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ラグビー コラム 2010年6月12日

PNCフィジー戦結果

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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12日(土)、フィジーのチャーチルパークにて、パシフィック・ネーションズカップ(PNC)第1戦フィジー代表対日本代表が行われた。JSPORTSで、日本A代表の薫田真広監督と解説をした。試合前は勝ってくれると思って笑顔で話していたのだが、終わったときは実況の矢野さんとともに、やや沈んだ表情になった。フィジーは世界ランキング10位の強豪とはいえ、きょうのメンバーは、初キャップ選手も含む若手中心。フランス、NZ、オーストラリアなど海外のクラブで活躍する選手は多くても、ビッグネームはいなかった。世界ランニング13位からの上昇を狙うには、これ以上ないチャンスだったのだが。

試合前の国歌斉唱。フィジー代表選手は涙を流している選手が多く、立ち上がりから激しいコンタクトプレーで日本に襲いかかった。強い日射しに、暑さによる大量の汗、ミスをまったくなくすことは難しいのだが、それでもチャンスでのミスは、即ピンチに直結した。前半こそ、0-3と拮抗したが、後半はスクラムでも劣勢になり、攻め込んでのミスが続発。モールから菊谷が1トライを返したものの、後半35分には、防御背後に大きくキックされ、スピードで競り負けて8-22と突き放された。ウェブのキックの調子がいつも通りなら、2本のPGは決まっていたはず。キックでの地域獲得も、ゲームマネージメントも上手くいかなかった。

解説の薫田さんが試合途中で「もっとオフサイドラインを作ったほうがいいのでは」と話していた。無理なパスでミスするのではなく、ラックを作り、フィジーの防御をオフサイドの位置に追い込みながらテンポ良くボールを動かした方がいいという意味だった。しつこくボールをつなぐ我慢強さには欠けたかもしれない。ボールを保持して攻めきれず、決定力あるフィジーに一気にもっていかれるのは、いつもの負けパターンだった。分かっていることをされて負けたのだから、選手たちは本当に悔しいだろう。世界一の低いプレー、ラック連取での素速い連続攻撃、次のサモア戦では日本代表らしさを取り戻してもらいたい。

◆試合結果
フィジー代表○22-8●日本代表(前半3-0)

■ジョン・カーワンヘッドコーチ
「選手が最後まで諦めず戦ったことは良かったが、良いアタックをしてもゴールライン前でミスをしてしまうなどの個々のミスが大変多かった。結果的にこのようなミスの連続が致命的となり、フィジーのチャンスを生んでしまったことが、この点差の大きな理由です。また、スクラムでは、疲れてきた時に集中力をなくし、安定感がなくなってしまいました。終始、ミスにより、継続的な攻撃ができず、日本はリズムにのることが出来ませんでした。明日からは、(次戦の)サモア戦に向け、切り替えて、修正し、ハードな練習をしていくことに変わりはありません。ミスをなくすことができれば、ランキング上位の相手にも競って、勝利できるチームになることは十分可能です」

■菊谷崇キャプテン                    
「フィジーの激しいプレッシャーを受けてしまい、スクラムが安定せず、バックスへ良いボールを出すことができませんでした。また、自分たちのミスからターンオーバーされ、点を獲られることが多く、トライを獲れる場面でもミスにより、獲りきれなかったのが、一番の反省点です。前半は、0対3で折り返し、自分たちのラグビーをすることができ、ラインブレイクできたことは自信に繋がりました。また、後半に小野澤選手が入ってきたことにより、バックスの選手たちがリラックスし、固かった部分が少し修正されました。明日からは、サモア戦に向け、ミスをなくし、自分たちのラグビーを80分間継続できるように、コーチ陣とも話し合い、修正し、試合に臨みたいと思います」

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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