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ラグビー コラム 2023年3月1日

偉大なるトライから半世紀 ~TMOのなかった時代~

be rugby ~ラグビーであれ~ by 藤島 大
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バーバリアンズ。背番号は「9」。そのジャージィにこのほど「240,000ポンド」の値がついた。いまここをタイプしている時点のレートで「39,049,335円」である。澄みわたった空気の土地に小さな別荘くらい買えるかもしれない。

『ガレス・エドワーズ自伝』

半世紀前、1973年の1月27日のカーディフでのオールブラックス戦、長く「ラグビー史上で最も偉大なトライ」と称されてきた冒険的アタックを締めくくった人物、ウェールズの名SHのサー・ガレス・エドワーズが同ゲームでまとった1着を出品した。

ぜひウェブに残る有名な映像を見てほしい。BBC放送のクリフ・モーガンが叫ぶ。

ワールドラグビー公式ページ「The history of the Barbarians」の映像より

「This is Gareth Edwards! A dramatic start. What a score!」
ときめき。敬意。興奮。この競技の永遠の声であり瞬間だ。

そして。あの時代にもし「TМО(テレビ・マッチ・オフィシャル)」が存在したら、この白と黒のジャージィの売価はワンルームの家賃10カ月分程度に落ち着いていた。

途中、かすかなスローフォワードに見えなくもない球の流れがある。ガレスへの短いパス。もちろん、そうでないようにも映る。想像だけでゾッとするが、レフェリーが両手でテレビの輪郭を模して、無線で協議、やがてスコアが取り消されたとしよう。もしそうならラグビーはもっとしょんぼりしたものになっていた。たぶん負けず嫌いのニュージーランドの選手ですら残念に思ったのではあるまいか。いま「じいちゃんはあのトライのあの試合に出ていた」と近所の子どもに自慢できる。それだけの美と技がそこにあった。

ちなみにオールブラックスの首に巻きつくタックルも途中に2度あった。いずれもバーバリアンズの15番、JPR・ウィリアムズが浴びた。現在ならカード級だろう。でも職業は整形外科医の勇猛なウェールズ人はほとんど気にせずプレーに戻る。

さて進行中のリーグワン。放送の解説者として心から「レフェリーはもっと尊敬されるべきだ」と考える。キャプテンでない選手まであれこれ異を唱え過ぎだ。

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