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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2019年04月14日

関東大会予選東京2回戦 國學院久我山×堀越@駒沢第2

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久我山×堀越.JPG

共に全国出場経験を誇る強豪同士の激突。國學院久我山と堀越の好カードは引き続き駒沢第2球技場です。
T1リーグでは開幕節で都立東久留米総合に4-0と快勝を収めると、以降も駒澤大学高を2-1、東京武蔵野シティFC U-18を4-1と撃破し、唯一の開幕3連勝を飾るなど最高のシーズンインとなった國學院久我山。チームは3月末の船橋招待で東福岡や帝京長岡、前橋育英といった全国的な強豪と好勝負を演じたこともあり、「自分たちとしては『できる』という感覚は掴めたと思います」と話すのは中盤アンカーを託されている福井寿俊(3年・東急SレイエスFC)。まずは新チームで臨む最初のトーナメントコンペティションで、シーズン1冠目を真剣に狙います。
昨シーズンは関東大会予選こそ初戦敗退を強いられたものの、インターハイ予選では支部予選と1次トーナメントを勝ち抜いて、2次トーナメントでも修徳に惜敗しながら、スペクタクルなゲームを展開。さらに選手権予選ではディフェンディングチャンピオンの実践学園と、3-3の打ち合いを最終的にはPK戦で制し、確かな実力を改めて見せ付けた堀越。既に開幕しているT2リーグでは、早稲田実業と駒澤大学高(B)を倒しての2勝1敗と白星先行。ここで難敵食いを果たし、ステップアップを期したい80分間に挑みます。好天もあってかスタンドの観客も時間を追うごとに増えている雰囲気が。楽しみな一戦は久我山のキックオフでスタートしました。

先にセットプレーのチャンスを掴んだのは久我山。2分に左サイドバックの山本献(3年・横浜F・マリノス追浜JY)が右CKを蹴り込み、山本航生(3年・東急SレイエスFC)の折り返しはシュートまで至らず、左からこちらも山本献が蹴ったCKはDFのクリアに遭いましたが、立ち上がりから「両サイドが結構強みというチームでもある」と自ら語った右の戸坂隼人(3年・FC東京U-15むさし)と左の山下貴之(3年・ジェファFC)の両ウイングが積極的に仕掛け、久我山がサイドの圧力を強めます。
16分は久我山。戸坂のパスから、右に開きながら大窟陽平(2年・1FC川越水上公園)が左スミを狙ったシュートは、堀越のセンターバックに入った井上太聖(2年・インテリオールFC)が懸命にクリア。20分も久我山。山下貴之が縦に付け、ターンした田中琢人(2年・ジェファFC)が放ったシュートは、井上と最終ラインでコンビを組む高鳥晃太朗(2年・TACサルヴァトーレ)が果敢にブロック。GKの榎本将之(3年・FC Branco八王子)と右から魚崎由暉(3年・三菱養和調布JY)、井上、高鳥、馬場跳高(2年・バリオーレ日の出)を配した5枚を中心に、最後に体を張って凌げる堀越守備陣の続く集中力。
堀越に訪れたセットプレーは24分。左サイドでFKを獲得すると、前田晃侑(3年・TACサルヴァトーレ)が蹴り入れたキックは、飛び出した久我山のGK石渡克(3年・ジェファFC)が丁寧にキャッチ。26分は久我山。大窟が左へ流し、山下貴之が枠へ収めたシュートは榎本が正面でセーブ。28分は堀越。左サイドハーフの齊藤篤史(3年・AZ'86東京青梅)が外に付け、広がったフォワードの尾崎岳人(2年・すみだSC)が上げたクロスは、久我山のセンターバック保野友裕(3年・東京武蔵野シティFC U-15)がきっちりクリア。31分は久我山。保野のフィードから、右で受けた戸坂がグラウンダーで中へ通すも、走り込んだ田中のシュートは枠の上へ。「攻撃の部分ではやれてるかなという感じでしたけど、ゴールまではあと一歩でしたね」とは福井。変わらないスコア。
堀越は31分に1人目の交替。最前線の尾崎に替えて、片山信歩(3年・CHUO sports Academy)をそのままの位置へ投入。38分は久我山にチャンス。相手の横パスを奪った戸坂がドリブルで少し運び、左足で打ったシュートはクロスバーの上へ。40分は堀越のFK。左から齊藤が蹴ったボールは、DFのクリアから一転、久我山のカウンター発動。左サイドを駆け上がった戸坂の折り返しに、福井が3列目から飛び込むも、「フリーであることはわかっていたんですけど、『もう打っちゃえ』と思って、メチャクチャ力んでいました」と苦笑したシュートはゴール右へ。「今日の前半もあまり良くなかったかなと思います」とは久我山の清水恭孝監督。最初の40分間はスコアレスでハーフタイムに入りました。

