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もっとも10-63で完敗した天理大との初戦を含め、準備してきたプレーを遂行できた時はどの相手にも通用したし、トライも取りきることができた。背中で牽引するリーダー、NO8池原自恩キャプテンを筆頭に接点で体を張る意識の高い選手もそろっている。天理大戦、同志社大戦で目立ったペナルティをできる限り減らし、タイトなクロスゲームに持ち込むことができれば、自分たちのペースになるはずだ。
キックオフ48時間前に発表された登録メンバーを見ていくと、近畿大は前節からHO平沼泰成、LO駒井凌太、FB高城圭雄の3人を変更。池田真人、稲場巧の両PRにLO甲斐登生と実力者が並ぶタイトファイブには、スクラムとラインアウトで圧力をかけることが期待される。3戦連続でそろって先発となるFL中村健志、FL岩本圭伸、NO8古寺直希のバックロー3人は、いずれも接点の激しさが持ち味のハードワーカーだ。
SH田原慶人、SO半田裕己のHB団と三島琳久と植田和磨の両WTB、CTB森元翔紀の5人も、開幕から4戦連続の先発出場となった。アウトサイドCTBには前節に続いて志和池昂豊が入り、FBでは4年生の高城圭雄が今シーズン初のスターターを務める。
一方の関西大は前節からFW2人、BK3人を入れ替えた。第1列は今季初先発の左PR河瀬拓磨、HO今井虎太郎の2人に右PR細矢一颯という並びで、LO陣は中薗拓海、中村豪の不動のコンビ。バックローは奥平一磨呂、岩崎友哉の両FLとNO8池原自恩主将が3戦連続の先発出場だ。
BKではSO池澤佑尽が2試合ぶりのスタメン復帰でSH末井健将とペアを組む。TB陣はCTB米虫悠輔とWTB遠藤亮真が前節リザーブから先発に戻り、澤口飛翔がCTBから11番に、藤原悠が13番から12番にシフト。FBには2試合連続で山村英毅が入った。
近畿大にすれば最大の強みであるセットプレーで厳しくプレッシャーをかけ、いい形で決定力あるバックスリーを走らせる展開に持ち込みたいところだろう。反対に関西大はそうした状況を作らせないために、規律を保ちつつ前に出るディフェンスでスペースを奪い、敵陣で試合を進めることが勝利の条件となる。近畿大の半田裕己、関西大の池澤佑尽という両10番のキックを使ったゲームコントロールも、重要な見どころのひとつだ。
勝てば後半戦に向け大きく弾みがつく一戦。気迫のこもった熱戦を期待したい。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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