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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2019年06月10日

インターハイ東京2回戦 大成×実践学園@駒沢第2

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大成×実践.JPG

近年は大事な局面で何度も対戦してきた両者の対峙。ベスト8を巡る大成と実践学園のビッグマッチは、おなじみ駒沢第2球技場です。

ここ数年は確実に都内での存在感を高めてきた中で、昨年度の選手権予選では準優勝、新チーム最初のトーナメントコンペティションとなった関東大会予選ではベスト4と、"あと一歩"という所まで階段を上ってきている大成。今大会も一次予選で日大鶴ヶ丘に6-0と快勝を収めて、このステージへ。「どこのチームが来ても、オレたちは心をブラさずいつもやっているので、自信を持ってビビらずやっている所が、こういう勝利に繋がってきているのかなと思います」と言い切るのはボランチの内田康平(3年・FC多摩)。ここから先に待つ、斬るか斬られるかの真剣勝負に挑む覚悟は整っています。

新人戦では地区予選での敗退を突き付けられ、関東大会予選の出場を逃したため、今年度はこの大会が初めてのトーナメントとなった実践学園。一次トーナメントは初戦で都立高島に8-0と、その攻撃力を遺憾なく発揮して勝ち上がると、大会としても屈指の好カードとなった東京朝鮮との大一番に2-0で競り勝って、二次トーナメント進出権を獲得。2年ぶりの全国大会をその視野に捉えつつ、難敵相手の80分間へ向かいます。前日から雨の予報が出ていた中で、駒沢の上空は何とか持ち堪えそうな雰囲気も。注目の2回戦は実践のキックオフでスタートしました。

先にチャンスを創ったのは実践。3分に左から中村昇太(3年・FC.VIDA)が蹴り込んだFKはオフェンスファウルを取られましたが、5分にも佐藤恵允(3年・ESA)が左へ振り分け、鈴木駿一(3年・FC.VIDA)のクロスがこぼれると、面谷悠希(3年・FC多摩)のボレーは枠の左へ外れたものの、まずは実践が勢いを持って立ち上がります。

8分は大成もファーストシュート。序盤からキレのある突破を見せていた大石勇冴(3年・FC多摩)が、ここも左サイドに流れながら左足でフィニッシュ。ボールは枠の右へ逸れるも、積極的なチャレンジを。9分には右サイドからキャプテンの杉田健(3年・三菱養和調布JY)がロングスローを投げ込み、DFのクリアに遭いましたが、この前後から大成は大石を中心にした左サイドの推進力を生かして攻勢に。

以降はお互いにセットプレーで窺う相手ゴール前。18分は実践。右サイドからレフティの橋本修弥(3年・FC.Branco八王子)が蹴り込んだFKは、大成のGK高田龍太郎(3年・FC.GLORIA)がパンチングで回避。21分は大成。左サイドから杉田が投げ入れたロングスローから、こぼれを杉田が自ら叩いたシュートはDFが体でブロック。直後も再び杉田が左ロングスローを投げると、大石が丁寧に収め、今西奏真(3年・府ロクJY)が放ったシュートはゴール左へ。スコアは動きません。

24分は実践。左から古川真人(3年・ESA)がこちらもロングスローを投げ入れると、ここは「相手も格上だったので、自分たちが圧倒できる所は声とかそういう所しかないかなと思って、みんなで声を掛けてやっていました」と語る大成のボランチ宮脇茂夫(3年・練馬三原台中)がきっちりクリア。28分も実践。左サイドで得たFKを橋本が蹴り入れ、高田がパンチングで弾いたボールを竹原快(3年・ESA)が左足で枠へ飛ばすも、高田が足でファインセーブ。36分も実践。中村の左FKは高田がキャッチ。「実践さんがタフなチームというのはわかっていたので、そこはウチは何とか崩さず、ディフェンスが我慢してできたんじゃないかなと思います」とは大成の豊島裕介監督。前半はスコアレスで40分間が終了しました。

後半のファーストチャンスは大成の決定機。47分に左サイドを杉田が切り裂きながらマイナスに折り返し、フリーで飛び込んだ今西が左足で狙ったシュートはゴール左へ外れ、先制とはならず。51分は実践。相手の連係ミスで奪った左CKを中村が蹴るも、宮脇が大きくクリア。54分も実践。左サイドから古川が投げたロングスローはエリア内でこぼれ、永瀬啓太(3年・バディーJY)が打ったシュートはDFがブロック。やり合う両者。突き崩したい相手のブロック。

