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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2018年07月17日

T1リーグ2018第9節 東京武蔵野シティFC U-18×関東第一@横河電機G

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DSC_1109.JPG勝ち点10の7位と勝ち点8の9位が、ここからの浮上を期して激突するサタデーナイトマッチ。東京武蔵野シティFC U-18と関東第一の一戦は横河電機グラウンドです。
クラブユース選手権の関東予選は浦和ユースと好ゲームを演じながら、0-1で惜敗を喫すると、続く東京ヴェルディユースには完敗を突き付けられ、夏の全国には一歩届かなかった東京武蔵野シティFC U-18。「クラブユースで一区切り付いた時に、3-4-3の一辺倒じゃない所で、夏場も含めて自分たちでゲームを意図的に停滞させる意味で、4-4-2を採り入れたりしてきた」とは杉浦史浩監督。再開後のT1では国士舘に1-1で引き分け、帝京に3-1と勝利を収めて、勝ち点4をきっちり上積み。「今年はプリンス昇格を目標にしているので、ここから負けなしで行くという所はチーム全体で意識している所」とキャプテンの小川開世(3年・横河武蔵野FC JY)が話したように、負けられない90分間に向かいます。
新チーム初のトーナメントとなる関東大会予選で連覇を達成すると、迎えたインターハイ予選でも成立学園、東京朝鮮を相次いで下して、4年連続となる全国切符を掴み取り、さらに決勝でも國學院久我山に3-2で競り勝って、都内のトーナメントは7大会連続で頂点に立ちつつ、連勝も29まで伸ばしてきた関東第一。8月上旬に開幕するインターハイの本大会に向けて、「今まで最高がベスト4なので、それは越えたいですし、あとは3年連続で市船に負けているので、次は絶対に負けられないです」と意気込むのはキャプテンマークを託された関口聖人(3年・フレンドリー)。リーグ戦では都立東久留米総合戦、駒澤大学高戦とスコアレスドローが続いているだけに、きっちり白星を引き寄せたいゲームへ臨みます。会場の横河電機グラウンドは、気温こそ下がったものの高い湿気は変わらず。楽しみなナイトゲームは19時ジャストにキックオフされました。


