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モーター スポーツ コラム 2018年4月26日

ネオSF。そして

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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スーパーフォーミュラ

国内トップフォーミュラ、全日本スーパーフォーミュラ選手権も開幕しました。
そして、おこがましいですが、今年のシリーズは、ネオ・スーパーフォーミュラと改名させていただきます。なぜ、お分かりですよね、SF14+エンジン(TOYOTA or HONDA)と地面を繋げているタイヤが、再び新たな時代に突入したから。日本の現首相が好きなフレーズを込めるなら、【タイヤ使い方革命】。昨年、一昨年まで年間2レースだけ運用された2スペックのタイヤが今年からフルシーズンで使えるようになったのですよ。

タイヤが変わる、レースが変わる。タイヤが変わればトータルパフォーマンスが一変する。

悩んでいましたよ。皆が。
エンジニアさん達、ドライバー達。
今年から投入されるミディアムとソフトのタイヤ特性が開幕戦を迎えても読み切れていない。テストは行われていましたよ。でもね、それは鈴鹿では3月の半ば。気温、路面温度ともに20度くらいの差がある。そのような気象の3月に開幕戦の状況を予測してマシンのセットアップを行うのは、到底無理。スタンダードなセットにすれば、と、お考えの方もいるかもしれませんが、現在の国内トップフォーミュラを戦うチーム達が100分の1秒を削るべく施しているセットアップの緻密度は【まあ、こんなもんで】などということはあり得ないのですね。

さて、予選でHONDA旋風が吹き荒れた。TOYOTA勢は顔面蒼白! これまでTOYOTAに押し切られることが多かったHが、四つに組み合ってそのままの電車道。分かりますか? つまり、相撲の寄り切り、押し出し。圧倒的なパフォーマンスの差がある意。
決勝グリッドのトップ5を独占。

しかし、決勝は、2スペックタイヤを使う戦略と決勝のレースペースの複雑に絡み合った課題をどう解くか?
ポールポジションからスタートを切った山本尚貴選手(HONDA)エンジンは、速かった。だが、終盤は、13番手から駆け上がってきた関口雄飛選手(TOYOTAエンジン)に迫られて、薄氷の勝利。ちょっと待ってくださいよ。ライブ中継をご覧いただいていた皆さん。レース中盤で関口選手をパスしようとして接触して、リタイヤしてしまったチームメイトの平川 亮選手のことを思い出してください。勝者の山本選手に1.72秒まで迫った関口選手を抜こうとしていたのですよ、平川選手は! うまくパスできていれば、そう、そうです。そうなのです。言わんとしていることは、お分かりですね。無粋なのは、よしましょうや。皆を言わずと…。

SNS等でご存知の方もいらっしゃると思います。TEAM LEMANSのエンジニア、山田健二氏が決勝日の朝に逝去されました。チームは、一旦撤退も考えたそうです。しかし、山田氏の遺志に撤退はない、と、決勝出走を決断したそうです。精神的にエンジニアリング的にも大変難しい状況の中で決勝を戦った同チームに敬意を評します。そして、多くのドライバーに慕われ、関係者に愛された山田エンジニアのご冥福をお祈りします。

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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