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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2018年09月29日

T2リーグ2018第15節 東京朝鮮×駒澤大学高(B)@東京朝鮮G

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0924tokyochosen.JPG1年でのT1復帰を狙う十条の虎と、自身と集団の着実な底上げを期す赤黒軍団の対峙。東京朝鮮と駒澤大学高(B)の一戦は東京朝鮮グラウンドです。
インターハイ予選は初の全国にあと一歩まで迫りながら、最後は関東第一にPK戦で敗れて涙を呑んだ東京朝鮮。「インターハイの結果は良い意味でリセットして、チャレンジャーの気持ちでやりたいですね」と姜宗鎭監督が話すチームは、ここ4試合のリーグ戦で1勝3分けと少し勝ち点を積み上げ切れていないだけに、「勝ち点3が欲しい試合」(キム・チャンミョン・3年・埼玉朝鮮中)に挑みます。
T2での戦いも2シーズン目。「みんなのチャレンジ精神を大事にして、勝ちながら個を伸ばしていく」(亀田雄人ヘッドコーチ)ことをテーマにシーズンを進めている駒澤大学高(B)。現在は大成、早稲田実業、國學院久我山(B)と難敵相手に3連勝中と、チームと選手は確かな成長を結果でアピール。夏以降はメンバー構成も1,2年生のみにシフトし、「T2の下級生からチームを盛り上げていきたい」と亀田コーチ。個々のパフォーマンスも重視した90分間へ向かいます。東京朝鮮グラウンドは吹奏楽部の演奏も聞こえるのどかな雰囲気も。注目のゲームは東京朝鮮のキックオフでスタートしました。


先に攻撃のリズムを掴んだのは駒澤。3分に右サイドで林駿祐(2年・クラブ与野)からパスを受けた佐藤海来(1年・杉並アヤックスU-15)のミドルはゴール右に外れたものの、1年生ストライカーが積極的なトライを見せると、10分にも右サイドで得たFKを時田悠人(2年・Y.S.C.C.横浜U-15)が蹴り込み、ファーに飛び込んだ佐藤のヘディングは枠の左へ。さらに13分にもスローインの流れから、エリアに潜った原幸士朗(1年・Forza'02)はゴール左に逸れる惜しいシュートを。「だんだん、少しずつチャレンジできるようになってきている」という亀田コーチの言葉を体現するようなアグレッシブさで、駒澤が勢いよく立ち上がります。
さて、「この頃勝ち切れない試合が多くて、課題は全体での攻撃です」とセンターバックのチョン・ユギョン(3年・東京朝鮮第一中)も指摘する東京朝鮮は、なかなか流れの中からアタックを繰り出せず。15分にはホン・リジン(3年・東京朝鮮第一中)の左FKから、こぼれに反応したリ・チャンギ(3年・東京朝鮮中)のシュートはクロスバーの上へ。17分に右からホン・リジンが蹴ったCKは、駒澤のGK磯部幸輝(2年・クラブ与野)がきっちりキャッチすると、18分には駒澤も佐藤の落としから時田がミドルを、22分にも青木優音(1年・クラブ与野)との連携で時田が東京朝鮮のGKカン・ブラマ(3年・東京朝鮮第一中)にキャッチを強いるシュートをそれぞれ。ゲームリズムはやはり駒澤に。
23分は東京朝鮮。左サイドバックのパク・チュンボム(3年・東京朝鮮中)がクロスを上げると、キム・チャンミョンのヘディングは磯部がキャッチ。24分は駒澤。青木のパスから原が狙ったシュートはチョン・ユギョンが体でブロック。28分も駒澤。ミドルレンジからレフティの小林蒼太(2年・Forza'02)が打ったシュートは枠の上へ。31分は東京朝鮮に決定機。ハ・ジュノン(3年・東京朝鮮第一中)が左へ振り分け、パク・チュンボムのクロスにキム・チャンミョンが競り勝ったヘディングは枠を襲うも、磯部がファインセーブで応酬。フォワードに本格挑戦してまだ3ヶ月。「どんなに泥臭いことでも点に繋げられたらそれが一番良い」と言い切る6番のビッグチャンスでしたが、先制とは行きません。
32分は東京朝鮮。アン・ジュノ(2年・東京朝鮮中)とハ・ジュノンの連係で奪った右CK。ホン・リジンのキックに、ニアでパク・スンテ(3年・東京朝鮮中)が合わせたボレーはDFがブロック。40分は駒澤。右サイドバックの小林泰晟(2年・クラッキス松戸)のロングスローに佐藤が競り勝ち、時田が繋いだボールを小林蒼太はゴール左へ外れるミドルまで。「今日は前の2試合よりもチャレンジする姿勢は前向きでした」と亀田コーチも手応えを口にした駒澤が優勢に進めた前半は、スコアレスでハーフタイムに入りました。


