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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
昨年度の東京を制した伝統校と、侮れない実力を有している私立校の激突。国士舘と早大学院の2回戦は、早大学院グラウンドです。
決して優勝候補という訳ではなかったものの、一戦一戦確実に成長していくことで、15年ぶりとなる冬の全国まで到達した昨シーズンの国士舘。その時の主力がほとんど卒業した今シーズンは、関東大会予選で代表権を獲得した都立東久留米総合に準々決勝で0-1と惜敗し、インターハイ予選でも2次予選初戦で都立東大和に0-2で屈するなど、ここまでは少し結果に恵まれない時間を。「今シーズンはリーグ戦、関東、インターハイとまったく上に絡めていないので、正直彼らの中にディフェンディングチャンピオンというのは1ミリもないと思います」とは上野晃慈監督。去年は去年。今年は今年。初戦で都立高島を2-0で下した勢いを持って、このセカンドマッチに臨みます。
新人戦では全国の常連校と言っていい実践学園をPK戦で打ち破り、堂々の地区準優勝を達成。関東大会予選こそ初戦で東京朝鮮に0-2と競り負けたものの、インターハイ予選でも都立保谷と保善を相次いで蹴散らし、二次トーナメントへと勝ち上がるなど、十分に上位進出を狙えるだけのチーム力を誇る早大学院。今大会も初戦の都立板橋戦に6-0という快勝を収めて、ブロック16強へと。さらなる進撃を続けるための大事な"ホームゲーム"に向かいます。早大学院グラウンドには、周囲をグルリと囲むだけの少なくない観衆が。楽しみな好カードは国士舘のキックオフでスタートしました。
いきなりのセットプレーは2分の早大学院。センターフォワードに入った清岡知馬(3年・ITFC/台北日本人学校)の仕掛けで右CKを得ると、キャプテンで10番を背負う辻幸弘(3年・FCトリプレッタJY)はショートで始め、上田利樹(2年・早大学院中等部)のリターンを受けてクロス。結果的にシュートには至らなかったものの、まずは練り上げたワンプレーに早大学院が滲ませる勝利への高い意欲。5分は国士舘のFK。GKの前原秀明(3年・FC Branco八王子)が大きく蹴り込むも、早大学院のGK岩田翔真(3年・杉並FCユース)がパンチングで掻き出し、辻がクリア。お互いにセットプレーからチャンスを窺います。
19分は国士舘。竹内謙太(2年・バディSC)が右へ振り分け、坂本達哉(3年・Forza'02)のクロスをファーで波田大智(3年・江東深川第四中)が折り返すも、早大学院の大型ボランチ高橋翼(3年・春日部葛飾中)がきっちりクリア。22分も国士舘。右から坂本がクロスを上げ切り、ニアに突っ込んだ川田隼也(3年・Forza'02)のヘディングは枠の左へ。25分は坂本が右ロングスローを放り込むも、ここも高橋がクリア。直後にもエリアの右でルーズボールを拾った坂本のボレーはクロスバーを越えましたが、「もうサイドをガンガン走って、セットプレーを多くとるというのが自分の特徴です」と言い切る坂本の際立つ躍動感。
28分は早大学院。右ウイングバックの平部総大(2年・世田谷桜丘中)が上げたクロスから、飛び込んだ清岡のシュートはゴール右へ逸れるも、「先週は両サイドを使っていて、早大の攻撃が凄く良かったんですよね」と上野監督も警戒するサイドアタックからフィニッシュを。31分は国士舘。波田の左FKは岩田がフィスティングで回避。33分も国士舘。坂本の右ロングスローは高橋がきっちりクリア。直後に波田が蹴った右CKも、弾き返したのは高橋。38分も国士舘。今度は左から川田が投げたロングスローは、早大学院の3バック中央を務める穂崎眞大(3年・Lions SC)が大きくクリア。40分も国士舘。波田の右CKはシュートまで行けず。早大学院は鈴木航(3年・松戸常盤平中)、穂崎、桑原祥(3年・横浜茅ヶ崎中)で組んだディフェンスラインの3枚に、右の平部、左の楠井隆作(3年・武蔵野第三中)のウイングバックも引き込んで5バック気味になりつつも、危険なシーンはほぼなし。スコアレスのまま、最初の40分間は終了しました。
後半のファーストチャンスは早大学院。42分に左サイドで手にしたFKを高橋が蹴り込み、中とは合わなかったものの惜しいシーンを。44分は国士舘。波田の右CKから、ファーで川田が詰めたシュートはDFがきっちりブロック。45分も国士舘のサイドアタック。キャプテンの右サイドバック小山拡(3年・FC GLORIA)のクロスから、左サイドバックの菱田海(2年・FCトリプレッタJY)のシュートは辻がブロック。続く早大学院の集中力。
