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大学ラグビー 菅平合宿 2023 練習試合
【ハイライト】帝京大学 vs. 早稲田大学
早稲田の攻撃がようやく実を結んだのは、その直後の40分だ。ラインアウトを起点にテンポよくフェーズを重ね、好サポートから抜け出したFL池本大喜が左中間に飛び込む。一矢報いるトライを返し、後半に望みをつないだ。
ハーフタイムでの修正点と方向性の共有、意思統一を経て迎えた後半。ゲームは開始早々に動く。
マイボールのキックオフからディフェンスでペナルティを奪い、敵陣レッドゾーンでの攻撃機会を得た帝京は、自慢のラインアウトモールでじわじわと前進。相手防御を寄せたところでBKが右オープンを攻め、ルーキーのWTB青柳潤之介が大外を抜け出す。47分には中盤でのこぼれ球をすかさず拾って切り返し、フォローしたPR平井半次郎がゴールラインを越えた。
さらに51分には、またもペナルティ獲得→タッチキック→ゴール前ラインアウトの流れからドライビングモールでフィニッシュ。勝負どころの後半立ち上がりの3連続トライで一気に突き放すと、試合の趨勢は決定的になった。
59分、WTB青柳があざやかな個人技でタッチライン際を攻略し、この日自身2本目のトライをマーク。70分以降はリザーブのフレッシュレッグを続々と投入して攻勢を強め、73分にラインアウトモール、77分にNO8尹礼温、83分にはPR森山飛翔がインゴールを陥れる。後半は45-0と文字通り圧倒して、フルタイムを迎えた。
2か月前の関東大学春季大会での対戦時(60-21)からさらにスコアを広げる大勝で、早稲田の挑戦を退けた帝京。ハイタックルとイエローカード2枚を受けた規律面は大きな課題として残ったが、修正すべき点をはっきり認識できたという意味では、貴重な経験だったといえるだろう。スムーズな試合展開ではなかったからこそ、チームの底力はむしろ際立った。この反省を経て8月27日の明治大学戦(13時キックオフ)でどんなパフォーマンスを見せるのか、興味はふくらむ。
早稲田は前半、コンタクトエリアで奮闘し前回からの進歩を示したが、たびたび相手陣22メートル線内に攻め入りながら得点につなげられず、スコアでプレッシャーをかけられなかったことが大敗の要因となった。精度、連動性を欠いたラインアタックと、ことごとくマイボールを失ったラインアウトは、改善が急務の重要なテーマだ。同志社大との次戦(8月27日13時キックオフ)でどのように立て直してくるかが注目される。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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