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「マシンはかなりのダメージを負っていましたが、今のクルマはパーツをすぐに交換できるように、作業性のことも考えられています。なので徹夜することもなく日付が変わる前に作業を終えてサーキットを出ました」
無事に決勝のグリッドに着くことができた23号車
そう鈴木監督も語るように、マシンは綺麗に修復され、何の問題もない状態でGT500クラスの15番グリッドについた。しかし、オーバーテイクが難しい鈴鹿サーキットということを考えると、最後尾スタートから上位に進出できる可能性はかなり低かった。実際に鈴木監督も「我々よりウエイトの重い車両を逆転して、なんとか中団あたりまでいければ……」と、優勝できることは思っていなかったという。そんな23号車に千載一遇のチャンスが訪れたのは22周目のことだった。
クインタレッリが担当した前半スティントを少し引っ張る戦略に出ていた23号車は、他車がピットストップを終えた関係でトップに浮上していた。そこにGT300クラスのNo.52 埼玉トヨペット GB GR SupraがS字でコースオフする映像が飛び込んできた。その瞬間に鈴木監督は瞬時に決断を下した。
「本当は、もうしばらくは(ピットに入らずに)行こうかなと思っていましたが、52号車のクラッシュ映像がモニターに映ったのを見て『これは!』と思ってピットに入れることを決めました。(その時23号車が)確かセクター3のどこか……スプーンを抜けたところを走っていたと思います。モニターに映ってから2~3秒の間に『ピットに入って!』と無線を入れました。本当に全てがうまくいったというか、タイミングも含めて我々に追い風が吹いてくれたという状況でしたね」(鈴木監督)
23号車はセーフティカー導入など、突発的な事態にも対応できるようにと事前にピットストップの準備を整えていたほか、ドライバーとも突然の作戦変更の可能性があることを話し合っていた。
「このところ毎戦のように、レース中にセーフティカー(SC)が出ていますから、どんな展開になっても対処できるようにチームとはコミュニケーションを重ねてきました。130Rを走っているときに無線が入ってきたのですが、あそこでは上手く繋がらないんです。だからシケインで僕の方から『どうしたの?』って聞いたら『SCが入りそうだからピットインしてください』と言われました。ピットロード入り口の信号が変わらないようにと祈りながらピットインしました」(クインタレッリ)
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