先に動いたのは大成ベンチ。59分にフォワードで奮闘した平川優大(3年・調布第八中)を下げて、「もともとディフェンスの選手なんですけど、体を張れて頑張れる選手」と指揮官も口にした尾崎元(2年・FC.GLORIA)を最前線に送り込むと、60分には杉田の左ロングスローを尾崎が収め、杉田のシュートはゴール右へ逸れるも、早くも尾崎の強さが生きた形からフィニッシュを取り切ります。

62分は実践に1人目の交替。鈴木に替えて、佐伯紘汰(3年・FC.GONA)を左ウイングに投入し、永瀬が中央に回る形で前線に変化を。65分にはセンターバックの森田礼(3年・Forza'02)を起点にしたビルドアップから、左サイドで粘った佐藤のシュートはDFに跳ね返り、拾った中村のシュートは枠の右へ。大成も続けて切ったカード。66分は2枚目の交替として今西と阪口駿(3年・あきるの東中)を、70分には大石と片原崇也(2年・FC多摩)を相次いで入れ替え、最後の勝負に打って出ます。

77分は実践にセットプレーのチャンス。右から中村が入れたCKは、昨年から大成のセンターバックを務める佐藤イライジャ(3年・FC.GLORIA)が確実にクリア。78分は大成。杉田が左へ展開し、カットインしながら片原が枠へ収めたシュートは、実践のGK宗像岳(3年・東京武蔵野シティFC U-15)ががっちりキャッチ。79分は実践に2人目の交替として、右サイドバックの成田雄樹(3年・FCトリプレッタJY)と秋葉侑亨(3年・ESA)をスイッチ。80分は実践。右サイドから中村が入れたFKは、エリア内でオフェンスファウルの判定。80+3分は大成。中央から宮脇が蹴ったFKはゴール右へ。両雄譲らず。勝敗の行方は前後半10分ずつの延長戦にもつれ込むことになりました。

実践のキックオフで幕の上がった延長は、84分に実践が3人目の交替として面谷と磯間圭純(3年・FC.Branco八王子)を入れ替えると、85分に動いたスコア。右サイドをドリブルで杉田がグングン運び、中央に付けたボールは「杉田はドリブルが上手くて結構スルスル抜けるヤツなので、付いていったらアイツが見てくれたらボールを出してくれるかなという感じで、付いていった」内田の足元へ。右足から振り抜かれたボールは、左スミのゴールネットへ突き刺さります。「前半から何本か前を向いてボールを持てたシーンがあったんですけど、パスを出したことにちょっと後悔があったので、あそこは『思い切って打とう』と思って、打ったら良いコースに飛んで入ったと思います」と笑った内田のゴラッソ。大成が一歩前に出ます。

1分間のハーフタイムを挟み、92分は大成に4人目の交替。走り続けたキャプテンの杉田を下げて、関根祐真(3年・コンフィアール町田JY)に託された勝利のバトン。96分は大成。右から宮脇が蹴ったFKに、尾崎が飛び付いたヘディングはゴール左へ。97分も大成。片原が粘って残し、関根のミドルは宗像が懸命にキャッチ。100+2分も大成。左サイドを執念で進んだ関根のシュートは枠の左へ外れるも、時間を使うという意味では最高の終わらせ方。右から加藤竜吾(3年・Forza'02)、佐藤、金井渉(3年・FC多摩)、金井陸人(2年・三鷹F.A.)で組んだ4バックを中心に堅陣は最後まで揺るがず。「自分たちがやるべきことをしっかりできるようになってきたことが凄く成長の見える所なので、本当に日々成長してくれている選手たちを頼もしく思います」とは豊島監督。大成が準々決勝へと駒を進める結果となりました。

「延長戦になっても下を向いている選手はいなかったので、常に自分たちは絶対に勝てると、やってくれるなとは思っていて、あまり心配はしていませんでした」と明かした豊島監督。内田も「自分たちはインターハイが始まる前から『絶対に全国に行く』という気持ちを統一して、目標を持っていて、ここからどんどんT1のチームも来るんですけど、そこは全然ビビッていないし、後ろに下がることもなく、来た相手をただ倒すだけという感じですね」と言い切るあたりに、チームが着実に身に付けつつある確かな自信が滲みます。そんな中で「自分たちに手応えはあるんですけど、結果はあと一歩で全部止まっていて、そこで負けていたら何も去年と変わっていないし、今回のインハイもそこまで行ったとしても、その壁を超えないと何も結果が得られないので、そこが大事ですね」と冷静に語ったのは宮脇。"その壁"を超えるために必要な勝利は、あと2つです。     土屋

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