合会場となる東京大学丸和柏FUSIONフィールドではキッチンカーも出店し、スペシャルグッズの抽選会、来場者プレゼントもあり、さまざまな演出が行われる。

1月23日(木)夜、高田馬場のノーサイドクラブで、アズコム丸和モモタローズのトークライブが行われた。参加したのはプレイングコーチの木津武士さん、SO北原璃久選手、CTB川井太貴選手。丸和運輸機関のラグビー部は、2014年に関東社会人ラグビー連盟に登録したばかりの新しいチームだが、創業者の和佐見勝社長の陣頭指揮のもと、急速に力をつけ、昨季はトップイーストAに昇格。2024年3月には新体制に関する会見を開き、細谷直GM兼監督(元日野レッドドルフィンズ監督兼GM)の就任、前年に引退していた元日本代表HO木津武士がプレイングコーチとして現役復帰などを発表。本格的にリーグワンを目指すと宣言した。
トークライブでは木津さんが細谷GMから声をかけられ、再度フィールドに立つ決意をした経緯を語り、決勝戦への決意を語った。「リーグワンのディビジョン1を目指すようなチームにしたいと思って、このチームに入りました。トップイーストAで優勝し、今週の3地域の決勝戦で勝って2冠が獲得できれば、リーグワンを目指す初年度を良い形で終えることができます」。決勝戦が行われるグラウンドは、和佐見社長が東京大学に寄付し、大学から借りる形でモモタローズのホームグラウンドになっており、和佐見社長の熱意についても多くの人に知ってもらいたいと話していた。
北原選手はお父さんがセコムの選手だったことから、幼いころから楕円球で遊び、狭山ラグビースクールで本格的にラグビーを始めた。国学院久我山高校卒業後は、「子供のころからスーパーラグビーに憧れていたので」と、ニュージーランドにわたってオタゴ大学で学び、卒業後に日野レッドドルフィンズに入団した。2021から2024初頭までSOとして活躍した後、退団して再びニュージーランドに行こうとしたところで木津さんから声をかけられた。木津さんが言う。「河川敷で一人で練習していました。リクの実力は分かっているし、それではダメだと思って声を掛けました」。そこからニュージーランドのハミルトンのクラブチームでプレーした後、昨年8月にチームに加入している。
川井選手は大阪出身。茨木ラグビースクールでラグビーを始めた。「保育園の同級生のお父さんがスクールのコーチで、僕は足が太かったんで、お前ラグビー行けるぞって、体験に行ったら楽しくて」。常翔学園、近畿大学、日野レッドドルフィンズでプレーした。昨年退団し、ニュージーランド留学を考えていたところで声をかけられた。「練習に参加してみたら、すごく雰囲気が良かったんです」。
2人とも主軸として活躍。SO北原、インサイドCTB川井、そしてアウトサイドCTB鹿尾貫太(元静岡ブルーレヴズ)でフロントスリーを形成する。北原選手によると、「川井選手のプレースタイルは、ひとことで言えば根性。練習も試合も気合が入り、常に100%でプレーする選手です」とのこと。北原選手は両足のキックが同じように飛び、スキルフルなSO。ハードタックラーの鹿尾選手も含めて魅力的な3人だ。
木津さんは「グラウンドも皆さんに一度見てほしいです。天然芝と人工芝が2面あり、屋根付きの練習場もあって、リーグワンでもあまりない施設ですから」と話していた。その施設からもチームの本気度が伝わってくる。最後に26日の試合への意気込みを語った。「しっかり2冠をとり、世間にメッセージ性のあるような良い試合をしたいと思っていますので、ぜひ見に来てください。そしてモモタローズを応援してください」(木津さん)。「3地域の優勝を決めて今シーズンを終わりたいと思っています。会場に来ていただけるみなさん、応援をお願いします」(北原選手)。「優勝に向けていい準備をして、リーグワンに上がっても戦えるようなチーム力をつけて行きたいと思います。今後も応援をよろしくお願いいたします」(川井選手)。
決勝戦は、1月26日(日)、東京大学丸和柏FUSIONフィールドで午後1時にキックオフされる。

村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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