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昨夜は高田馬場のノーサイドクラブでトークライブだった。ゲストは日本代表の立川理道選手(クボタスピアーズ)。こうしたライブに出演するのは初めてらしく、開演時間の1時間半も前に来てくれて、打ち合わせのときから、「大丈夫ですかね?」と心配げ。身体はグラウンドで見る方がずっと大きく見える。いい選手の証だろう。もちろん、トーク本番は緊張した様子もなく、優しい口調でさまざま語ってくれた。

奈良県の天理市で生まれ天理で育ち、幼稚園から大学も、すべて天理。その上、名前が理道(はるみち)だから筋金入りである。四兄弟の末っ子で、ご両親、兄3人の愛情たっぷりと受けて成長した。「兄弟げんかはしたことがないです」。長男・教道(のりみち)さん、二男・誠道(まさみち)さんも高校までラグビーをしていて、誠道さんはレフリーとして活躍する。三男の直道(なおみち)さんは、天理大学の一学年上のキャプテンであり、クボタスピーズの先輩だ。理道選手は複数のチームから誘われていたが、尊敬する兄もいるし、「自分の性格に合っていると思って」とクボタに進んだ。直道、理道両選手は、天理大学時代から手首に緑のテーピングをしている。それは、いつもスタンドで声をからす母の名前が「みどり」だから。「マザコンじゃないですよ。ゲン担ぎです。兄は母の声援が恥ずかしいって言うけど、僕は平気で嬉しい。名前を呼ぶのが聞こえると、手を上げて応えます(笑)」
大学レベルからいきなりの日本代表で、パシフィック・ネーションズカップ(PNC)のフィジー戦では簡単にボールに絡まれてしまう場面も。「あんまり、いいプレーできなかったですよね。でも、だんだん慣れてきました」。サモア戦の猛タックルを受けた時は大丈夫だった? 「まったく大丈夫でした。他の選手から、寝とけって言われたからすぐに立たなかったですけど。僕はぶつかり合いなどで怪我をしたことはないです。ひねって靭帯を切ったことはありますけどね」。コンタクトプレーに関しては、トンガやサモアの選手とぶつかってもやれる手ごたえを得たようだ。「課題はタックル、もっと激しくいきたいし、スピードも上げたいです」。
ちなみに、天理大学のラグビーとエディー・ジョーンズヘッドコーチが日本代表でやろうとしているラグビーには共通点が多く、練習も似ているという。「シェイプとか、かっこいい言葉はなかったけど、約束事とかは似ています。エディーさんも、天理のラグビーをほめてくれますね。天理の小松監督は怒ることはなくて、選手一人一人と、1時間でも2時間でも話をしてくれて、納得させてくれるコーチです。なんでも即答してくれるところは、エディーさんと似ていますね」
お客さんからもいろんな質問があった。憧れの選手は? 「元オーストラリア代表のスティーブン・ラーカム」。戦ってみたいチームは? 「オールブラックス」。ライバルは? 「森田佳寿(東芝ブレイブルーパス)」。SOは性格が悪くないとダメって言った人がいたけど、性格良すぎるんじゃない? 「では、僕が常識を変えます!」
やはり気になるのがポジションの話。「どこでも試合に出られればうれしいですけど、SOが一番生き生きプレーできますね。FBは足が遅いから難しいです」。今回、17歳でジュニア・ジャパン入りしてトンガと対戦した山沢拓也選手のことも質問したら、「彼はすごい。トンガと普通に試合できている。自分の17歳のときと比べても考えられないくらい。日本代表の練習も普通にやれているし、アタック・ディフェンスの練習でステップで抜いたりしますからね。まだラグビーを始めて2年でしょう。信じられないです。足が速いから、できればFBやってほしいですけどね(笑)」と、称賛しつつ、未来のライバルをけん制する一幕も。
日本代表解散後は、クボタの新人社員研修に参加。7月2日には配属先が決まるようだ。クボタも菅平高原で夏合宿。そのあとは、日本代表の夏合宿に参加する。
今回は、クボタスピアーズから、クッションボールや卓上カレンダーが、お客さん全員にプレゼントされた。そして、立川選手からは天理大学の名前入りのウインドブレーカーが。超レアものをゲットしたファンの方は大喜びだった。
今回の質問の中で、20歳以下日本代表に関する質問もあった。2009年の日本開催のJWC(ジュニア・ワールドチャンピオンシップ)では日本代表だった立川選手は、そのときに負けて下部大会への降格を決めてしまっただけに、謙虚ではあったが、「U20日本代表が強くなれば日本代表も強くなる。勝ってほしいですね」とエールを贈った。しかし、残念ながら、U20日本代表は、JWRT(ジュニアワールドラグビートロフィー)の決勝でU20アメリカ代表に4点差の惜敗。上位12か国のJWCへの昇格はならなかった。来年は、JWCからイタリアが降格してくる。イタリア、トンガ、カナダ、グルジアらと戦って昇格を目指すことになる。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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