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ここまでの集大成ともいえる山田のトライ
直後に同じ地点で成蹊ボールのスクラムとなるが、ここでも慶大が猛プッシュ。成蹊大がボールをインゴールにつけたため、慶大ボールの5mスクラムに。このスクラムでも組み勝ち、コラプシングのアドバンテージを得ると、大胆に攻められる慶大は展開を選んだ。SO山田は外にパスするふりをしながら縦に切り込みトライ。20-3として前半を終えた。
後半も慶大の攻撃は止まらない。13分には相手のノットロールアウェイでタッチに蹴り出しラインアウト。モールを組み、中山がトライ。26分にも、敵陣で相手のペナルティをもらいつつ、FWで攻め、最後はCTB(センター)永山淳(総4・國學院久我山)に渡り、トライ。この時点で34-11と相手を大きく突き放した。
ノーサイドまで5分、攻撃の手を緩めなかった。終盤に強い慶大、体力は依然衰えず畳みかけるかのようにモールで攻撃し、「Ready Go!」の掛け声に合わせて突き進んだ。2試合ぶりに復帰したLO中矢が2つ目のトライをあげ、SO山田がコンバージョンを決めたところでノーサイド。ラストワンプレーまで集中力を切らさなかった。最終スコアは46-16で、勝ち点「5」を獲得した。
予想通り、FW陣が力勝負で圧倒し、BK(バックス)陣の展開も冴え勝利したこの試合。特に前半34分の山田のトライは、選手自身で判断する中、FW陣がスクラムで圧倒し、BK陣で確実に取り切るという、ここ4戦の中で慶大が一番体現したいラグビーだったように思える。
「ディフェンスをしながら前に出て、少ないチャンスをモノにしてトライを上げる」というラグビーが完成形に近づいており、戦術がはっきりしていることも勝利の要因だろう。青貫浩之監督の考えるラグビーが、試合を重ねるにつれて浸透し、グラウンドで表現できている。
特にWTB佐々は声による躍動感、相手を抜き去るスピード、そしてタックルを受けても倒れないフィジカルを披露し、常に慶大を盛り上げていた。
次戦は11月5日の明治大学戦だ。強敵だが、優勢時も劣勢時も、慶大のやりたいラグビーを80分間続け、戦うのみである。
文:野上賢太郎/写真:愛宕百華(慶應スポーツ新聞会)
慶應スポーツ新聞会
慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト
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