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試合後あいさつする選手たち
ノーサイドの瞬間、歓喜に沸いたのは臙脂(えんじ)だった。負けたら終わりの全国大学選手権準々決勝。明治大学は早稲田大学相手に14-13と1点リードで前半を折り返す。迎えた後半、早大に逆転を許してしまう苦しい展開に。最後まで逆転を信じ戦い続けるも1トライ差及ばず敗戦。正月越えを逃し、石田組の戦いは幕を閉じた。
0-7で迎えた前半20分、16フェイズに及ぶ長い攻撃の末、最後は右CTB(センター)齊藤誉哉(文4=桐生一)がディフェンスを3人かわしトライ。「ボールを持ったら強いプレッシャーをかけようと思っていた」(齊藤)。その後は自陣でのプレーが続き早大にPG(ペナルティゴール)を2本決められる。
それでも前半終了間際、敵陣ゴール前のラインアウトからモールを組むとその横をHO(フッカー)松下潤一郎(法3=筑紫)が抜け、グラウンディング。「モールが押し返されて、相手が入ってくるのが見えたので行った」(松下)。左CTB廣瀬雄也(商3=東福岡)がコンバージョンキックを決め逆転に成功し、1点リードで前半を折り返す。
迎えた後半、先に動いたのは早大。序盤にフロントロー2枚を変え勝負に出てくる。すると明大は前半優勢だったスクラムで、2回連続反則を取られ攻め込まれてしまう。「レフェリーに合わせることやFW(フォワード)としてどう戦っていくかを明確にできなかった」(右LO/ロック武内慎・商4=石見智翠館)その好機を早大が逃さず逆転に成功。さらに次の攻撃でSH(スクラムハーフ)宮尾昌典にインターセプトされ独走トライを許し、14-27と突き放される。
それでも負けたら終わりの明早戦。「相手のスクラムを壊して、もう一度明治に流れを持ってくる」(HO紀伊遼平・営4=桐蔭学園)。明大もフロントロー3枚同時に変えチャンスを伺う。すると後半28分、敵陣5mで反則を奪うと明大はスクラムを選択。コラプシングを奪いもう一度スクラムへ。ボールを出し攻め続け、早大がオフサイド。そしてそこでもスクラムを選択。
ラグビー 全国大学選手権 22/23
【ハイライト動画】準々決勝 早稲田大学 vs. 明治大学
「自分たちのプライド、スクラムで勝たないと明治のアタックは始まらない」(大賀宗志・営4=報徳学園)。『縦の明治』の威厳に懸け、まっすぐ押し続け認定トライを奪取。「今シーズンで一番いいスクラムを組めた」(紀伊)。FW陣の力で逆転のムードを高める。
残り10分、明早共に激しい攻防に息をのむ展開が続く。最後まで逆転を狙う明大。終了間際、ボールを左WTB(ウィング)石田吉平主将(文4=常翔学園)に託す。得意のステップで切り裂き前へ。しかし、相手の激しいタックルを受け、ボールは早大の主将である左FL(フランカー)相良昌彦のもとに渡る。そのボールを蹴り出されノーサイド。4年ぶり大学日本一を狙った明大だったが、まさかの正月越えさえも逃す結果に終わった。
チームを引っ張り続けた石田主将
「みんな一番いいプレーをしていたのに勝たせてあげられなかったのは自分の責任」と敗北を一身に背負った石田。しかし1年間、誰よりも練習し背中で引っ張ったのは石田だ。明大の主将として誰よりもチームのことを考え鼓舞し続ける。そんな石田の姿を見ていた選手たち。副将・齊藤も常に「石田を胴上げさせたい」と言い続けた。
そんな誰からも慕われ、明大らしくひたむきに戦い続けた石田。その勇姿は決して忘れない。そしてその姿を後輩たちが受け継ぎ、悲願の大学日本一へと突き進む。明大ラグビー部100年目の戦いはすでに始まっている。
文:牛嶋淳太郎/写真:豊澤風香、安室帆海(明大スポーツ新聞部)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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