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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
昨年度の選手権予選セミファイナリストと、今年度のインターハイ予選セミファイナリストの激突。国士舘と多摩大目黒のベスト8を巡る一戦も引き続き駒沢第2球技場です。
東海大高輪台と都立駒場を相次いで撃破し、5年ぶりに西が丘まで辿り着いたのは1年前。次のステップは15年ぶりの頂点に置いている国士舘。今シーズンは関東大会予選で駿台学園に、インターハイ予選は実践学園に早期敗退を突き付けられたものの、T1リーグで実力を磨きながら、選手権予選も1次予選を危なげなく勝ち抜くと、2次予選初戦は東工大附属に苦しめられながら、何とかPK戦を制してこのステージまで。「リーグ戦も夏過ぎは厳しかったですけど、それでも一生懸命やってくれています」とは上野晃慈監督。次は難敵相手の80分間へ全力で挑みます。
近年は着々と力を付け、都内でも上位進出の常連校となっている多摩大目黒。3連覇を目指した駒澤大学高を倒し、ベスト8へと進出した昨年度の選手権予選を経て、この夏のインターハイ予選でも駒澤大学高に返り討ちを果たし、都立駒場にも競り勝って準決勝へ。最後は國學院久我山に2‐3で敗れ、全国切符は逃したものの、確実に見えてきている西が丘のその先。まずはこの大事な初戦へ向かいます。2回戦屈指の好カードにスタンドも大入り。激闘必至のゲームは14時ジャストにキックオフされました。
ファーストチャンスは4分の多摩目。右からレフティの秋山陸(3年・多摩大目黒中)が蹴り込んだCKをファーで陸野泰勢(3年・多摩大目黒中)が折り返し、シュートには至らなかったものの、セットプレーで国士舘ゴール前を脅かすと、5分にもゴールまで約35m近い位置からのFKを、秋山は直接狙って枠内へ。ここは国士舘のGK山田大晴(3年・FCトッカーノ)がキャッチするも、果敢なチャレンジを。さらに10分にも左からサイドバックの古橋優吾(3年・多摩大目黒中)がクロスを上げ切り、キャプテンの服部功汰(3年・多摩大目黒中)が合わせたヘディングは山田にキャッチされましたが、まずは多摩目が攻勢に打って出ます。
ところが、最初のシュートを結果に結び付けたのは劣勢の国士舘。16分に左サイドを得意のドリブルで運んだ唐澤大地(3年・FC町田ゼルビアJY)は、そのままえぐり切って中央へ。良い位置に潜った佐藤慶哉(3年・AZ'86東京青梅)が左足で打ったボールは、右スミのゴールネットへ吸い込まれます。指揮官も「ドリブルは上手だし、好きですね」と評価する唐澤の突破から、最後はナンバーナインが一仕事。国士舘が先制ゴールを手にしました。
形勢逆転。22分は国士舘。ボランチの濱部響乃介(3年・FCトリプレッタJY)を起点に、ここも唐澤がドリブルで運んで左へ付け、丸山龍基(3年・AZ'86東京青梅)のクロスにファーへ飛び込んだ佐藤のヘディングは枠の右へ逸れるも、ダイナミックなアタックを。27分も国士舘。左サイドバックの菊地駿斗(3年・三鷹F.A.)が短く付け、一気に加速した唐澤がフィニッシュまで持ち込むも、多摩目のGK能島昭登(3年・大豆戸FC)がファインセーブで応酬。29分も国士舘。左から菊地が入れたCKは、古橋が大きくクリアしたものの、隠さない追加点への意欲。
なかなか攻撃の糸口を掴み切れない多摩目ベンチは、34分に早くも1人目の交替を決断。左サイドハーフの富永夏喜(3年・大豆戸FC)に替えて、中嶋健人(3年・FCトレーロス)を投入し、中盤セントラルの松本優(3年・湘南ベルマーレU-15平塚)と岩村勇暉(3年・川崎フロンターレU-15)の配球を生かしたサイドアタックの推進力向上を期すと、39分にはセンターバックの長内岳人(2年・多摩大目黒中)が縦にフィードを送り、粘って反転した中嶋のシュートは枠の上へ。前半は国士舘が1点のリードを保って、40分間が終了しました。