ファーストチャンスは5分の武蔵野。右からレフティの藤岡聡志(3年・横河武蔵野FC JY)が蹴ったCKへ、ファーに突っ込んだ高橋理人(3年・横河武蔵野FC JY)はわずかに届かなかったものの、まずはセットプレーから惜しいシーンを。11分は関東第一にチャンス。鹿又翼(1年・東急SレイエスFC)がシンプルに付けたパスから、ドリブルで中へ切れ込んだ佐藤誠也(2年・VIVAIO船橋)のシュートはDFに当たって枠の左へ逸れ、10番を背負う小関陽星(3年・町田JFC)が入れたCKを、貝瀬敦(2年・田口FA)はシュートまで持ち込めませんでしたが、お互いに相手ゴール前を窺います。
ただ、徐々にピッチ上で表出してきたのは武蔵野の「両ウイングバックを裏に走らせたいという狙い」(高橋)。「相手は最初からあまり掛けてこなかったので、シャドーの所を1人落として、枚数を増やして繋ぐということを意識してやっていました」と小川も話したボール保持をベースに、右から長澤シバタファリ(2年・東京武蔵野シティFC U-15)、牧野晋作(3年・三鷹F.A.)、島田陸大(3年・横河武蔵野FC JY)で組んだ3バックは、対角のサイドチェンジを頻発させ、とりわけ島田のフィードから右ウイングバックの大場小次郎(3年・横河武蔵野FC JY)が走る形は何度も。15分には長澤のサイドチェンジを、走った左ウイングバックの藤岡はダイレクトで折り返し、ここは関東第一のGK出口貴也(2年・葛飾青葉中)にキャッチされましたが、ハイサイドを取り始めた武蔵野が引き寄せるゲームリズム。
19分は武蔵野。右サイドに開いた小川がクロスを放り込み、こぼれに反応したボランチの山登一弥(3年・FC東京U-15むさし)が放ったミドルは、ゴール右へ外れたものの好トライ。24分も武蔵野。左サイドで得たFKを寺本剛瑠(3年・横河武蔵野FC JY)が蹴り込むと、走り込んだ島田がフリーで当てたヘディングは枠の右へ外れ、思わずピッチ内外で数人が頭を抱えるも、続く攻勢。漂うゴールの香り。
スーペルゴラッソはナンバーセブン。26分に「ああいうのが仕事って言えば仕事なので」と笑う高橋が、相手センターバックとの競り合いで獲得したFK。中央やや左、ゴールまで約25mの位置でスポットに立ったのは藤岡。「自分はどっちかと言うと中村俊輔みたいに巻くのが得意なんですけど、『遠い距離から無回転も狙えるようにしたいな』と思って練習していて、ファウルをもらった瞬間から『絶対蹴ってやろう』と思っていた」レフティが左足を振るうと、完璧なまでの無回転で運ばれたボールは、左スミのゴールネットへ突き刺さります。「あれはもう素晴らしいとしか言いようがないですね。驚きました(笑)」と小川が話せば、高橋は「『あそこでファウルもらったオレのおかげっしょ!』みたいな感じで駆け寄りました」と大きな笑顔。「マジで気持ち良かったです。無回転で決めたのは初めてで、自分のできることが増えた日になりました」という藤岡の直接FKで、武蔵野が均衡を破りました。
さて、センターバックの左右を変えつつ、攻守のバランスを整えながらも、ビハインドを追い掛ける展開となった関東第一は、関口、菅原涼太(1年・SCH)、田中大生(2年・横浜FC JY)が後ろでボールを動かすものの、縦へのスイッチを入れるタイミングがマッチせず。39分に左から小関が蹴ったCKも、ストーンの高橋がきっちりクリア。41分には佐藤が貝瀬とのワンツーから右ハイサイドへ侵入し、マイナスに折り返すもDFがクリア。早くもその直後には屋敷蒼(3年・三菱養和調布JY)と長野真大(3年・VIVAIO船橋)を入れ替え、形も少し変更しましたが、前半はそのまま終了。武蔵野が1点をリードしてハーフタイムに入りました。


