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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2019年01月30日

東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会決勝リーグ FC町田ゼルビアユース×大森FC@小野路G(2019)

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0127onoji.JPG東京都のクラブユース最強を決める"新人戦"もいよいよ決勝リーグ。FC町田ゼルビアユースと大森FCが対峙する"第2節"は小野路公園グラウンドです。
昇格したT2できっちり結果を残し、1年でのT1昇格を手繰り寄せつつ、夏のクラブユース選手権では全国で強豪相手に好ゲームを演じ、決勝ラウンド進出はならなかったものの、一定以上の結果を残した昨シーズンのFC町田ゼルビアユース。迎えた今シーズンは「個とチームのバランスを少し感じられたときに、非常に良いグループに僕はなると思っています」と竹中穣監督も期待感を口にしており、先週の東京武蔵野シティFC U-18戦も、1‐0で勝ち点3をもぎ取ってこの2試合目へ。勝てば西が丘が決まる90分間へ、言うまでもなくフルスロットルで向かいます。
3年連続で敗退していた決勝リーグ進出決定戦をとうとう勝ち抜き、念願のステージへ進出したのはちょうど1年前。その決勝リーグではFC東京U-18、三菱養和SCユース、東京武蔵野シティFC相手に全敗したとはいえ、きっちり大会の歴史に名を刻んだ大森FC。今大会も2年続けて決勝リーグ進出決定戦を制して勝ち上がると、先週の東京ヴェルディユース戦は0‐4で負けましたが、まずは初ゴールと初勝利を目指して難敵相手のゲームへ挑みます。17時半の小野路は間違いなく"坂の下"より低い気温下のコンディション。楽しみな一戦は大森FCのキックオフでスタートしました。


ファーストシュートは3分のゼルビア。果敢なインターセプトから、そのまま駆け上がったセンターバックの小山田賢信(2年・FCトッカーノ)はミドルを放ち、ここは大森のGK重盛地球(1年・大森FC)にキャッチされたものの、いきなり10番のキャプテンが勝利への意欲を打ち出すと、直後に生まれた先制点。5分に左でボールを受けたサイドバックの関口陽大(2年・FC町田ゼルビアJY)は「積極的に仕掛けたら抜けたので、中を見て」鋭いクロスを上げ切り、DFのクリアボールを石川凛太朗(1年・FC町田ゼルビアJY)が拾ってきっちりプッシュします。早々に実ったアグレッシブな姿勢。ゼルビアが1点をリードしました。
ただ、以降は「テンポ良くサイドを変えたり、中を使ったりという、自分たちがやりたいことがあまりできていなかった」(小山田)「前半は積極的に裏とか取れなくて良くなかった」(関口)と2人が声を揃えたように、なかなかゼルビアのアタックに出てこないリズム。11分に左から八木直人(2年・FC町田ゼルビアJY)がCKを蹴り込み、こぼれを叩いた塩澤拓馬(2年・FC栃木)のボレーはゴール左へ。13分に関口がミドルレンジから放ったシュートは、八木に当たってコースが変わるも重盛がキャッチ。逆に21分には大森FCも河原隆斗(2年・大森FC)が左へ振り分け、森泉光輝(1年・大森FC)のクロスはDFに弾かれ、河原の再クロスもクリアされたものの、1つ形を創出しかけます。
24分はゼルビア。塩澤は前を向きながら縦パスを通し、走った石川のシュートはDFが体でブロック。25分は大森FC。左への展開から、サイドバックの梨勇翔(2年・大森FC)が後ろへ戻し、ジャスティン・マホーニー(2年)がクロスを上げると、飛び込んだ小泉欣也(2年・大森FC)はオフェンスファウルを取られるも、フィニッシュの一歩手前まで。30分はゼルビアに決定機。1本のフィードに石川が抜け出しましたが、ループ気味に狙ったシュートはクロスバーにヒット。ドッピエッタとはいきません。
ただ、32分にゴールを奪ったのはまたもゼルビア。右サイドで獲得したCK。キッカーを務める関口が「基本的に自分はいつも奥のファーとか狙うようにしていて、カーブが結構得意なので巻いて蹴った」ボールはクロスバーを直接叩くと、DFに当たったボールはゴールネットへ転がり込みます。記録上はオウンゴールでしたが、「ゴールを狙うイメージで蹴ってはいる」レフティの左足が呼び込んだ追加点。点差は2点に広がりました。
小さくないビハインドを追い掛ける格好となった大森FC。34分には梨の左FKに、ジャスティンがバックヘッドで合わせたものの、この軌道はゼルビアのGK鈴木悠矢(2年・桐光学園中)がしっかりキャッチ。36分はゼルビアにチャンス。スムーズなパスワークから右に開いた菊池陸斗(2年・FC町田ゼルビアJY)がクロスを送り込み、ファーへ入った八木のヘディングは枠の右へ。39分もセルビアにビッグチャンス。関口がピンポイントで送った左クロスに、頭で合わせた石川のシュートはまたしてもクロスバーにハードヒット。「彼が動き出すことでチームにチャンスが来ますし、そこまでは行っている選手です」と指揮官も評した石川は、2度までもクロスバーに嫌われましたが、前半はゼルビアが2点のアドバンテージを握って、45分間が終了しました。


