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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2018年09月02日

T3リーグ2018Aブロック第6節 駿台学園×東海大高輪台@東海大高輪台総合G

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0828takanawadai.JPG共に一貫して攻撃的なスタイルを打ち出している強豪同士の激突。駿台学園と東海大高輪台のT3リーグは、東海大高輪台総合グラウンドです。
関東大会予選では修徳、国士舘、大森学園、帝京と難敵を相次いで撃破し、最後は関東第一に敗れたとはいえ、堂々の準優勝に輝くと、その本大会でも習志野と佐野日大を退け、こちらも決勝では桐生第一にPK戦で屈したものの、やはり準優勝を勝ち獲るなど、上々のシーズンスタートを切った駿台学園。國學院久我山に大敗を喫したインターハイ予選を経て、「そういう意味で自分たちはまだまだだというのもわかっていますし、ある程度やれている部分は自信を持っていると思う」とは大森一仁監督。今日が自分たちにとって"当たりの日"だと信じて、無敗の続くリーグ戦に臨みます。
進境著しい都立東大和南に初戦で0-1と敗れた関東大会予選。一次トーナメントの初戦で、東京成徳にやはり0-1で敗退を突き付けられたインターハイ予選。ここまでトーナメントコンペティションでは、思うような結果が付いてきていない東海大高輪台。とはいえ、先週行われた選手権の1次予選では、決勝で明大中野八王子を1-0で打ち破り、無事に2次予選進出権を獲得。その直後とはいえ、「選手権を見据えてリーグ戦もしっかり戦って、またスタイルをしっかり自分たちで出すのは勝つ上で大事なことだと思います」キャプテンの志村貢令(3年・ジェファFC)が話したように、より自らのスタイルに磨きを掛ける上でも、重要なリーグ戦の舞台を迎えます。会場のさいたま新都心は、とにかく湿度が高く汗の吹き出るコンディション。T3屈指のビッグマッチは、駿台学園のキックオフでスタートしました。


ファーストチャンスは10分の駿台。左サイドでボールを引き出した布施谷翔(3年・ジェファFC)が、ダイレクトで右へ振り分け、高根沢翔(3年・TFA)が叩いたボレーはクロスバーを越えるも、いきなりハイレベルなフィニッシュを。11分は高輪台にもファーストシュート。右サイドで前を向いた藤井一志(3年・ヴィッセル神戸伊丹JY)は35m弱のミドルにトライ。ボールはこちらも枠の上へ外れましたが、まずはお互いにシュートを撃ち合います。
「入りはちょっと硬かった」と志村も振り返った高輪台は、19分にもらしい形を。苗加慶太(2年・浦和レッズJY)を起点に内野耕作(3年・ジェファFC)、足立考(3年・GA-FC)とボールを繋ぎ、内野が左から中へ付けると、マーカーを背負いながら放った中込雅樹(3年・インテリオールFC)のシュートは、駿台のGK猪田光哉(3年・TFA)が好セーブ。直後の右CKを短く蹴り出した苗加が藤井のリターンをクロスに変え、ニアに飛び込んだ志村はわずかに届きませんでしたが、続けて狙う駿台ゴール。
ただ、23分に右サイドで果敢なインターセプトから、そのまま運んで上げた笹本周(3年・S-P FUTE U-15)のクロスに、ファーで合わせた布施谷のボレーはゴール左へ逸れるも、飲水タイムを挟むと、以降は「入りがあまりにも良過ぎたというか、圧も掛けられていたし、何となくアイツらも『ああ、失点の香りないな』っていう所もあったんだと思うんですよね」と大森監督も言及した駿台ペースに。
36分にはボランチの吉澤翔吾(3年・FCトレーロス)、布施谷とボールが回り、田中亮汰(3年・TFA)が右スミギリギリに収めたミドルは、高輪台のGK豊田隼人(2年・東川口FC)がファインセーブで回避。直後の右CKを布施谷が蹴り込み、こぼれに自ら反応した布施谷のシュートは右のサイドネット外側へ。この前後に左サイドハーフの布施谷と、前線に入った笹本の位置も入れ替え、さらに踏み込みたい得点へのアクセル。
38分も駿台。左から布施谷が蹴ったFKにセンターバックの荻優太(3年・青山SC)が競り勝ち、高根沢が左足で合わせたボレーはクロスバーの上へ。43分も駿台。左サイドバックの中村海知(3年・駿台学園中)が笹本とのワンツーで駆け上がり、クロスは上げられなかったものの、果敢なオーバーラップを。45分は高輪台。足立が左サイドをえぐって中央に戻すと、エリア外から苗加が打ったシュートは枠の左へ。「特に前半とか、向こうもそうだけど、ゲーム的にもおとなしかったですね」とは高輪台の川島純一監督。スコアレスで最初の45分間は終了しました。