後半はスタートから武蔵野が1人目の交替として西郷瑛(2年・東京武蔵野シティFC U-15)を投入しましたが、いきなりのビッグチャンスは47分の関東第一。右サイドアタックから貝瀬、横山慎也(2年・ブリオベッカ浦安JY)、小関と細かくボールが回り、佐藤のシュートは右スミを捉えるも、ここは武蔵野のGK渥美拓也(3年・横河武蔵野FC JY)がファインセーブで回避。直後の右CKを佐藤が放り込み、関口のヘディングはDFに当たってゴール左へ外れたものの、関東第一が明らかに踏み込んだ攻撃のアクセル。
54分は関東第一に2人目の交替。加藤陽介(3年・VIVAIO船橋)に替えて、類家暁(1年・東京ベイFC U-15)がピッチへ。56分には長野のパスから、小関が左へ流れながら打ち切ったシュートは渥美がキャッチ。直後の57分は決定的なシーン。佐藤が右サイドへ振り分け、貝瀬のクロスはピンポイントで類家に届くも、少し力んだのかダイレクトボレーはヒットせず、渥美が素早くキャッチ。「しっかり自分たちの流れじゃない所もしっかり認知して、実行するのもサッカーの局面の1つだと思う」とは杉浦監督。問われる武蔵野のゲームコントロール。
60分は武蔵野に2人目の交替。寺本を下げて、長身フォワードの花村勇太朗(3年・VERDY S.S.AJUNT)を送り込み、前線へさらなるパワーを。62分は関東第一に3人目の交替。貝瀬と宮林庸太(3年・FCトリプレッタJY)をスイッチして、中盤にフィルターを掛けつつ、攻撃に掛かる枚数とパワーの担保に着手。64分は武蔵野。相手のゴールキックを小川が頭で絶妙の位置へ跳ね返し、西川陸斗(3年・Forza'02)が抜け出し掛けるも、主審はハンドのジャッジ。66分は絶好の追加点機。大場が右へスルーパスを通すと、抜け出した高橋は「キーパーが出てきたので、ディフェンダーも届かないかなと思って」ループを選択。キーパーを抜いたボールはゴール方向へ弾み込むも、ここはライン上でDFがスーパークリア。「ああやってワンチャンスを決め切る所が課題ですね」とは9番のストライカー。点差を広げられません。
72分は関東第一。佐藤の左CKはDFが丁寧にクリア。直後は関東第一に4人目の交替。佐藤に替えて、古宇田旭(3年・横浜F・マリノスJY追浜)をピッチに解き放ち、最後の勝負へ。73分も関東第一。ルーズボールを回収した鹿又のミドルはゴール左へ逸れるも、1年生が果敢なチャレンジ。76分は武蔵野。藤岡の左FKから、小川のヘディングは出口がキャッチ。「後半は持たれる時間が多かったんですけど、『閉める所を閉めて守ればいいんでしょ』という所は、この1ヶ月間で構築できたのかなという印象はあります」と杉浦監督。点差は1点のままで、ゲームは残り10分間とアディショナルタイムへ。
武蔵野に訪れた再びの追加点機は82分。小川が入れた左CKはファーまで届き、花村が叩いたヘディングは右のゴールポストを直撃するも、デザインされたセットプレーを。85分も武蔵野のCK。ここも小川が左から蹴り入れ、ここもファーで合わせた花村のヘディングは出口ががっちりキャッチ。87分には関東第一も宮林がミドルを狙うも、渥美が確実にキャッチ。アディショナルの掲示は3分。180秒の攻防。勝ち点を巡るガチバトルもまさに最終盤。
そして、追加された3分では双方にシュートは生まれず。90+3分に原川昂大(2年・東京武蔵野シティFC U-15)と筑井諄(3年・横河武蔵野FC JY)を相次いで交替で投入し、ゲームクローズに着手した杉浦監督も「大人な対応を彼らはしてくれていると思うので、欲を言えば『自分たちがボールを持って、崩して』とやりたいですけど、『やれないんだからしょうがない』という所で行くと、それをしっかり理解してくれているのかなと思います」とチームに一定以上の評価を。「去年とか今までの僕たちって終盤でやられてたりしたので、1-0とかで最後まで守り切って勝つという試合は今シーズン増えてきている中で、こういう勝ち方ができるようになったのは大きいと思います」と藤岡も胸を張った武蔵野が勝ち点3を奪い取る結果となりました。


「みんなここのサッカーが好きなんです。ジュニアユースの頃から何百人もセレクションを受けて入ったチームで、そのジュニアユースの3年間もサッカーも充実していたので、僕たちの代は結構多く上がったんですけど、『ユースでもやりたいな』という気持ちはたぶんみんな強かったと思います」(小川)「ジュニアからユースにいるのは僕を含めて4人なんですけど、本当にジュニアユースやユースから入ってきたヤツらも関係なしにみんなスゲー仲良くて、今こうやってみんなとできていて本当に楽しいし、僕たちの中には勉強も頑張る人がいて大変だと思うんですけど、最後までみんなでサッカーして、みんなで卒業したいなと思っています」(藤岡)。もうこのメンバーでサッカーをできる日々は半年余り。「やっぱり彼らのチームへの想いは凄く強いと思います。だからこそ大人たちも、結果を伴わせたいというのは凄くありますから」と杉浦監督。それぞれの集大成へ。武蔵野が挑む最後のチャレンジは、いよいよ第4コーナーへ差し掛かっていきます。        土屋

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