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ラグビー コラム 2019年4月23日

ラグビーを愛するトップビジネスマンに聞く~デジタルハーツホールディングス 玉塚 元一社長~

ラグビーのすゝめ by 藤島 大
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玉塚元一

練習は不可能を可能にする。

──若き日は慶應大学の大型フランカー。まず古くからのラグビー愛好者のために聞かなくてはなりません。4年生のシーズン、1985年1月6日、黄金期の同志社との大学選手権決勝における有名な場面について。あれ、スローフォワードではありませんよね?

「それは、もう言っても仕方がないですよ。いまなら、これ(と両手でテレビ・マッチ・オフィシャルの仕草をつくる)なんでしょうけど」

──かの平尾誠二らを擁し、3連覇をめざす同志社に試合終盤で6対10。もしレフェリーの笛が鳴らずポスト近くへのトライが認められていたら、おそらく優勝していた。

「あのころの慶應はスター選手の獲得はままならなかった。内部進学と勉強のできる受験突破組だけでチームをつくる。それでも勝つというビジョンを掲げたときに練習しかないんですよね。あの過酷な山中湖の夏合宿。もう2度とやりたくないですが、あの合宿を経験したことで、その後も、こわいものがなくなった。何かあっても『死にゃあしないよ』と思えるようになった。何度も倒れて、また立ち上がって、限界が来てもよだれを垂らしながらでも最後の力を振り絞って限界を超える練習をする。それを続けたら、関東対抗戦で優勝、幻のスローフォワードがなければ全国制覇できた。この実体験は個人的には大きいですよね。練習は不可能を可能にする。その思考はラグビーだけでなく経営にも通じます。昔の慶應ラグビーの熱量、練習量に現在のロジックが掛け合わされたら強いでしょうね」

──現実の経営にもいかされる?

「ラグビーは、アメリカンフットボールとは違い、ヘッドコーチがタッチラインのすぐ横から何もかも指示するわけではない。試合前の戦略、戦法はもちろんある。役割についての指示も発せられる。しかし、いざゲームが始まれば、キャプテンのもとで、ひとりひとりが状況に応じて適切な判断をしていく。阿吽の呼吸で周囲も動いて勝利に結びつけていく。いまの企業経営は、めまぐるしい環境の変化に適応しなくてはならない。CEО(最高経営責任者)だけが指示を出すような組織では勝てません。現場のプロフェッショナル、司々のキャプテンが臨機応変にジャッジメントしていかなくてはならない。そうした戦略論、組織論としてもラグビーは有効です。もうひとつは精神、文化の側面ですね。強い組織には根底にDNAやカルチャーがある」

──慶應ラグビーにもありましたね。

「花となるより根となろう。五郎丸(歩)の華麗なトライも右プロップのスクラムでの踏ん張りがあるから生まれる。当社でも、約8000人の『テスター』と呼ばれる専門家が、ソフトウェアの検証に従事している。ひとりひとりの地味な作業、努力がなければ勝利はない。前職のコンビニエンスストア(『ローソン』の経営)でも、ひとつひとつのレジ打ち、ひとりひとりの笑顔こそが大切なのです」

──土台、根っこ、ラグビーそのものでもありますね。

「イギリスのスポーツ、ラグビーのスピリットを貫くのは『ノーブレス・オブリージュ(位高き者、努め多し)』や『フェアネス』だと思います。さらには勇敢さ、相手への敬意、寛容の精神も。リーダーを養成するための心構えというか、そういう力がラグビーにはある。よくできてるんです。それらは強い組織、いい会社をつくるために重要な要素でもあると私は思います。」

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