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ただし今週は一転して強大な相手にチャレンジする立場へ回るだけに、前節とは異なるアプローチが必要となる。圧倒的なフィジカリティを誇る帝京大に真っ向勝負を挑めば、分が悪いのは明白。焦点を絞り込み、練り上げたプランを80分間通して精度高く遂行することが、善戦の条件だろう。
2日前に発表された登録メンバーを見ると、帝京大は12月2日の慶應義塾大との対抗戦最終戦から先発2人を入れ替えた。新たにスターターに名を連ねたのはLOシミオネ・シュミットとCTB久木野太一で、シュミットは10月1日の立教大戦(リザーブ)、久木野は11月19日の明治大戦(先発)以来のメンバー入り。激しいチーム内競争が続く中で、それぞれどんなパフォーマンスを見せるかが注目される。
一方関西学院大の3回戦からのスターター変更も同じく2人。左PRにU20日本代表で今夏の世界大会に出場した黄世邏が入り、野矢健太郎が2試合ぶりに左LOに復帰した。それにともない前節LOで出場した小林典大がNO8に下がり、田中大瑚は8番から7番へ移動する。
FW8人平均の身長と体重を比較すると、帝京大の181.0センチ、108.3キロに対し、関西学院大は176.1センチ、101.4キロ。数字だけでは測れない圧倒的な支配力を誇る帝京大パックに対し、関西学院大がいかにユニットでのまとまりと一人ひとりの仕事量で対抗できるかという点は、この試合の趨勢を左右するポイントになるだろう。またゴールラインに近いエリアで帝京大がたたみかける状況になれば、どれほど粘り強くディフェンスしても守りきるのは難しい。SH金築達也、SO齊藤綜馬のHBを中心にキックを効果的に使い、できるだけ相手陣でゲームを進めることも、関西学院大にとって重要なテーマになる。
緻密なスカウティングをもとに明確なプランを設計し、それを全員が忠実かつひたむきに遂行できるのが、今季の関西学院大の持ち味だ。そしてそうした勤勉なチームが相手だからこそ、帝京大の真価はよりくっきりとさまざまな局面に現れるだろう。緊張感ある80分を期待したい。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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