ハーフタイムに動いたのは川島監督。何と内野、中込、足立を下げて、塚原智也(2年・FC.PROUD)、鈴木颯太(2年・Forza'02)、宮田龍芽(2年・FC.PROUD)を投入する3枚替えを敢行。最前線に塚原、2列目に右から志村、苗加、宮田を並べ、ボランチに鈴木と「今年のチームでは一番ウチらしい」と指揮官も評する小松崎大樹(2年・クリアージュFC)を配して、残された45分へ向かいます。
すると、ギアの上がった高輪台のラッシュ。47分には藤井、苗加とボールが動き、塚原のシュートは駿台のセンターバック山崎亮(3年・駿台学園中)がブロックしたものの、直後の右CKを苗加が蹴り込むと、こぼれを拾った宮田のシュートはDFに当たり、志村のフィニッシュは枠を越えましたが、続けてチャンスを。50分は決定機。小松崎が丁寧なスルーパスを通し、宮田が抜群のスピードで飛び出すも、1対1は完璧なタイミングで飛び出した猪田がファインセーブ。スコアは動きません。
53分は駿台に1人目の交替。右サイドバックで奮闘した田中竣(3年・墨田錦糸中)に替えて、鮫島貴士朗(2年・足立第十一中)をそのままの位置に送り込み、攻守にサイドのテコ入れへ着手。直後はFKのチャンス。ピッチ中央、ゴールまで約30mの位置から、布施谷が直接狙ったキックは枠の上へ。58分にも2人目の交替として、笹本と高橋竜太郎(2年・FC ESFORCO)をスイッチし、さらなる推進力アップを。58分には布施谷が今度は左から約25mのFKを蹴り込むも、ボールはクロスバーの上へ。少しずつ覗き始めた「こういうパターンでとか、こういう形でというのはあまりなく、楽しければいいというスタイル」(大森監督)。
62分は高輪台に4人目の交替。苗加と笹田年紀(3年・大豆戸FC)を入れ替えると、直後のチャンスは駿台。田中を起点に布施谷が左へ流し、高橋がグラウンダーで入れたクロスに、ニアへ突っ込んだ上原飛翔(3年・駿台学園中)のヒールシュートはヒットせず。すると、先に歓喜の瞬間を享受したのはホームチーム。
65分。宮田のパスをエリア内で引き出した笹田は「ボールを受けた時に、1対1で誰もカバーに入ってなくて、股が空いていたので『股狙えるな』と思って」という股抜きでマーカーを剥がすと、「キーパーと相手がちょうど重なっていて、たぶんブラインドになっていたので『ファー狙えば入るかな』と思って」フィニッシュ。ボールはゴール右スミへ鮮やかに吸い込まれます。「あのコントロールショットは良かったね」と川島監督も話せば、「結構自分でもビックリするくらいのゴールでしたね」とは笹田本人。途中出場の14番がゴラッソを叩き込み、高輪台が先制点を手にしました。
さて、1点のビハインドを負った駿台でしたが、以降もチャンスらしいチャンスが創り出せない中で、大森監督は「1点取られたんで『行くしかないかな』という話で、それでもちょっと全体が低かったから、言わないとまずいかなと」、徹底して前へとボールを入れる指示を。76分には鮫島のクロスから、こぼれを拾った布施谷のシュートは豊田がキャッチしたものの、77分、78分、79分、81分と連続してセットプレーをゴール前に入れるなど、圧力を掛け続けるプレー選択の連続で、変わりつつあるゲームリズム。
83分は駿台に決定的なチャンス。右から高根沢が上げたクロスに、ファーでフリーになっていた高橋のボレーは枠を捉えるも、豊田が超ファインセーブ。上原と徳永夢樹(3年・石神井マメックス)の交替を挟み、85分にはまたも駿台にビッグチャンス。左から中村がクロスを流し込み、ファーで布施谷が折り返すと、徳永は余裕を持ってトラップしながらシュートを放つも、再び豊田がビッグセーブで応酬。守護神の豊田に、右から藤井、茂木成志(2年・ジェファFC)、阿部泰世(3年・GRANDE FC)、芹ケ野隼(3年・インテリオールFC)で組んだもともとの4バックと、長身の鈴木も加えて築く高輪台の堅陣。駿台に圧し掛かる1点の重み。
駿台4人目の交替は89分。高根沢と岡崎大志(3年・東京久留米FC U-15)をスイッチして最後の勝負へ。90分は駿台。布施谷の右FKに山崎が合わせたヘディングは枠を襲うも、鬼神と化した豊田がファインセーブでゴールをロックし、頭を抱えた駿台のピッチとベンチ。90+3分も駿台。粘った山﨑の左クロスから、ルーズボールを収めた布施谷のシュートは、豊田が丁寧にキャッチ。そして高輪台が、90+9分に負傷した塚原と横山歩夢(1年・FCトッカーノ)を入れ替えると、ピッチに鳴り響いた試合終了のホイッスル。「最後に1-0というスコアで勝ち切れたのが一番大きいかなと思います」と志村も話した高輪台が、ホームゲームできっちり勝利を手にする結果となりました。


「今年は後から交替メンバーを7人ぐらい使いたいんですよ。許されるならね。自信持ってできるから、そのへんは例年より良いイメージかもしれない。切り札がいっぱいいるので」と川島監督も話した高輪台は、このゲームも"切り札"の1人でもある笹田が決勝ゴール。ただ、その殊勲のスコアラーも「結構途中からの出場が自分は多いので、結果を出さないとなとは思っていて、やっとTリーグ初ゴールが決められたので良かったです」と危機感を口に。良い意味での競争原理が、今年のチームにも根付いているようです。「11人だけじゃこれから先は勝っていけないと思うし、川島先生も『途中交代の選手が試合を決める』と言っているので、そういう意味では途中交代で入った選手も、最初に出ていた選手も含めて全員で勝てたというのが、今日は本当に一番大きいかなと思います」と口にした志村は続けて、「選手権で絶対周りのチームを見返さなきゃいけないと思っています」ときっぱり。高輪台の覚悟はここに来て整いつつあるようです。      土屋

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