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初のベスト8進出を決めた日本は、10月20日(日)の準々決勝で南アフリカと対戦する。
16日(水)には、FB(フルバック)山中亮平選手(神戸製鋼)、長谷川慎スクラムコーチがメディアに対応した。
「スプリングボクス」こと、南アフリカと言えば2015年ワールドカップでは日本が34-32で勝利し、9月6日のテストマッチでは、7-41で大敗した相手である。
山中選手は予選プール4試合に出場した(2試合先発、2試合リザーブ)。「ロシア戦はリザーブからスタートして、いいプレーもできたと思います」。
「アイルランド戦、サモア戦はスタートから出て、自分自身もっとできると思いましたし、ちょっとミスを恐れているプレーもあったので、もっとチャレンジできたと思います」。
そして、「スコットランド戦はリザーブで出て、しっかりゲームを安定させるところと(控えからの)インパクトとして、しっかりプレーができた」と振り返った。
また、10月20日は3年前に53歳で亡くなった平尾誠二さんの命日である。神戸製鋼や、日本代表の後輩にあたる山中は「ラグビーを続けるにあたって、平尾さんがいなければ今の僕がいないので、感謝の気持ちでいっぱいです」。
「(準々決勝は)平尾さんの命日っていうことで、すごく僕にとっても、すごい日に試合があるという、大事な試合だと思います」。
「(平尾さんは)『思い切って楽しんでやるだけ』と言ってくれると思います。僕自身もメンバーに入ったら、思いっきりぶつかって、全力で楽しんでプレーしたい」と意気込んだ。
また、長谷川コーチは南アフリカ戦に向けて「世界でも1、2を争う強いスクラムだと思います。あの時(9月6日の対戦)、しっかりスクラムを組めた自信は、ワールドカップで僕らの原動力になっている」。
「今もいいスクラムを組んでいると思うので、前のことは忘れて、今回の南アフリカだけを見て、対策を立てていきたい」と腕を撫した。
1999年ワールドカップでは、平尾ジャパンの一員として戦った長谷川コーチは、「平尾さんの話になると感傷的になってしまいます。私を日本代表に選んでくれたのは平尾さん、試合に出してくれたのも平尾さんです」。
「そういう特別な人の命日に、特別な試合がある。しっかり恩返しできるようにラグビーをやりたい」としみじみと話した。
平尾さんに恩義を感じている2人が静かに闘志を燃やしている。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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