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ラグビー コラム 2016年1月7日

全国高校大会・準決勝

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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1月7日は、東大阪市の花園ラグビー場に行っていた。全国高校大会準決勝の第1試合、東福岡と東海大仰星の試合をJSPORTSで解説した(実況は、谷口広明さん)。ゲストは、東福岡OBであり、日本代表の藤田慶和選手(第2試合もゲスト)。この出演は大会の最初から決まっていたので、東福岡が勝ち上がって来るかどうかは分からなかったのだが、両チームの攻防に手に汗握りつつ、東海大仰星に対しても温かい視線のコメントが多かった。

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試合のほうは立ち上がりから仰星が激しく前に出るディフェンスで東福岡のミスを誘い、そのボールを拾ってNO8河野、LO横井がトライし、14-3とリードする。「すべてにおいて攻撃的にプレーすること」(湯浅監督)。その言葉通り、仰星の選手達はキックを追いかけるときもグラウンド全体のスペースを埋めるようにプレッシャーをかけ続けた。前半を終えて、19-3と仰星リード。

後半に入ると、東福岡が攻撃ラインを少し修正し、深い位置から走り込んで抜け出すシーンが出てくる。7分、ラインアウトからのモールでLOウォーカー・アレックスがトライして、8-19とすると、12分には、CTB堀川のトライで15-19と一気に迫る。このあと東福岡は自陣から攻めたところパスがつながらず、逆に仰星はFB福田の突破でチャンスを作り、WTB中が左コーナーにトライし、24-15と突き放す。この数分の攻防が勝敗を分けた。もし、東福岡がパスを通していれば逆転できたかもしれないが、それをさせなかった仰星のディフェンスの勝利。最後の東福岡の猛攻は15フェイズ続いたが、ここも守りきった。超高校級のハイレベルな攻防に手に汗握った。

第2試合は、桐蔭学園有利の前評判だったが、初のベスト4 の石見智翠館が先制する。自陣スクラムからSH濵端が抜け出し、インゴールへのキックを追いかけたWTB仁熊がトライを奪ったのだ。大歓声に包まれる花園ラグビー場。7-0と石見智翠館がリード。しかし、桐蔭学園はLO石井らパワフルなFWが前進し、SH齋藤直人が巧みなパスワークで防御を崩していく。14分、WTB大木のトライで逆転すると、石井のトライでリードを広げ、着々と加点した。

前半を終えて34-12と桐蔭学園リード。それでも石見智翠館はあきらめなかった。低いタックルを連発し、ターンオーバーを勝ち取り、CTB武田の突破から交代出場の小枝がトライし、再三、ディフェンスを突破したCTB小幡のトライで追いすがる。ベンチからは、「オールアウト! やり切れ!」の声が飛んだ。最後は、41-24という敗色濃厚のなかで攻め続け、HO吉田がトライ、31得点して花園を沸かせた。「あきらめずに、トライを獲りに行ってくれました」と安藤監督は選手の姿勢を称えた。「桐蔭学園はワンランク上のものを持っていました。ああいうチームに勝てるようにするのが私の仕事です。いい目標ができました」。その口調は清々しかった。

一方、勝った桐蔭学園の藤原監督は、「勝ちたい意識が強く、手堅くなりましたね」とゲーム運びにはやや不満そう。決勝戦に向けては、「仰星のほうが平均的なレベルは上でしょう。胸を借りるだけです」とチャレンジャーとして戦う意気込みを語った。桐蔭学園は、2年ぶり5度目の決勝進出。1月11日の決勝戦は、第93回大会と同じ組み合わせとなった。

■全国高校大会・準決勝結果
東福岡●22-24○東海大仰星(前半3-19)
桐蔭学園○46-31●石見智翠館(前半34-12)

■U18合同チーム東西対抗
東軍●12-31○西軍(前半0-7)

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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