人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

モータースポーツ コラム 2026年9月30日

今回もホンダHRCプレリュードGTが躍進、SUGOで生まれた“2つのリベンジ”

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
  • Line

第6戦を制したNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT

スポーツランドSUGOで行われたSUPER GT 2026第6戦。トヨタGRスープラ勢が強さを見せていたGT500クラスの序盤戦だったが、セパン大会の延期に伴う3カ月インターバルを経てからは、ホンダHRCプレリュードGTがパフォーマンスを上げて、第4戦富士、第5戦鈴鹿と連勝。サクセスウェイトが重くなり始めた今大会は、それまでの2戦のようにいかないのではないかと思われたが、終わってみれば予選でNo.64 Modulo HRC PRELUDE-GTがポールポジションを獲得し、決勝ではNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GTが優勝。今回もHRCプレリュードGTの速さと強さが光ったが、なかでも予選・決勝を詳しく見ていくと、“2つのリベンジ”が見られた1戦だった。

J SPORTS オンデマンド番組情報

まず、予選でリベンジを果たしたのは、ポールポジションを獲得した64号車。8月初旬の第4戦富士で宙を舞うクラッシュを喫し、短いインターバルの間で修復を終えて第5戦鈴鹿に出走した。そこで、イゴール・オオムラ・フラガがQ1でトップタイムを記録した。そのまま、クラッシュから復活したマシンでポールポジションというストーリーを、誰もが期待したが、結果は僅差で敗れ、2番手。トップタイムを勝ち取れなかった大草りきは、今までに見たことがないほど悔しい表情をしていた。

鈴鹿大会後も、予選でポールポジションを獲れなかったことを引きずっていたという大草。奇しくも1カ月後の第6戦で、再びチャンスが巡ってきた。今回もQ1でフラガがトップ通過を果たし、Q2の大草へ。前回の反省を踏まえ「意識しすぎない」ことを心がけ、自分達が持っているパフォーマンスを最大限発揮することに集中したとのこと。

目標としていた1分08秒台には届かなかったが、見事ポールポジションを獲得。1カ月前の悔しさを吹き飛ばすような笑顔とガッツポーズが印象的だった。

前戦の予選での悔しさを晴らした大草りき

そのまま、決勝レースも前半はトップ争いを展開したが、後半スティントに入ってから徐々にポジションを下げる展開となり12位。ポイント獲得とはならなかったが、今季は中盤戦での64号車の速さが際立つシーズンとなっていることは確かだ。

その一方で、決勝でリベンジを果たしたのが、17号車だった。第5戦鈴鹿ではGT500ルーキーの野村勇斗が初ポールポジションを獲得したが、決勝ではNo.16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTの先行を許し2位フィニッシュとなった。序盤戦の結果を考えると上出来と言えそうな結果ではあるが、オーバーテイクを許した塚越広大は「自分の判断ミスだった」と肩を落とし、野村も自身としてはGT500初表彰台ではあるものの、どこか満足はしていないという様子だった。

あれから1カ月。予選では鈴鹿で競り勝った相手である64号車にポールポジションを奪われて2番手からスタート。前半の野村は、無理にトップ争いをしようとせずに、チャンスを待った。

そして、そのチャンスが訪れたのがレース中盤のピットストップ。アクシデントに伴うセーフティカー導入から再開される32周終わりに、17号車がいち早くピットイン。この時点で3番手を走っていたが、早めの判断が功を奏し、見事アンダーカットを成功させ、そのままトップチェッカー。17号車としては2022年の第7戦オートポリス以来となる優勝を飾った。

J SPORTS 放送情報

SUGOでのリベンジを果たしたNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT

ここSUGOは、チームのメインスポンサーであるAstemoの大応援団が訪れることでも有名。NSX-GT時代の2023年には、ここでトップチェッカーを受けたが、その後の車検不合格で失格となった苦い過去もあったが、それも含めてリベンジを果たす1勝となったことだろう。

「本当に嬉しいです。ここまで17号車として、しっかりと積み上げてきて、それをこうやって結果に残せて、本当にチームに感謝です」と、パルクフェルメインタビューで、いろいろな想いを噛み締めるようにコメントした塚越。マシンを降りた後は、感極まるシーンも見られたが、それだけ苦労と悔しさが積み重なっていたのかもしれない。

この勝利で、17号車のコンビはランキング2番手に浮上。首位を快走するNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)とのポイント差は大きいが、残り3戦の追い上げに、ますます期待がかかる。

シーズン序盤は、かなり苦戦を強いられていた印象のHRCプレリュードGTだが、気がつけば、3連勝を挙げる大活躍。しかし、HRCの徃西友宏LPLは「我々としては同じサクセスウェイト条件で戦った際には、まだまだ最強パッケージのライバルには追いつけていないと考えていますので、引き続きクルマの戦闘力を高める、そういうチャレンジをチーム、ドライバーたちと連携しながら進めて、HONDA/HRCと各チーム一丸となって残り3レースを戦ってチャンピオン争いを戦い抜きたいと考えています」と、全く笑顔がなかったのも、この大会で最も印象的なことだった。

今回は、ホンダ勢の何台かがサクセスウェイト50kgを超えて、燃料リストリクター制限に入っての戦いだったが、そこで“ライバルとの差”を痛感するシーンがあった模様。とはいえ、結果上は3連勝ということで、勢いに乗っていることは確か。いよいよ終盤戦に突入していく2026年シーズンだが、GT500クラスはどんな結末となるのか…非常に楽しみなところだ。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
モータースポーツを応援しよう!

モータースポーツの放送・配信ページへ