後半のファーストチャンスはゼルビア。47分に八木が左から蹴ったCKはDFにクリアされましたが、51分には再び決定的なチャンス。菊池を起点に石川が左へ流すと、関口のシュートは重盛がファインセーブで回避します。すると、直後には大森FCに1人目の交替。センターバックで奮闘していた地頭方輝(1年・大森FC)のプレー続行が難しくなり、上野裕也(2年・大森FC)が投入されると、最終ラインは右から山田武(2年・大森FC)、梨、ジャスティン、森泉という並びに変わり、ドイスボランチはそのまま相川翼(2年・大森FC)と飯村直(1年・大森FC)、サイドハーフは右に伊藤航太(2年・大森FC)、左に上野、前線は河原と小泉が配され、2点を追い掛ける態勢を整え直します。
52分もゼルビア。八木の左CKは重盛がパンチング。53分もゼルビア。関口の右CKはDFに掻き出されるも、再び関口が右クロスを放り込み、小山田が頭で繋いだボールを新井田楓(2年・府ロクJY)はヘディングで枠へ収めたものの、重盛ががっちりキャッチ。58分もゼルビア。八木の左CKは重盛がキャッチすると、ここで動いたのは竹中監督。63分にはボランチの米盛憲輝(1年・FC町田ゼルビアJY)、新井田、菊池に替えて、杉本裕哉(2年・東急SレイエスFC)、山野辺夢歩(2年・FC町田ゼルビアJY)、江口大介(1年・FC町田ゼルビアJY)をピッチへ送り込み、システムも4‐4‐2から4‐3‐3へシフト。最終ラインには右から船戸詩季(1年・FC町田ゼルビアJY)、杉本、小山田、関口が揃い、中盤はアンカーに塩澤で、インテリオールに八木と金澤空(2年・FC町田ゼルビアJY)、前線は右に山野辺、左に江口、中央に石川が入り、さらに窺う追加点とその先の勝ち点3。
73分はゼルビア。船戸の右クロスに、飛び込んだ山野辺のヘディングは枠を襲うも、重盛がファインセーブで回避。直後に大森FCは2人目の交替として田中爽太(1年・大森FC)を送り込み、攻撃の推進力を高めに掛かりますが、ここで魅せたのは2年生コンビ。74分に「フォワードが走ってくれて、僕はあそこを使うだけでした」という八木がスルーパスを送ると、抜け出した山野辺は右からカットインしながらフィニッシュ。ボールはゴールネットへ突き刺さります。「まあアレが仕事なので」と笑う八木と山野辺の連携が光った一撃。スコアは3‐0に変わりました。
「途中で4‐3‐3に変えて、そこからはテンポが上がって攻撃まで行けましたね」(小山田)「4‐3‐3になってから結構ボールも回って、ボールが入る回数も増えて、やりやすくなりました」(八木)と2人も手応えを口にしたゼルビアは、ここから交替ラッシュ。75分には高島大夢(2年・FCヴァーデュア三島)、藤野直樹(2年・FC町田ゼルビアJY)、町田丈(1年・Forza'02)の3人を、81分には渡邊朝月(1年・FC町田ゼルビアJY)、佐藤列(1年・FC多摩)、足立唯真(1年・横浜FC JY)の3人を相次いで投入し、「チームをコントロールしていく中で、役割という意味では今日のゲームは彼を抜くと、チームに閉塞感が残ったままゲームが終わるんじゃないかなと思ったので、残しました」と竹中監督も言及した八木以外は、フィールドプレーヤーのスタメン全員をベンチメンバーと入れ替えます。
そして、ゲームを締めたのは唯一残った"スタメン組"。90+2分に右から町田が素晴らしいクロスを送ると、「本当にボールが良かったので胸トラして、思った所には止められなかったんですけどね」と振り返る八木は、すぐに置き位置を修正しながらエリア内からシュート。ボールはゴールネットへ飛び込みます。「彼は1ゴール1アシストじゃ足んないです」と指揮官は期待ゆえに辛口だったものの、八木のラストゴールでこのゲームは打ち止め。ゼルビアが4‐0というスコアで西が丘進出を決める結果となりました。


「まだチームとしてTリーグに向けた準備段階、いろいろなものを積み上げていく中では、選手自身が凄くストレスを感じるようなゲームだったんじゃないかなと。それは僕も含めて同じ感覚でいると思うので、また前向きに進みたいと思います」と竹中監督が話したように、決してスムーズに進められたゲームではなかったものの、終わってみれば4ゴールに加えて20人の選手がピッチに立つなど、一定の成果を90分の中で得たゼルビア。それでも、「蹴るだけになっちゃったり、イージーなミスとかが出ていたので、そこを次のゲームまでに改善したいです」と小山田は反省を口にするなど、選手たちも"同じ感覚"を有している様子。現在地と目指すものまでの距離はきっちり測れているようです。
試合後に竹中監督と話していた中で、この日の90分間でとりわけ印象に残った八木について尋ねると、「これはたぶん書いていただけると思うので、わざと話していますけど(笑)」と切り出しながら、「彼には本当にもっと高い所を求めたいんですけど、普段の生活や学校生活でもサッカーに必要な自己管理の所が非常におろそかになる子なので、そこをきちっと見直させているということと、そこが伴えば彼はもっと能力を生かせる子だと思っているので、そこに尽きると思います」と続けた言葉に滲む指揮官の期待。本人もその自覚はあるようで、「結構生活面でやらかしてきました(笑) いつもそういう所がもったいないんですよ。そこは絶対変えなきゃいけないですし、タケさんからも言われているので、やっていかないといけないです」とやや苦笑しながら、それでもきっぱりと決意を口に。彼の決意が続くのか、そしてそれはピッチでのプレーにどのような影響を与えていくかは、継続して見守っていく必要がありそうです。        土屋

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