人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

モータースポーツ コラム 2026年10月14日

【プレビュー】全戦全勝に王手をかけたドゥカティ!BMWのオリベイラ復調で巻き返しは? | FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第12戦 へレス

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
  • Line
FIM スーパーバイク世界選手権2023 第11戦 ポルティマオ

FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第12戦 へレス

市販リッタースポーツバイクレースの最高峰「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」の2026年シーズンはいよいよシリーズ最終戦となる第12戦・ヘレス(スペイン)での闘いとなります。すでにシリーズチャンピオンはニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)が決定し、マニュファクチャラーズ選手権でもイタリアンバイクメーカー「ドゥカティ」がタイトルを獲得していますが、同社はシリーズ全戦全勝を目指して最終戦に挑むことになります。今回は10月16日(金)〜18日(日)に開催される最終戦・ヘレスのレースプレビューをお届けしましょう。

ポルトガルのエストリルサーキットで開催された第11戦はまたもニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)の3連勝。2位は全てチームメイトのイケル・レクオーナ(ドゥカティ)となり、またもドゥカティワークスチームの1-2フィニッシュになりました。今シーズンのドゥカティはここまで11戦33レースを全て優勝。その全てがワークスチームである「Aruba.it Racing -Ducati」によるものです。同チームは今季33レース中29レースで1-2フィニッシュを飾っており、WSBKの歴史の中でも金字塔といえる結果を獲得しています。

あと残すは、全戦全勝という記録を狙うのみ。特定メーカーの連勝は歴史的に見てもWSBKではよくあることですが、実はドゥカティは全戦全勝した年が他にもあります。それは2003年のことで、この年は多くのバイクメーカーが4ストロークエンジンになったMotoGP に注力した年であり、前年までドゥカティを苦しめたホンダワークスらが参戦しなかった年でした。スズキがワークスチームを参戦させたものの、ランキング上位10名の内、なんと9名がドゥカティのライダーたちで締められる圧勝ぶりでした。

今年は「BMW」「Bimota by Kawasaki」「ホンダ」と他メーカーのフルワークスチームが他にも居る中ですから、以前の全戦全勝のシチュエーションとは少し状況が違いますが、MotoGPのノウハウが詰め込まれたパニガーレV4Rをベースとしたマシンで闘う「ドゥカティ」は様々な状況を最適化してこの圧勝劇を作り上げたといえるでしょう。最終戦もまた表彰台独占という展開に持ち込んでいくのでしょうか。

その中で地元スペイン出身のイケル・レクオーナ(ドゥカティ)は来季のエースとして最終戦ヘレスをブレガに打ち勝って終わりたいところです。レクオーナはホンダ時代の2024年に5位フィニッシュを果たしたこともあるヘレスでの優勝を狙います。

そして最終戦の注目株といえば、プライベートチーム「Motocorsa Racing」でドゥカティを駆るアルベルト・スーラの存在です。エストリルでもドゥカティのプライベーター勢の中では一番の速さを見せており、ワークスライダー2人に次ぐ3位表彰台を3レースとも獲得しました。

アルベルト・スーラ(ドゥカティ)はこれまで決して目立った活躍をしてきたライダーではありません。グランプリのMoto3、Moto2での入賞は僅か1回で、2023年から25年の3年間はMoto2ヨーロッパ選手権を主戦場にしていたライダーです。まだ22歳と若く、これからどんどんスーパーバイクに慣れていくと、結果を残していきそうなライダーですが、彼は今季WSBKにデビューして、シーズン中盤にはシングルフィニッシュを連発。終盤戦になって表彰台を獲得するまでになりました。来季も同じ体制でWSBKを闘うことが発表され、まさに将来性を感じるライダーです。

ドゥカティの連続・表彰台独占を阻むことも他メーカーにとっては大きなミッションとなります。その中で復調の兆しが見えるのが「BMW」に乗るミゲール・オリベイラ(BMW)です。地元ポルトガルのエストリルのレースではレース1とスーパーポールレースで4位フィニッシュを達成し、ランキング11位。シーズン中盤の怪我で7レースを欠場しましたが、ランキング10位のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)とは1点差に迫り、トップ10でのシーズンフィニッシュも射程距離に入ってきました。

今季怪我に泣いたミゲール・オリベイラ(BMW)とダニロ・ペトルッチ(BMW)。ペトルッチはすでに来季のBMW離脱が決定しています。元MotoGPライダー2人という意欲的なラインナップを形成したBMWがアクシデントで苦戦状態に追い込まれたこともドゥカティ独走に力を貸した形になったといえるでしょう。

かつてはMotoGPからの刺客としてWSBKの注目度を上昇させてきたアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)もダニロ・ペトルッチ(BMW)も今のところ、来季以降の去就が決まっていません。チャンピオン経験があるバウティスタが静かにパドックを去る状況は少し寂しさを感じます。

国内メーカーでは、ホンダは先日のMotoGP日本グランプリでも第役出場で入賞を果たしたソムキャット・チャントラ(ホンダ)の残留が決まりましたし、ジェイク・ディクソン(ホンダ)も怪我の長い療養期から復活してシングルフィニッシュも達成し、来季の継続も決まっています。

来季はMotoGPとタイヤメーカーがスイッチする形で「ミシュラン」のワンメイクとなるWSBK。MotoGPから新たにジャック・ミラー、ブラッド・ビンダー、フランコ・モルビデリを迎え入れ、新時代が始まる予感がします。シーズン最終戦へレスは一つの時代の終焉を象徴するレースになるのではないでしょうか。

文:辻野ヒロシ

無料動画

【決勝レース ハイライト】FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第11戦 エストリル(ポルトガル)(10月11日(現地))#sbk

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

  • Line

あわせて読みたい

ジャンル一覧

J SPORTSで
モータースポーツを応援しよう!

モータースポーツの放送・配信ページへ