最近のエントリー
カテゴリー
アーカイブ
このブログについて
J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
パナソニックスタジアム吹田で行われた
キリンチャレンジカップ2018の
日本×コスタリカは3-0で日本が勝利しました。
以下、試合後の記者会見における
日本・森保一監督のコメントです。
(日本・森保一監督)
まずは今日我々が試合をできたということ、この試合の環境を作って下さったキリンさまをはじめとするスポンサーの皆様、そして運営等々関わっていただいたすべての皆様に感謝したいというふうに思っています。そして今日、ここパナソニックスタジアムにお越しいただいたサポーターの皆様、そして全国で日本代表を応援して下さった皆様に感謝申し上げたいと思います。
試合は選手たちが日本全国で、自然災害で辛い思いをされている方々に、自分たちが走って戦う姿を見せて、粘り強く戦う姿を見せて、被災者の皆さんに励ましのエールを送る、そして被災地で復旧復興に尽力されている皆さんに励ましのエールを送るということをやっていこうということを選手たちが胸に刻んで、ピッチ内でプレーを見せてくれて、そして結果を持って、我々を応援して下さっている、支援して下さっている皆さんに勝利をお届けできて良かったと思います。
チームとしても北海道で、札幌で被災した中、選手もスタッフも準備することはそう簡単ではなかったと思いますけど、みんなが与えられた環境の中で、最善の準備をしてくれたこと、やってくれたことが結果に繋がって良かったと思いますし、残念ながら札幌では試合はできませんでしたけど、試合以上のことを学ばせていただいたと思います。感謝の気持ちを持って、今日の試合に臨むことができたと思います。札幌で我々はホテルで被災しましたけど、幸いなことに被災したホテルは自家発電があり、電気も使える状態だと。そして食事も、震災があった日には朝食は取れませんでしたけど、その後はすべて普通通りに生活をさせていただき、食事も取らせていただいたということ、札幌のホテルの従業員の皆さんが、被災して辛い想いをしている中、我々に対して手厚くサポートしていただいたこと、その経験ができたことは、試合ができなかったのは本当に残念ですけど、人として、そして我々が多くの人に支えられて、こうやってプレーできている幸せや、サッカーできていることを感じさせてもらえたことが今日の試合にも生きたと思いますし、今後のサッカー人生にも生きたというふうに思っております。
練習場でも被災された方々がサポートして下さり、ここ大阪でも台風21号の影響で被災された人たちが我々のサポートをして下さいました。当初はJ-GREEN堺で練習を行う予定でしたけど、そこは台風の影響で施設が使えなくなり、そしてガンバ大阪さんのグラウンドを急遽使わせていただいたり、そういうたくさんの方が我々をサポートしていただいて、今日の試合をできたことを本当に感謝したいと思います。長くなってしまいましたが、今回の試合に当たり、これまでサポートしていただいたすべての皆さんに感謝の気持ちを申し上げたいと思います。ありがとうございました。
(質疑応答)
Q:準備期間がなくて、なかなか戦術を練るのが難しい中で、かなり個人が持ち味を出して、攻撃面は躍動するような所が見られたと思います。改めて今日の攻撃の部分での、個の力の見せ方や噛み合い方にどのような手応えを感じてらっしゃいますか?
A:チームとして練習できる時間は限られていましたし、コンセプトは選手に提示はしましたけど、そこで具現化するという所は簡単ではない所を、選手たちがトレーニングでやったことを、そしてそれぞれがコミュニケーションを取ってくれて、チームとしてやろうとしたことをまずは発揮してくれたというふうに思います。その中で選手それぞれが持っている特徴というものを、チームの戦い方の中で出して欲しいという所で、選手たちが本当に積極的にプレーしてくれたというふうに思いますし、それぞれの持っている特徴を発揮してくれたというふうに思っております。
Q:今日の布陣についてなんですが、広島時代に慣れ親しんだ3-6-1ではなくて、前回のワールドカップでやっていた4-5-1でもなく、4−4−2というシステムを選んだと思いますが、その理由とその手応えを教えていただけますか?
