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モーター スポーツ コラム 2020年11月2日

2020SUPER GT第6戦レビュー|どん底からの大逆転……23号車ニスモが今季2勝目をマーク

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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ちょうど23号車がピット作業を始めたタイミングでセーフティカー導入宣言が出された。これにより全区間追い越し禁止となり、同時に各車スローダウン。この間に23号車はピット作業を済ませ、トップのままでコースに復帰することに成功した。

作戦が見事にはまって首位に浮上した23号車。その瞬間は放送席も状況を理解できないほど前代未聞の出来事だった。

いくらタイミングがうまくいったとはいえ、トップを死守できるとは誰も予想していなかったこと。23号車陣営のピットは歓喜に包まれた一方、前代未聞の逆転劇にサーキット全体が一時状況を把握できず騒然となった。

喜ぶのも束の間、レースはこれで終わったわけではない。セーフティカーが解除されると、今季初優勝を狙うNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴)が迫ってきたのだ。彼らの方がウエイトハンデが軽く、特にGT300との混走でペースが落ちた隙をついて、平峰も攻め込みにきたが、ここで踏ん張りを見せたのが前日の予選でクラッシュしてしまった松田だった。

「この鈴鹿はクルマの調子が良くて“久々に行ける”と実感していました。ただ、予選では自信があり過ぎたせいもあって……チームとロニーさんには申し訳なかったです。だから決勝では何とか結果でみんなに感謝を伝えたかったです。GT300との混走になるとピックアップに悩まされてペースも落ちてしまいます。それで平峰選手に迫られたところもありましたが、目の前がクリアになったところでペースを上げていくとピックアップを取ることができたので、後は心配せずに走れました」(松田)

その松田の落ち着いた走りに、ピットにいた鈴木監督も心配はしていなかったという。

「トップに立ってから、次生がしっかりとポジションを譲ることなく、がんばってくれました。『これなら大丈夫だな』と、見ていても安心できる状況でした。そういった意味では、“棚ぼた”ではあるんですけど、勝利に値する速さも持っていたのかなと思っています」(鈴木監督)

ニッサンファンが待ちに待ったタイトル奪還。残すは2戦、負けられない戦いが続く。

これで、GT500クラスの最後尾から優勝を飾るという前代未聞の逆転劇を披露した23号車は、ポイントランキングもトップから2ポイント差の3位に浮上した。

まさに、予選後の彼らからは全く想像がつかなかった結果……おそらく“予想外の勝利だった”ということは松田、クインタレッリ、そして鈴木監督も同じだったのかもしれない。それが、パルクフェルメでの“あの笑顔”の理由だったのではないだろうか。

この逆転劇が残り2戦となった今季チャンピオン争いの流れにどう影響するのか。色々な意味で、今回の鈴鹿大会はターニングポイントとなりそうだ。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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