後半はスタートから久我山に交替が。「山下の配球も悪い訳ではないんですけど、加納の方が経験もありますし、ケガ明けでちょっと使いたかったんです」と清水監督が話したように、センターバックの山下陽太郎(3年・FC東京U-15むさし)に替えて、ケガから復帰した加納直樹(3年・ジェファFC)をそのまま左センターバックへ投入し、攻守へのさらなるギアアップを図ります。
43分は久我山。大窟のリターンを受けた戸坂は右から中へ返すと、こぼれに反応した大窟のシュートは枠の左へ。直後も久我山。右サイドバックの河原大輔(3年・横浜FC JY)が好フィードを送り、抜け出した山本航生は判断良くループを選択するも、ボールはわずかにクロスバーの上へ。50分も久我山。左サイドで粘って残した山下貴之がクロスを放り込み、ファーへ潜った戸坂のダイレクトシュートはゴール左へ。さらに52分も久我山。田中を起点に大窟が左へ流し、山下のシュートは枠の右へ外れるも、「ゴールまではあと一歩だったので、後半はもう一工夫加えようかなというのは話していました」という福井の言葉通り、明らかに久我山が踏み込んだアクセル。
53分の主役は9番を背負った新ストライカー。右サイドで大窟が縦に送ったパスから、前を向いてドリブルで運んだ山本航生はエリア外から右足一閃。ボールはグラウンダーで左スミのゴールネットへ転がり込みます。これで新チームになってから、公式戦では4戦連発となるストライカーの一撃に、清水監督も「スーパーリーグも船橋招待もそうですし、良く点を取りますね。アイツはキックが良いんですよ」と確かな評価を。山本航生の先制弾で、久我山が1点のリードを奪いました。
1点を追い掛ける展開となった堀越は、62分に2人目の交替を決断。右サイドハーフで奮闘した花枝龍之介(3年・あきる野FC)を下げて、堀田五月馬(2年・横浜F・マリノスJY)を送り込み、狙うサイドの推進力アップ。64分には右サイドで奪ったCKを齊藤が蹴り込むも、シュートは打ち切れず。キャプテンを務める10番の坂本琉維(3年・ジョカーレFC)にボールが入った時には可能性を感じさせるものの、堀越が打ち出したいもう一手。
すると、次に記録されたのは追加点。65分にゴール前の連携から、山本航生は短く右へ。「『航生が打つかな』と思って、コースを空けるみたいな意味で開いたんですけど、航生が出してくれたので」と振り返った戸坂が右足でシュートを放つと、左ポストの内側に当たったボールはそのままゴールネットを揺らします。「去年よりは結構責任感がありますけど、もっと結果を残したいですね」と話すナンバー10がきっちり結果を。スコアは2-0に変わりました。
一気に動いた両ベンチ。65分は堀越。若松と鈴木ファトミール洋輔(3年・田口FA)をスイッチして、前線へ一層のパワーを。71分は久我山。「終始安定して自分の持ち味を前半から出せたかなと思います」と口にしたように、出色のパフォーマンスを披露した戸坂と藤原樹生(3年・横浜F・マリノスJY)を入れ替えつつ、72分にも山本航生と小松譲治(1年・ジェファFC)のスイッチで、再び前線へ攻守のテコ入れを。73分は堀越にチャンス。ミドルレンジでルーズボールを回収した齊藤は、思い切り良く枠内ボレーを放つも、石渡が丁寧にキャッチ。得点を奪い切れません。
75分は堀越に4人目の交替。ディフェンダーの市村大基(2年・FC府中)をピッチへ解き放ち、長身センターバックの井上を最前線へ上げる最後の勝負に。77分は久我山も4人目の交替。山下貴之に替わって、赤坂爽也人(2年・ジェファFC)が登場し、狙う追加点とゲームクローズ。79分は久我山。相手GKまで果敢にプレスへ行った小松がクリアをブロックし、ボールはゴール左へ外れるも、ルーキーが積極的な守備であわやというシーンを創出します。
79分のチャンスは堀越。右サイドから魚崎がクロスを流し込み、高い打点で合わせた井上のヘディングが枠の右へ逸れると、久我山が栗原俊真(2年・FC東京U-15むさし)を投入した最後の交替を経て、駒沢の上空に吸い込まれたファイナルホイッスル。「最後まで攻め続けることができたと思います」と戸坂も胸を張った久我山が、準々決勝へと勝ち上がる結果となりました

このゲームも中盤アンカーでバランスを考えていた福井も、今年はいよいよ最上級生。1年時からレギュラーを張り、2年前の選手権予選ファイナルの悔しさを知っているだけあって、「自分がいる間は選手権にも行けていないですし、インターハイも去年は行けたんですけど、全国の舞台をもうちょっと経験したいなというか、『全国でもっと自分たちがやれるということを証明したいな』と思っているので、東京では絶対に負けないで、4冠を獲って全国に行きたいなと思います」と明確な目標設定を口に。とりわけ大窟と田中のインテリオールを生かす上でも、福井のサッカーIQの高さに基づいた感覚はかなり重要。「常に自分は試合に出て、常にみんなの中心であるようにしたいですね」と言い切った彼の今シーズンにも大いに注目したいと思います。       土屋

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