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【FIM スーパースポーツ世界選手権2022 第10戦 サンファン・ビリクム(アルゼンチン)】ヤマハ以外のマシンも初優勝
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシエガーターは野左根、ガーロフが所属する「GRT Yamaha」からの参戦が決定。そして、ロレンツォ・バルダッサーリ(ヤマハ)は耐久レースでもお馴染みのフランス名門チーム「GMT94 Yamaha」からスーパーバイク世界選手権にステップアップすることになりました。
エガーターはMotoEでも世界チャンピオンを獲得するなど、キャリアとしては絶頂を迎えているベテラン。一方のバルダッサーリはMoto2で長く闘い、トータル5勝を挙げてきたキャリアの持ち主。共にグランプリのレーサーマシンから市販車ベースのプロダクションバイクに乗り換えても速さを見せています。
両者とも来季はプライベートチームからの参戦ということになりますが、今やスーパーバイク世界選手権もグランプリライダーを起用するのがトレンドになっていますから、彼らのステップアップは必然の流れと言えるでしょう。やはりバイクレースはライダーのポテンシャルこそが肝となりますからね。
ただ、市販車モデルの年式やポテンシャルに依存することが多い中量級「スーパースポーツ世界選手権」は長年続くヤマハの独走に歯止めをかけるべく、今季からレギュレーションを変更し、600ccクラスという枠組みを撤廃。性能調整によって様々なメーカーのマシンが参戦できるように改革を行いました。
959ccのドゥカティ・パニガーレV2、675ccのトライアンフ・ストリートトリプルRS、800ccのMVアグスタ・F3 800Rなどが参戦し、車種はバラエティが増えました。しかしながら、チャンピオンを争うのはヤマハYZF−R6という従来の主力マシンのライダー達となり、シリーズとしての思惑は外れたかに見えました。
そんな折、前戦・アルガルヴェ(ポルトガル)では初めてヤマハ以外のマシンが優勝を飾ることになりました。レース1で優勝したのはトライアンフです。Moto2世界選手権を5シーズン戦ってきたイタリア人ライダー、ステファノ・マンジー(トライアンフ)が2位、3位の表彰台に続き、ついに優勝を飾ることに。グランプリで経験豊富なライダー達がやはりここでも結果を残しています。
さて、次に勝つ意外な伏兵は誰か?チャンピオン争いと共に楽しみたいですね。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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