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発表された登録メンバーをチェックすると、アイルランドは2週前の南アフリカ戦からスターター2人を入れ替えた。新たに先発に名を連ねたのはHOダン・シーハンとLOイアン・ヘンダーソンで、前節先発のHOローナン・ケラハーとLOジェームズ・ライアンはリザーブに回る。ベンチメンバーまで含め盤石の布陣といっていい構成で、FLピーター・オマーニーの通算100キャップ目ということもあり、節目を勝利で祝うべく満点の気迫で臨んでくるはずだ。
対するスコットランドの前節ルーマニア戦からの先発変更は9人。トンガ戦でヘッドコンタクトを受け退いたキャプテンのFLジェイミー・リッチーが復帰したほか、SOフィン・ラッセルやWTBドゥハン・ファンデルメルヴァら主軸がずらりと並び、こちらもベストといえるラインアップになった。ちなみに15番を背負う万能BKのブレア・キングホーンにとっては、これが50キャップ目のゲームだ。
アイルランドが全員の献身的なハードワークをベースに常に複数の選択肢を作りながらゲインラインにたたみかける攻撃を得意とする一方、スコットランドは司令塔のラッセルのひらめきと多彩な仕掛けから決定力あるアウトサイドのランナーを自在に走らせるアタックが持ち味。それぞれの鍵を握るCTB陣、バンディー・アキ&ギャリー・リングローズとシオネ・トゥイプロトゥ&ヒュー・ジョーンズのミッドフィールドのバトルは、この試合の大きな見どころのひとつだ。またともにセットプレー、特にラインアウト起点のアタックを得意とするチームだけに、その獲得率は勝敗を左右する要素になるだろう。
シックスネーションズでも長年しのぎを削ってきた両国の通算対戦成績は、アイルランド69勝、スコットランド67勝でドローが5つとほぼ互角。ただ直近ではアイルランドが8連勝と優勢を維持しており、ランキングの通りスコットランドが挑む構図といえるだろう。なおワールドカップでは過去に2度対戦しており、1991年のイングランド大会ではスコットランドが24-15と勝利したが、2019年日本大会ではアイルランドが27-3で快勝を収めている(いずれもプールマッチ)。
世界ランキング1位と5位が、生き残りをかけて激突する決戦。どう転んでもしびれる戦いになるのはまちがいない。必見だ。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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