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前節の慶應義塾大学戦での明大は前半攻守で圧倒し、47得点を奪う猛攻を見せる。しかし、後半になると失点が続き、最終スコア66-40でノーサイド。「後半は波に乗れなかった」。
「自分たちのミスやペナルティなど、練習で出た課題がそのまま試合に出ていると感じた。後半のスコアだけ見ると負けているので、そこはすごく反省」(廣瀬雄也主将・商4=東福岡)。規律やディフェンス面など、大一番に向けて修正すべき課題があらわになった試合だった。
一方、前節の早稲田大学戦での帝京大は、スクラムで早大を圧倒し主導権を握るものの、ハンドリングエラーやラインアウトのミスで、トライを取り切れないシーンも目立った。最終スコア36-21で勝利したが、帝京大にとっては課題が残る試合だっただろう。
前節の試合を不完全燃焼で終えた両校の全勝対決。今年度の関東大学春季大会では台風の影響で試合が中止になってしまったため、公式戦では初めての対戦となる。今試合でまず注目したいのはFW(フォワード)勝負だ。
明治大学 vs. 帝京大学スタメン
帝京大の一番の特徴は大学トップレベルのFW陣。HO(フッカー)江良颯主将(帝京大)を中心に繰り広げられるセットプレーの攻略は帝京大撃破のカギになる。昨年度完敗したスクラムで明大はこの1年間、帝京大をターゲットに取り組んできた。
菅平合宿での帝京大戦でスクラムを組むFW陣
実際に今年度夏に行われた菅平での練習試合では、スクラムで明大が優位に立つシーンが多く、練習の成果を感じることができた。「(夏の帝京大戦では)スクラムを圧倒することができ、彼らの強みである接点のところでもしっかりと戦えたので、今年は期待が持てるような場所にたどり着いていると思う」(神鳥裕之監督・平9営卒)。
さらに明大が力を入れているのはモールの精度。今年度の途中から杉本晃一アシスタントコーチ(平21政経卒)を迎え、ラインアウトモールの練習を重点的に行っている。「全試合でモールトライを取ることを目指している」(杉本コーチ)という言葉通り、ここまでの明大は試合中盤でモールトライを決め、流れを一気に引き寄せる姿が印象的だ。
しかし、サイズが大きく、まとまりもある帝京大FW陣からモールトライを奪うことは一筋縄ではいかないだろう。さらに、前節早大戦では対抗戦で初となるモールトライを許しているため、ディフェンス面を工夫し対策を練っているはずだ。そのような中で明大が壁をどうこじ開けていくかに注目だ。
帝京大攻略には、スターぞろいの明大BK(バックス)陣の活躍も必要不可欠だ。今試合、廣瀬主将は欠場だが、ここまでの対抗戦計7トライの左CTB(センター)平翔太(商2=東福岡)や、キレのあるステップで相手を翻弄(ほんろう)する左WTB(ウイング)海老澤琥珀(情コミ1=報徳学園)など、若い選手がスタメン入りを果たした。「ボールを持っていないところでも意識してプレッシャーをかけていきたい」(平翔)。
また、開幕戦・青山学院大学戦以来の対抗戦復帰となるFB(フルバック)池戸将太郎(政経4=東海大相模)にも注目だ。昨年度まで専門としていたSO(スタンドオフ)から、今年度はFBにコンバートしたものの、抜群のキックスキルと試合を見る力で明大を支えるキーマンになっている。「勝利に貢献できるプレーをしたい」(池戸)。大一番で復帰した頼れる最後の砦はチームの精神的支柱になるに違いない。
帝京大は対抗戦優勝、そして目標である全国大学選手権優勝を達成するためには絶対に倒さなければならない相手。「帝京に流れを持っていかれるシーンもあるかもしれないが、そういう時はしっかりと切り替えて80分戦っていく」(左LO /ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)。チーム一丸となりFW、BKともに圧倒する明大に期待したい。
文/写真:豊澤風香(明大スポーツ新聞部)

明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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