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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
Shonan BMWスタジアム平塚で行われた
2017 明治安田生命J2リーグ第23節の
湘南ベルマーレ×東京ヴェルディは
2-0で湘南が勝ちました。
以下、試合後の記者会見における
湘南・曺貴裁監督のコメントです。
(湘南・曺貴裁監督)
お疲れ様でした。夏の本当にこういう湿気の多い、日本特有と言いますか、この前の大分との試合でもそうでしたけど、技術戦術よりも、まあワールドカップ予選で中東でやる日本代表の試合のその場にいたことはないですけども、最後は足が止まった方が負け、足が止まらなかった方が勝つというような、それだけではないですけど、そういった展開の試合だったかなと思います。最初の10分、15分は少しヴェルディの勢いが出ちゃって、あんまり良くなかったんですけども、選手もヴェルディさんが凄く良いチームなので、それぐらい押し込まれるのは少し想定内の所もあったと思いますし、あそこでバイアが味方のゴールに入れそうになりましたけど(笑)、そういうことも含めて(秋元)陽太が止めたりとか、リズムが崩れなかったことが最後勝ちに繋がったのかなというふうに思います。
全体的にメンバーを固定しないでと言いますか、固定する必要がないから固定していないんですけども、ここまでやってきて、非常に選手たちが自分たちのスタイルを出すことと同じように勝つことを目指しているというのは、監督として非常に嬉しいことですし、僕が監督になった当初はもう「スタイルを出せればいい」と。負けは二の次だというような所がどこかチームの中であって、少しやり切れないとか責任を負えないみたいな選手が多かったですけど、今は逆にそれを負えないとピッチに立てないというような、アントラーズさんほどには全然まだ追い付いていないですけど、そういったメンタリティが徐々に若い選手を含めてできてきたと思いますし、高山(薫)とか(菊地)俊介とか(藤田)征也とか、今まで我々のチームで頑張ってくれた選手がいない中でも、そのスタイルを色褪せるどころか、また次に繋げていってくれるのは、彼らの努力というのは、本当に見えない所も含めて、非常に監督として嬉しく思いますし、6年間監督をやっていて一番選手が大人になってきたなというか、成長してきたなというのを感じる年になっちゃったというか、過去5年何してたんだって言われますけど、何かそういうふうに最近思うことが多いです。
ピッチに入ったら年齢は関係ないですし、経験があるから試合に出られる訳でもないし、経験がないから試合に出られない訳でもないんですけども、ピッチに立つ責任の度合いは間違いなく開幕の時よりも上がっていることは事実であって、そこの責任を負えないと、ただ自分がドリブルしていく、ただ自分がクロスを上げる、の基準だけじゃなかなかピッチに立てないこの選択基準の中で、非常に選手が公平に、僕の選択が納得行かないヤツももちろんいると思いますけども、彼らの中で変な空気を作らずに、出ているヤツをサポートして、出られなかったら次にというような、当たり前のスタンスを当たり前にやってくれているなというのは、この結果に出たのかなというふうに思いますし、選手に本当に助けられたなというふうに思います。
ちょっと秋野(央樹)のことを話したいと思います。央樹はU-17(W杯日本代表)にも選ばれた選手で、(中川)寛斗とか武富(孝介)同様にレイソルから今お借りしている選手です。一度年末に俺が面談した時に一言、「変わりたいんです」というようなことを言っていたんですけど、まあそういう時に「変わりたい」というのは常套文句なので、というふうには僕は思ってないですけど、そういうことが何かどこかで今までの自分のスタイルに戻って、伸び切れない選手も多い中で、アイツがやっぱり後半あそこまで出ていって、あのミドルを決めるというのはおそらく人生で何回かしかない、もしくは初めてだったかもしれないし、でも、それはレイソルの時より成長したというよりは、本人が元々持っていたものだと僕は思うし、元々持っていたものをいかに我々が障害をなくして、元々のものでやらせてあげるというのが非常に大事なんだなと改めて思いましたし、レイソルの時よりもしかしたらパスミスも増えていると思いますし、レイソルの時よりもしかしたら雑な部分が増えているのかなというふうに思いますけど、彼の選手としての成長を見ると、試合に勝ちたいとか相手に負けなくないという気持ちがピッチに落ちるのは、僕は個人的に凄く良いことだと思いますし、寛斗とか武富同様に本当にこのチームを引っ張って成長してもらって、彼だけじゃないんですけども、他の選手も含めて日本のサッカーを引っ張っていけるような、そういう選手になってもらいたいなと今日、今、瞬間に凄く強く思いました。皆さんも変な意味じゃなくて、彼だけじゃなくて我々の選手をまた応援してもらえたらありがたいかなというふうに思います。以上です。
Q:監督のよくおっしゃる「勝負の責任を負うプレー」というのは、具体的にどういったプレーでしょうか?
