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悔しい引き分けだった。南アフリカグループで首位に立つストーマーズに対し、サンウルブズは、ディフェンスで前に出てプレッシャーをかけ続けた。前節のフォース戦では、やすやすとディフェンスを破られたが、課題を修正し、一人が抜かれても2人目、3人目がしつこくタックルして失点を最小限に抑えた。互いにPGを決めあった前半6分には、FBフィルヨーンのキックしたボールをWTB山田章仁が追走して確保し、FLデュルタロにつないで、最後は、山田が左コーナーにトライ。前半は14-3と、リードで終えた。
後半に入ってもサンウルブズは攻勢に出て、山田が再びトライしたかに見えたが、その後の映像判定で、ゴール前で倒れたあとにボールを置き直すダブルモーションと判定されてトライは認められなかった。しかし、直後にSOトゥシ・ピシがPGを決めて、17-3と点差を広げた。後半10分すぎ、ストーマーズはベテランのFLスカルク・バーガーを投入。彼のアグレッシブなプレーが徐々に試合の流れを変え始める。
サンウルブズも粘り強くディフェンスしたがラインアウトからモールを押し込まれてトライされ、17-10。そして終了間際にも、ミスのない連続攻撃で攻め込まれて失トライ。17-17の同点でノーサイドとなった。残り5分の時点で、右端からPGを狙うチャンスがあったのだが、PGは狙わずタッチでラインアウト。トライを狙ったが、相手にボールを奪われてしまった。この勝機を逃したのは悔やまれる。入れば10点差になり、勝利の可能性は高まったのだからチャレンジしてほしかった。もちろん、トライを獲っていればスッキリした勝利になっただろう。勝利は目前だったが、スクラムでは圧力を受け、大事なラインアウトもミス。改めてセットプレーの大切さが浮き彫りになった引き分けでもあった。
「残念な結果で悔しいですが、上位のストーマーズにここまで戦えたことを自信にして、続くリーグで勝利をものにしたい」と、キャプテンを務めた立川理道。次週は、オーストラリアで、ツイ ヘンドリック、五郎丸歩のいるレッズとの対戦となる。
なお、山田章仁は、通算8トライとして、トライランキングで単独首位に立った。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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