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ピックアップ コラム 2019年8月19日

IFSCクライミング世界選手権2019 女子コンバインド決勝 見どころ

クライミングコラム by 尾川とも子
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8月18日、スポーツクライミング世界選手権 コンバインド女子予選が八王子で行われました。
コンバインドとは、今回のオリンピックで採用された複合形式で、速さを競うスピード、クリアした壁の数を競うボルダリング、高さを競うリードの3種目の総合得点で争われます。

スピードは、ホールド(突起物)の形状や配置がすでに決められた壁で、いかに体の動きを覚え込むか、
ボルダリングは、複雑な動きや持ちにくいホールドをどう攻略するか、
リードはスタミナをいかに保持するか持久力が求められます。

今大会、4人の日本人選手が予選を突破し、決勝進出を決めています。

野口啓代選手は予選2位。 ボルダリングとリードの女王。圧倒的な保持力が武器。ボルダリングでは、連日の試合で疲れが見られる登り。トライ数を重ね順位を落としてしまった。持ち味の対応力が発揮されミスを的確に修正し安定して課題をクリア。決勝まで体をじっくり休めたいところ。

5位の森秋彩選手。小柄な体を生かし体を縮こめて踵を使う登りを得意とし、下半身を安定させ腕の負担を減らす。リードの中間部でうまく活用して唯一の完登。首位となり、ボルダリングとスピードで落とした順位を大きくカバーする結果となった。ボルダリングで順位が上げられれば表彰台も見えてくる。

6位は伊藤ふたば選手。恵まれた手足の長い体格と身の使いこなしがとてもしなやか。ポテンシャルは無限大。3種目を万遍なくこなせる総合力で勝負。緊張の中にも笑顔を時折見せる場面があり、リラックスした彼女らしい登りができ、スピードではユース日本記録も叩き出しました。彼女はメンタルが維持できれば首位も視野に入る。

8位通過は野中生萌選手。攻撃的な登りでパワーのボルダリングとスピードで勝負でしたが、初日に負傷した左肩にテーピングを貼っての出場。自信の2種目で順位を落としたが、それを見事にカバーした対応力のある登りを見せ、死力を尽くして決勝進出となった。スピードでミスをなくし上位に入れば挽回も十分可能。


7位以内かつ日本人最上位の選手がオリンピックの代表となります。熾烈な争いを制するのは誰になるのか!?
この模様は8月20日午後4時からJ SPORTSで生中継される
尾川とも子

尾川とも子

女性としては世界初の難度V14をクリア。競技歴わずか3年でアジアのトップに輝き、現在もアスリートと母親の立場を両立しながら「学校にボルダリングウォールを」という夢を追いながら活動中。

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