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岩渕健輔氏
岩渕健輔のプレーをはじめて観たのは彼が大学1年で出場した関東大学対抗戦・青山学院大学対慶應大学だった。
高校時代、彼が東京都大会で国学院久我山と2年連続で対戦し、この強豪を相手に善戦した青山学院高等部のスタンドオフであることはすでに知っていたがこの試合でも不利な局面から見せる強気なアタック、スペースを生かしたランやパスなどフレアーを感じさせるプレーは幾度か目を引き、それまで撮影の機会が少なかった青山学院大の試合にも彼のプレーを撮りたいゆえにスケジュールを繰り合わせて足を運ぶようになった。
やがて7人制代表、そして日本代表に選出されインタビュー等取材で接する機会が増えると彼の人となりに惹かれるようになり、出場する試合あるいはマネージメントを任される大会の撮影に行く機会が増えてきた。 中でも1999年ウエールズ大会のアジア地区予選を控え秩父宮で開催され、彼の鮮やかなゲームメークで勝利を収めた日本対アルゼンチン戦は印象に残る一戦だった。
彼と同じ学年には箕内拓郎(関東学院大)、大畑大介(京産大)、田中澄憲、伊藤宏明(ともに明治大)、石川安彦(早稲田大)、沢木敬介(日本大)らが名を連ね、ともに大学ではしのぎを削り社会人さらに日本代表でもプレーを続け、この国のラグビーシーンをリードしてきたまさに「ゴールデンエイジ」と呼べる世代である。
大学に入学してから四半世紀余り、いま彼らはトップリーグのGM、母校の監督やコーチングスタッフ、クラブチームの指導者、そして日本協会専務理事の岩渕健輔は日本ラグビーのスキッパーとして、みな多忙を極めている。
ゴールデンエイジからのパスはいま次の世代のラグビープレーヤーたちに脈々と受け継がれている。
井田 新輔
フォトグラファー。1961年東京生まれ。明治大学政経学部卒。 4年間の会社員生活を経て1989年よりスポーツフォトグラファーとして活動を開始し、現在はラグビー、プロ・アマ野球を中心に撮影を行っている。 ラグビーワールドカップは1999年ウエールズ大会より6大会連続でフルカバー。日本スポーツプレス協会(AJPS)、国際スポーツプレス協会(AIPS)会員。
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