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ランキング2位は同じくグランプリ出身のライダー、ロレンツォ・バルダッサーリ(ヤマハ)で、開幕戦・アラゴンのレース1で優勝。ランキング3位は新たに参戦したドゥカティ・パニガーレV2に乗るニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)とランキング上位3人は元Moto2ライダーで締められています。
シーズンが進むにつれ、そこに加わりそうなのがカン・オンジュ(カワサキ)です。かつては「スーパースポーツ世界選手権」を席巻したカワサキZX−6Rですが、近年はヤマハYZF−R6に押され気味で劣勢は否めないのですが、オンジュは序盤からトップ争いに加わり、3位表彰台を2回獲得。まだ18歳という若さながら、トルコ人ライダーの元チャンピオン、ケナン・ソフォーグルの薫陶を受けた才能が開花し始めています。
さて、5月19日(金)〜21日(日)に開催される第3戦の舞台はポルトガルのエストリルサーキット。1周が4.2kmのクラシックサーキットで、1996年まではF1、2021年まではMotoGPが開催されていたことでも知られるサーキットです。しかし、コロナ禍になる前までしばらく世界選手権レースが開催されておらず、若い世代のグランプリ出身ライダーにとっては経験値の少ないコースと言えます。
ドミニク・エガーター(ヤマハ)はグランプリ時代にはGP125やMoto3、Moto2でエストリルのレースを多数経験しており、その甲斐あってか、昨年、スーパースポーツ世界選手権で初優勝したのがこのエストリルでした。軽量な車体でレース専用に設計されたマシンでレースをしてきたエガーターが、基本的には公道走行を大前提として設計されたプロダクションバイク(市販車)に転向して初めて優勝できたサーキット。コースでの経験値も含めてエガーター優勢であることは間違いないでしょう。ここで彼の勢いを止める光る速さを見せるライダーが現れなければ、このまま今季もエガーターのシーズンになりそうな予感がします。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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