A:理由は、ひとつの形にこだわってやっていくということももちろんあるとは思いますけど、いろいろな形に対応して欲しいということ、対応力を選手たちに持ってほしいという部分と、柔軟にやる考え方を持って欲しいということ、臨機応変にやって欲しいということも含めて今日の形にしました。しかしながら、システムという所でもちろん見られるとは思いますけど、サッカーをやる上での原理原則は攻撃も守備も変わらないと思いますし、そこを選手たちは理解してくれて、今日トライしてくれたと思います。また、今日の形をやったという部分では、私がロシアのワールドカップにコーチの1人として大会に参加させていただいて、西野さん、西野監督から本当に多くのことを学ばせていただいて、その学ばせていただいたことを、この先に繋げていくという意味でも、私自身もトライしてやっていきたいなというふうに思って、今日はやらせてもらいました。
Q:交替を後半23分まで待って、そこから一気に替えて行った理由をお願いします。
A:そうですね、あの、時間はまず別として、流れの中で何が起こるかわからないので、臨機応変に私自身が対応してやっていくという、まずは準備をしながら試合を見ていました。で、交替時間という部分では、あの、考えていた所もありますし、そうでない部分もありますけど、試合の流れの中で選手を少しでも多く試したいということと、その中で日本代表の勝利をということにこだわって、両方の部分で選手起用をしていきました。
Q:広島時代をずっと見てきた私にとって、今日のサッカーはちょっと驚きがたくさんあったんですけども、フォーメーションはともかくとして、非常に守備がアグレッシブで、前から取りにいく所とか、そのあたりは広島でもトレーニングをトライしていた所もあったと思うのですが、日本代表だからこういうサッカーができたという所なのでしょうか?それともワールドカップを通して、こういうサッカーをこれからは目指していこうと思ってらっしゃるのでしょうか?
A:両方ともあると思います。私が西野さんから、西野監督から学ばせていただいた部分もありますし、広島の時とは違うことも多いかと思いますけど、預かっている選手も違いますし、それぞれの特徴をどう生かしていくかという所での違いはあると思います。両方というか、もうひとつあるとすれば、アグレッシブにはやりたいというふうに常々思ってやっていましたけど、勝利すること、そのためにチームの力をどうやったら最大限出せるかということを、常に考えながらこれまでもやってきたつもりですし、これからもやっていきたいと思います。
Q:ちょっと今日の試合から離れちゃうんですけど、8月の今頃からちょうど1ヶ月間、2つのチーム(A代表とU-21代表)を率いて、40人ぐらいの選手を、大きなグループを見てこれからやっていくとおっしゃっていたんですけど、全体の選手のリアクションというか、監督の話とか言葉に対する反応はどのように感じておられるのでしょうか?
A:今日で、アジア大会をまず戦って、そしてキリンチャレンジを戦ってということで、8月11日から家を出て、ちょうど今日で1ヶ月と1日、約1ヶ月ということになりますけど、最初にアジア大会で預からせてもらった選手たち、東京オリンピック世代のU−21の若い選手たちと共にまずは戦ってきましたが、7試合マックスで試合をすることができて、本当に1試合ごとに選手たちが成長していく姿、逞しくなっていく姿を感じさせてもらいながら、アジア大会を戦うことができました。そして、残念ながら優勝はできなかったですけど、選手たちが今持っている最大限の力を決勝の韓国戦でも出してくれたと思いますし、これから先に繋がる、まだまだ伸びしろがある、成長してもらわなければいけない選手たちと共に戦えたというふうに思っています。
東京オリンピック世代の選手たちは、メダルを獲得しようと思えば、みんなどの選手に聞いても「金メダルを獲りたい」ということを言ってくれていたので、金メダルを獲ろうと思うのであれば、真夏の暑い中に6試合連戦で戦わないといけないということ、そういった意味でアジア大会で7試合、非常にタフな日程の中で戦えたことは、チームにとっても、選手個々にとっても、スタッフにとっても良い経験だったと思います。最後の韓国戦で戦ったあの試合の強度を、東京オリンピックではスタートから6試合やり続けなければいけないということ、それは相当な覚悟をもってやらなければいけない、もっともっとレベルアップをしなければいけないという、素晴らしい経験ができたというふうに思っています。
そこからこのキリンチャレンジカップに、A代表の方に移動して来て感じたのは、まずは選手のクオリティーがやはりA代表の選手たちは高いということ、それぞれのクラブでポジションを掴んで、キャリアを積んでいっている選手たちのレベルの高さということは感じさせてもらいました。A代表の監督をやることで、またそのレベルの基準ということ、どういう高みを目指してやっていくかということ、ハッキリと私自身が基準をもって、東京オリンピック世代の選手たちに提示できるなという、素晴らしい経験をさせてもらいました。あとはA代表の選手たちは、技術を持っている、そして戦術理解力を持っているということはもちろんですけど、やはり今日選手たちが見せてくれた、本当に戦う気持ちを持って、自分の責任をまっとうする気持ちを持って、試合を戦い抜くということ、粘り強く戦い抜くということ、やはりメンタル面でも技術面でもすべてを上げていかなければいけないということを、若い選手たちに伝えられる良い経験になりましたし、A代表の選手たちのレベルの高さを知れて、私自身も素晴らしい経験ができました。
Q:ご自身のお気持ちを伺いたいのですが、先ほど感謝ということはお伺いしているんですけども、日本代表の監督として、今日の初陣というのはどのようなお気持ちで挑まれましたでしょうか?