上野監督が動いたのは51分。竹内に替えて、ジョーカーの中島隆之介(3年・緑山SC)を投入すると、歓喜の瞬間はその1分後。52分。右に開いたボランチの北野颯大(2年・和光ユナイテッド川崎FC)がクロスを蹴り込み、大森彗斗(2年・川崎チャンプ)が枠へ収めたヘディングは岩田がファインセーブで凌いだものの、こぼれをプッシュしたのは替わったばかりの中島。ボールはゴールネットへねじ込まれます。「シーズンの最初はアイツもスタメンだったんですけど、後半の厳しい状況で入ってきて、ああやって点に絡んでくれて凄く嬉しいです」(坂本)「魂でねじ込んで入れたという感じだったので、アレは全員のゴールだったんじゃないかなと思います」(小山)と2人が話せば、「前半は耐えて隆之介に繋ぐという最後の切り札として『隆之介で取れなかったらしょうがない』という感じですね」と上野監督も認める20番が貴重な一撃。国士舘が1点のアドバンテージを手にしました。
ビハインドを負った早大学院は53分。辻がキックオフシュートを狙うも、前原が冷静にキャッチ。56分は国士舘。川田のパスを中島が右サイドへ流し、坂本のシュートはクロスバーの上へ。57分は早大学院に1人目の交替。シャドーの位置で奮闘した上田を下げて、島崎真一(3年・練馬田柄中)をピッチへ送り込むと、60分には決定的なチャンス。カウンター気味のアタックから平部が左へ送り、辻が抜け出すも少し運んで打ち切ったシュートは枠を越えてしまい、同点とは行きません。
60分はすぐさま早大学院が2人目の交替。小櫃敬斗(2年・東久留米南中)と木村啓柊(2年・杉並アヤックス)を入れ替え、木村と平部の2シャドーに、右ウイングバックには島崎を配して狙う一発。61分は国士舘も2人目の交替。波田と林奏杜(2年・TFA)をスイッチして、サイドのバランス維持に着手。64分は早大学院。辻の右FKから、ファーに飛び込んだ穂崎のヘディングはゴール右へ。68分も早大学院。ハイボールに清岡と木村が競り合い、こぼれに反応した平部のボレーは前原がキャッチ。69分は国士舘に3人目の交替。川田と替わった赤井駿介(2年・三菱養和巣鴨JY)がピッチに。1点差のままでゲームは残り10分間の攻防へ。
73分は早大学院。島崎が奪った右FKを辻が蹴り入れるも、ファーに潜った高橋はシュートを打ち切れず。74分も早大学院。左サイドから辻が蹴ったCKは、林が力強くクリア。79分は国士舘の超決定機。赤井からのリターンを受けた林は、右に持ち出しながら枠内へシュートを打ち込むも、ここは岩田が超ファインセーブで阻止。1-0。アディショナルタイムは3分。白熱の最終盤。
80分に国士舘は4人目の交替として坂本と柿崎晃司(3年・FC多摩)をスイッチして、ゲームクローズに取り掛かると、下田晃大(3年・調布神代中)と大森のセンターバックコンビに、北嶋陸(2年・川崎チャンプ)と北野のドイスボランチも含めた堅陣は最後まで揺るがず。「失点ゼロというのがチームで軸になっている部分で、そこを意識してこの1週間練習に取り組んできましたし、1-0で勝つというのがチームのスタンスなので、そこを意識してやりました」と坂本も胸を張った国士舘が、クォーターファイナルへと駒を進める結果となりました。
「インハイ、関東予選と悔しい想いの大会になってしまったので、選手権でそれをぶつけられるような試合をと毎日言っていますし、全国に出るという目標はあるんですけど、一戦一戦しっかり戦っていくという気持ちで頑張っています」とキャプテンの小山が口にした通り、国士舘は一戦必勝の意思を再確認しつつ、この準々決勝の舞台まで勝ち上がってきた様子。昨年の結果を良い意味で意識せず、目の前の試合を積み上げてきたことがポジティブに作用しているようです。「次は久留総なんですけど、関東大会は0-1と悔しい結果に終わっているので、そこは絶対にこの1週間みんなで意識を高く持ってやっていきたいと思います」と坂本が意気込み、「久留総が相手というのは、僕たちとしては気持ちも上がりますし、リベンジマッチとして絶対に勝たなければいけないと思っています」と小山もきっぱり。いざ関東大会の雪辱へ。準々決勝も激戦必至です。 土屋
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