A:だから前の方に人がいて、そいつにとりあえず蹴っといて、任せたってプレーですよね。僕の中では。例えばボランチでも、クロスに自分の目の前に人が走ってるんだけれども、それはセンターバックに任せたってプレーですよね。だから、やられなければいいということじゃなくて、自分がそれを責任を持ってやる、それはやらせられるという意味じゃなくて、勝ちたいからやるという、勝ちたいから出る行動ってサッカー選手ってそんなに多くなくて、取られたボールを追い掛けるとか、ボールをしっかり前に運んでいくとか、それは負けてもいいと思っていたら、実はスポイルされる一番の要素なんですよ。だから、そこで言うと、そういう所が非常にウチの選手は開幕の時よりも、「自分がチームを勝たせる」という気持ちでやっている選手が増えているかなというふうに思います。ただ、ミスがメッチャ多いので、何とかしてほしいなとも同時に思ってます。
Q:天皇杯でジュビロにやられた影響というのは、控え組主体でしたけど、チームにとっては改めて良い刺激になった部分もあったでしょうか?
A:うーん、まああの日も出ていない選手という言い方が正しいかわからないけど、出た選手は一生懸命頑張っていたと思いますし、全部が悪くなかったし、そういう意味では別にリーグ戦とのパフォーマンスに大きな差があったと、僕は思ってないです。だから正直誰を使おうか迷ったし、何かジュビロに4-1で負けたから、そのメンバーが下でこのメンバーが上とか一切思っていないので。ただ、一瞬隙を与えると枠の中に持ってくる力がJ1の選手にはあるし、逆にこっちが決められないといなされちゃう所はあって、今日はあれ以上のチャンスを創れそうな場面もありましたけど、逆にアンドレバイアが高木善朗の凄いシュートブロックをしましたけど、ああいう所が勝負の際の所に出たというのは、その影響ももちろんありますし、ただ、その影響だからそうなったとは一概には思ってないです。
Q:湘南と福岡が抜けている状態ですが、3位から下は勝ち点9の間に13チームがひしめいていますが、改めて今年のJ2をどのようにご覧になっていますか?
A:正直あまりそんな余裕はないですけど、その順位にそれだけのチームがひしめいていることもあまり見てないですし、選手も同様だと思いますし、今の所の順位が何位だということを気にしてやれるほど、余力が残っているチームではないので。ただ、傾向として開幕の時に比べて、相手チームのやり方によって自分たちのやり方を少し変えていくというか、まあ対策という言葉で言われる、そういう所のチームは当初より増えてきたのかなというふうに思いますし、それで勝ち点を稼げばそれはそれでいいんだと思いますし、ただ、本当に相手チームの対策をすることがそのチームの5試合後、10試合後、もしくは1年後、2年後、10年後にいいのかどうかというのを少し、それが2割かもしれないし、5割かもしれないし、8割かもしれないですけども、監督の立場としてはやっぱりそのクラブの責任を任されている以上、そういう所も含んで指揮を執るべきだと、僕は個人的にですよ、それが全部だとは言わないですし、個人的にですけど思っているので、どのチームもどこが勝つかわからない、そういうリーグであることは間違いないと思います。
ただ、それはブンデスリーガの2部も、リーガもプレミアもどこが勝つかわからないリーグなので、日本のJリーグだけが突出して拮抗しているという訳ではなくて、もっともっと日本の良い選手がJ2でも、J2は激しくて拮抗しているから、若い時にここでやりたいと思うようなリーグにしていかないといけないですし、みんなちょっと活躍すると海外に行って、海外でやりたいという選手がほとんどとは言わないけど、そういったリーグのコンペティションの感じに、やっぱり我々のチームとして少しは寄与したいというか、少しはそういう人の興味を惹きたいと思ってやってはいます。ただ、それが正しいかどうかとか、僕の考えが合っているかどうかは皆さんが判断してもらえればいい話で、このリーグ自体のコンペティションの感じ、今日のゲームは西村(雄一主審)さんにさっき言ったんですけど、レフェリングも良かったし、非常にゲームが止まることなく、お互いに行き来しながらというと、見ている人も息する暇もないというか、そういったゲームだったと思うので、最後2-0でもウチがプレスに行って、相手はボールを回そうとしている典型的な試合でしたけど、そういうコンペティションが増えれば、全体的にいいのかなと個人的には思っています。
Q:秋野選手のゴールにボールを落としたのは石川(俊輝)選手で、走り負けないという意味ではあの時間帯にボランチ2枚があそこでゴールに絡んだのも素晴らしいと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか?
A:うーん、そもそもサッカーを始めた時に、ボランチとかセンターフォワードとかディフェンスって決めたのは誰かって話も1つありますよね。「俺はディフェンスだから上がらなくていい」「俺はフォワードだから守備しなくていい」は誰が決めたんだっていう所で言うと、ボランチ2枚が上がっちゃいけない、もちろん原理原則はあるけど、ボランチが上がったのなら他のサイドのヤツが埋めればいいだけで、「2枚上がるな」とも「2枚上がれ」とも僕は言っていなくて。ただ、あそこで言うと俺は俊輝にはシュートを打ってほしいなと。「そんなお人好しみたいなセットアップするなよ」と思って、入れたから「まあいいか」と思いましたけど(笑)、でも僕は個人的には俊輝にドリブルで入っていってほしい気持ちもありました。って言ったらちょっと欲張りなんでやめておきます。央樹に「おめでとう」と言ってあげてください。
以上です。
土屋
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