A:A代表の監督として、特別に思った部分もありますし、特別には思っていない自分もいました。それは先ほども申しましたけど、本当に日本代表として試合に臨める素晴らしい環境作りをサポーターの人にしていただき、そして支援、応援して下さる方々にもこういう環境を作っていただき、こうやって多くのメディアの皆さんにも本当に注目していただき、そこからサッカーを発信してくださるということ、これもなかなかこれまで経験できなかった所で、特別な舞台に立たせていただいている、素晴らしい経験を自分はさせていただいているということを今、感じています。逆に特別でないというふうに思っている所は、私自身の気持ちは全然変わらないという所です。これまでもクラブチームで監督をさせていただいて、サンフレッチェ広島という所で監督をさせていただいた中で、一戦一戦大事に戦っていこうということ、一戦一戦勝利を目指して最善の準備をする、試合でベストを尽くしていくということ、その部分においてはまったく、今回のチリ戦から試合がなくなって、コスタリカ戦になった部分でも自分の中で変わる所は全然なかったので、そこはこれまでの自分と変わらない、特別なものは感じなかったという所はあります。
Q:1試合なくなって、今月の強化試合は1試合ということで、来月再来月とありますけど、攻撃陣はかなり結果を出されたと思いますが、あえて課題を挙げるとしたらどんな所になるでしょうか?
A:課題は攻撃陣にしては、もっと点を取れるだけのチャンスは創っていたと思うので、そこはさらに決定力を上げるというのと、チャンスをもっとチームとして共有して、プレーできることをやっていかなければいけないと思います。守備の部分でも、今日選手たちに要求していたこと、そして選手たちがやらなければいけないと思って臨んでくれたこと、先ほど戦う部分を言いましたけど、粘り強く戦い抜くという部分、無失点で抑えて、相手の攻撃を抑えた部分は非常によくやってくれたというふうに思いますが、先ほどの得点と同じで、相手にチャンスがゼロだった訳ではないので、より我々にとってのピンチを減らすこと、相手にとってチャンスを少しでも与えないということは、さらに上げていかなければいけないと思います。すべてを上げていかなければいけないと思います。
Q:攻撃面で非常に意欲的に攻めるというか、ドリブルでもパスでも意欲があったと思うんですけど、その中でも中島翔哉くんや南野(拓実)くんが特にそういうものを出していたと思うんですけども、彼らのような新しい力がこれから代表を作っていく上で、どういうものをもたらしてくれていると、今評価されていますか?
A:先ほども言いましたけど、選手たちにはさらに多くの経験を積み上げてもらって、個として少しでも大きく成長して欲しいというふうに思います。今、2人の選手の名前が出ましたけど、2人の選手だけではなくて、チーム全体としてアグレッシブに戦うこともできていたというふうに思いますし、攻撃の選手が攻撃できるということは、守備の選手が頑張って、そこから攻撃の選手に繋げていっている所があってのことだと思いますし、今日選手たちにも話しましたけど、自分の良さを最大限に発揮して欲しいということは選手たちに話しましたけど、それと同時に自分の良さを発揮する、生かすためには、周りを生かしていくということ、周りと支え合って、繋がり合ってプレーすることが自分の良さも出せるでのはないのかなということは選手に話して、そこを選手たちが実践してくれたことは、監督として幸いなことだと思います。
以上です。
土屋
J SPORTS フットボール公式Twitterをフォローしてフットボールの最新情報をチェック!