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2011年1月1日、東大阪市の近鉄花園ラグビー場は、全国高校大会3回戦が行われた。朝は、京都から、「サクッ、サクッ」と雪の凍った道を駅まで歩いた。東花園駅に到着すると快晴。きのうより暖かく感じた。さすがに2回戦を勝ち抜いたチームの対戦とあって、10:30の第1試合から内容の濃い熱い試合が続いた。
まず驚かされたのが、尾道対大阪朝鮮。攻撃の核であるCTB権裕人が脳震盪で今大会の出場が難しくなった大阪朝鮮は、攻撃のバランスが崩れたのか、尾道の激しいディフェンスの前になかなかトライを奪えない。拮抗状態は最後の最後まで続き、12-7で辛くも逃げ切った。尾道、よくタックルしていた。國學院栃木、正智深谷も大健闘したが、それぞれ関西学院、流通経済大柏が勝ち進んでいる。
ノーシードでは、國學院久我山がBシードの慶應義塾を破った。久我山はブレイクダウンの強さもあり、バランスもとれている。準々決勝も力を発揮しそうだ。秋田工業も素晴らしいパフォーマンスだった。一時、東海大仰星から19点のリードを奪う好スタートを切ったのだが、最終的には細かいミスもあって突き放された。勝機は十分にあった。
50点以上をスコアしたのは、桐蔭学園、伏見工業。桐蔭学園は、WTB竹中、FB松島らが期待通りの切れ味。伏見工業は、早いテンポでの攻撃で相手にタックルのポイントを絞らせなかった。ただ、コーチ陣はまだまだ納得していないようで、山口良治総監督も「もう少し早いテンポで行きたい。サポートも浅くなってスピードが出ていなかった」と辛口だった。
この試合では、深谷のSO山沢、伏見工業のFB松田という期待の1年生対決もあった。松田はテンポのいいパスワークなど非凡な攻撃センスを披露。山沢はFW戦が劣勢だったので、なかなか見せ場が作れなかったのだが、最後に伏見工業のFW陣の真ん中を突き破って天性のランニングスキルを見せてくれた。試合後は泣きじゃくっていたが、本当に将来が楽しみな選手だ。
準々決勝の組み合わせ抽選会は午後3時45分から行われ、以下のように組み合わせが決まった。どれも勝敗の予想のつかない試合で、1月3日の花園ラグビー場は大いに盛り上がりそうだが、好調の伏見工業が連覇を狙う東福岡にチャレンジする第2試合は特に興味深い。東福岡のコーチの方に、伏見との対戦について聞いてみると、「どんなチームですか?」と逆に質問された。今季は対戦がないらしく、体を当ててみないと分からない感じのようだ。
◎準々決勝の組み合わせ(1月3日、10時30分〜)
関西学院 対 國學院久我山
伏見工業 対 東福岡
桐蔭学園 対 東海大仰星
大阪朝鮮 対 流通経済大柏
追記◎コメント欄にあった、秋田北中学の件ですが、東日本中学ラグビー大会も年末に開催されており、12月25日の決勝戦で勝利し、優勝していますので、県選抜には参加しなかったと思われます。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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