後半最初のチャンスはいきなりの決定機。50分にカウンターから単騎でグングン運んだ清水宏晃(2年・C.A.ALEGRE)が右へ流すと、駆け上がった林の枠内シュートは、カン・ブラマが懸命にファインセーブ。53分は東京朝鮮の反撃。左サイドを自ら持ち上がったセンターバックのチョン・ユギョンは、ゴールまで30mはある距離から左足ミドル。本人も「打った瞬間に『こんなシュート打てたんだ』って(笑)」と振り返った弾道は枠の左へ逸れたものの、その一連にどよめくスタンド。55分も東京朝鮮。「僕に縦パスが入った時がスイッチが入る時」というキム・チャンミョンが左サイドで時間を作り、リ・チャンギが繋いでホン・リジンの放ったミドルは枠を越えるも、双方が少しずつ踏み込んでいく攻撃のアクセル。
すると、先にスコアを動かしたのはアウェイチーム。58分に右サイドへボールを運ぶと、時田のパスからGKとの1対1を迎えた佐藤は右足を強振。ボールは豪快にゴールネットを揺らします。「『本当に調子の良い子を出す』というのを選手たちにも言っていて、佐藤海来も前回は10分くらいしか出ていないんですけど、今日は点を取って。だから、そういう子が出てくればいいなって所でやっています」と亀田コーチ。スケール感のある1年生が一仕事。駒澤が1点のリードを奪いました。
「全体が間延びしちゃってて、相手の1人1人が浮いてきてしまっていた」(チョン・ユギョン)中で、ビハインドを負った東京朝鮮でしたが、すぐに表出させた負けられない意地。61分にここもハ・ジュノンのドリブルで獲得した右FK。キッカーのホン・リジンが鋭い軌道で蹴り込むと、「練習でもやっていたし、昨日ちゃんと確認していた」というキム・チャンミョンはニアに入って頭でズドン。カバーに入ったDFも一歩及ばず、ボールはゴールネットへ飛び込みます。「一番前の人が消極的だと周りにも伝染してしまうと思うので、前で積極的に行って、ちゃんと1試合に絶対1点は入れられるような存在になりたいですね」と口にするストライカーの力強い同点弾。スコアはたちまち振り出しに引き戻されます。
62分に動いたのは東京朝鮮ベンチ。右サイドハーフのハ・ジュノンに替えて、リャン・ユンデ(2年・東京朝鮮第一中)をそのままの位置に送り込み、サイドの推進力アップに一手を。65分は駒澤も1人目の交替。左サイドハーフの清水を下げて、黒木弘也(2年・横浜万騎が原中)をやはりそのままのポジションに解き放ち、さらに上げたいアタックのギア。74分は駒澤。時田の左FKから、センターバックの内田哲平(2年・坂戸ディプロマッツ)がファーで合わせたヘディングはゴール右へ。76分も駒澤。林が左へサイドを変え、黒木のシュートはカン・ブラマにキャッチされるも、再び流れはアウェイチーム側へ。
相次いで駒澤が切ったカード。77分には先制弾の佐藤と大岡忠義(2年・フレンドリー)を、78分には林と山田航(2年・横浜栄FC)をそれぞれスイッチして勝負に出ると、79分には入ったばかりの山田がとんでもない弾道と飛距離のロングスローを投げ込み、同様に投入直後の大岡が当てたヘディングはクロスバーを越えるも、スカウティング済みだったというチョン・ユギョンも「あんな飛ぶとは思っていなかったので驚きました」と苦笑する"飛び道具"が突き付けた小さくない脅威。ゲームはラスト10分間とアディショナルタイムの攻防に。
81分は東京朝鮮。ホン・リジンの左CKは中央でオフェンスファウルが。84分は駒澤。時田が左CKを放り込み、ファーに走った内田のヘディングはカン・ブラマがセーブ。85分は駒澤にビッグチャンス。今度は右から時田が入れたCKはニアに飛び、小林泰晟が枠へ収めたヘディングはカン・ブラマがファインセーブで何とか回避。直後に山田が投げた右ロングスローも、飛び出したカン・ブラマがパンチング。東京朝鮮はチョン・ユギョンとキャプテンを託されているムン・ヒョンジョン(3年・埼玉朝鮮中)のセンターバックコンビを中心に、やや耐える時間の長い終盤。88分は駒澤が4人目の交替として、青木と橋本雄也(2年・ルキナス印西)を入れ替え、最後の勝負へ。
90分は東京朝鮮。左からホン・リジンが投げ入れたロングスローは、シュートまで持ち込めず。90+1分も東京朝鮮。ホン・リジンの左FKは山田が大きくクリア。直後に三たびホン・リジンが入れたロングスローは、ここもシュートには至らず。90+2分は駒澤に訪れた最後の決定的なシーン。カウンターから橋本が左へ通すと、上がってきたセンターバックの長谷川唯月(2年・田口F.A.)は完全にGKと1対1になりますが、右スミを狙ったシュートはカン・ブラマがビッグセーブで仁王立ち。「一応勝負にはこだわるけど、彼らのチャレンジする姿勢を大事にしたい所が大きかったので、僕からしたら悪い印象はあまりなかったですね」と亀田コーチが話せば、「今日は自分たちの持ち味を出せて、前の試合よりは良かったんじゃないかとは思っています」と姜監督。ファイナルスコアは1-1。両者が勝ち点1を分け合う結果となりました。        土屋

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