後半の立ち上がりは国士舘ペース。48分には唐澤が左サイドから中央へ折り返し、柳陽哉(3年・GA.FC)のシュートは能島にキャッチされるも、優位性を保つ左からのアタックを。50分には多摩目も服部と岩村の連係で右CKを獲りましたが、秋山のキックは中と合わず。53分は国士舘に決定機。センターバックの永吉風太(3年・FC多摩)が左FKを蹴り込み、こぼれを叩いた柳のボレーはゴール左スミを襲うも、能島がファインセーブで回避。その左CKを菊地が蹴り入れ、佐藤が当てたボレーはゴール左へ外れるも、国士舘が漂わせる次のゴールの気配。
何とか押し返したい多摩目は55分。服部が仕掛けて得た右FKを秋山が蹴り、ボールはファーに流れましたが、57分にも秋山の左CKから大外でフリーになった松本の折り返しに、中嶋はタイミングが合わず、シュートまでは持ち込めなかったものの、少しずつ変わってきたゲームリズム。57分は国士舘に1人目の交替。丸山を下げて、福田竜之介(3年・FCトッカーノ)をピッチへ送り込み、前線の顔ぶれに変化を加えます。
59分に訪れた絶好の同点機。多摩目は右サイドバックに入ったルーキーの井上佳(1年・FCトレーロス)を起点に、中嶋のパスから陸野が独走。左サイドを運んでシュートを放つも、ここは山田がビッグセーブを披露し、国士舘にとっては絶体絶命のピンチを脱出。直後の右CKも秋山のキックはフィニッシュに繋がらず、スコアを振り出しに引き戻せません。
61分は国士舘に2人目の交替。柳と田中壮太(3年・VERDY S.S.AJUNT)を入れ替え、前線に高さのオプションを。63分は国士舘にチャンス。菊地の左クロスを田中が粘って残し、福田のシュートはDFにブロックされたものの、交替出場の2人でフィニッシュまで。65分は多摩目。秋山の左FKに長内が競り勝ち、徳田太陽(3年・川崎高津中)はヘディングで枠へ収めるも、国士舘はキャプテンの長谷川翔(3年・FCトレーロス)を含めた4人がゴールカバーに入り、きっちりクリア。全面に押し出す勝利への執念。
国士舘は66分にも3人目の交替を。佐藤を莊原聡(3年・川崎白鳥中)にスイッチして、サイドのギアチェンジを図ると、4分後の70分には左サイドを単騎で運んだ莊原がエリア内へ仕掛け、マーカーとの接触で転倒したプレーを主審はPKとジャッジ。絶好の追加点機がやってきます。キッカーは福田。蹴り込んだのは中央でしたが、GKはタイミングを外されストップできず。途中出場のサイドアタックから、途中出場の18番が冷静なPKで一刺し。国士舘がリードを2点に広げました。
追い込まれた多摩目は72分に2枚替え。岩村と秋山を下げて、青森大生(1年・FCトリプレッタJY)と関澤洋(2年・多摩大目黒中)を送り出し、陸野と服部の2トップで最後の勝負へ。73分には古橋の左FKから、長内がヘディングを枠内へ飛ばすも山田がキャッチ。74分は国士舘が4枚目の交替。右サイドバックで奮闘した村崎海斗(3年・世田谷砧中)を井上優太(3年・インテリオールFC)へ入れ替え、守備の強度アップに着手。75分は多摩目。古橋の左FKに長内と服部が突っ込むも、わずかに届かず。長島佑仁(3年・FCトリプレッタJY)と永吉のセンターバックコンビを中心に、崩れない国士舘ディフェンス。残された時間は5分間とアディショナルタイムのみ。
76分は多摩目の決定的なチャンス。服部が素晴らしいフィードを送り、陸野が巧みに抜け出してGKと1対1を迎えましたが、山田はビッグセーブで仁王立ち。先週のゲームでスタメン出場していたGKが負傷欠場を余儀なくされたことで、「力関係はあまり変わらないので、よく準備してくれていた」と上野監督も自信を持って送り出した山田の好守がチームを何度も救います。
76分も多摩目。右サイドを運んだ陸野のシュートは、山田が丁寧にキャッチ。77分は国士舘が最後の交替を。チャンスに絡み続けた唐澤を下げ、櫛引瑞樹(3年・FC.GIUSTI世田谷)に託すゲームクローズ。80+3分は多摩目。古橋、服部とボールを回し、松本が打ったシュートは井上が体でブロック。直後の左CKを古橋が蹴り入れ、こぼれをファーで拾った陸野が上げたクロスから、井上が狙ったシュートはクロスバーの上に消え、万事休す。「選手が頑張ってくれました。先週ちょっとうまくいかなかった所から、今日まで4日間しかなかったので、それでもよく修正してくれたなと思います」と上野監督も話した国士舘が、クォーターファイナルへ勝ち上がる結果となりました。 土屋
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