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一方の東洋大は4月23日の春季大会初戦で昨季大学王者の帝京大と対戦し、14-92で完敗。中3週で臨んだ第2戦でも、同じ関東大学リーグ戦所属の東海大に21-113と大敗を喫した。キャプテンのLO齋藤良明慈縁(現静岡ブルーレヴズ)やSH神田悠作(現九州電力キューデンヴォルテクス)、SO土橋郁矢(現NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)ら躍進の原動力となった昨季のレギュラー10人が卒業し、試合経験の少ない下級生主体のチームになったこともあって、ここまで厳しい戦いが続いている。
最大の課題は、2試合連続で大量失点を喫したディフェンス面だ。昨シーズンはひたむきなタックルをベースに粘り強く守って失点を最小限にとどめ、クロスゲームに持ち込んで競り勝つというのが勝利のパターンだった。今後どんなスタイルを目指していくにせよ、ゲームメイクの要となる部分だけに強化は必須。優れた攻撃力を有する実力者との対戦が続く春季大会の残り3試合で、少しでもいい感触をつかみたいところだろう。
早稲田大学スターティングメンバー
2日前に発表された登録メンバーを見ていくと、早稲田大は前週の明治大戦からスターター3人を入れ替えた。前節途中出場で存在感を示した亀山昇太郎が右PRに入り、左PR門脇浩志、HO佐藤健次とフロントローを形成。BKでは期待のルーキー、矢崎由高が入学後初スタメンで11番に名を連ねた。最後尾のFBは、4年生の大型BK京山秀勇が務める。
東洋大学スターティングメンバー
対する東洋大の前節東海大戦からの先発変更は1人だけ。211センチ、132キロのジュアン・ウーストハイゼンに替わって194センチ、106キロの笠掛優がリザーブから5番に。それ以外の14人は先週に引き続きスタートからの出場だ。学年を見るとFLヴェア タニエラ主将を筆頭に4年生が4人、3年生が5人、2年生が5人、1年生がWTB坂本琥珀ひとりという構成になっている。
両校にとって全5試合の春季大会で中間点の3試合目となるこの一戦。実戦を経験することで相互理解が深まり、チームとしての今シーズンの戦い方が徐々に輪郭を帯びてくる頃だろう。それぞれがどのように進歩したパフォーマンスを見せるか、注目だ。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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