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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
J1-2nd第15節
名古屋グランパス×ジュビロ磐田@豊田スタジアム
解説:玉乃淳 実況:下田恒幸 インタビュアー:中田浩光
【名古屋グランパス ボスコ・ジュロヴスキー監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:まず今日のゲームの90分を振り返っていただけますか?
A:今日は全体的に良いプレーだったと思います。ピッチがちょっと悪かったですけど、我々は今日の試合は引き分けということで、どちらのチームにとってもある程度は良かったんじゃないかと思います。以前の勝ち切れるような試合が今日はできなかったのですが、総じて言えば勝ち点1を取れたということは、概ね良かったのではないかなと思います。
Q:今日の先制点はシモビッチ選手のPKでしたが、前半は特に動きが良かったように見えました。監督の目にはどのように映っていたでしょうか?
A:前半の最後の所でシモビッチ選手がゴールを決めた所は良かったと思います。後半も同じ感じで行こうとしたんですけど、なかなかうまく回らなかったですね。本当に負けなくて良かったという部分があるんですよね。我々としても勝てれば良かったんですけど、もしかしたら負けていたかもしれないので、そういう部分で考えれば勝ち点1というものは良かったのではないかなと思います。
Q:もう1つ攻撃の所で話を聞きたいのですが、この所はリーグ戦3試合で8点取っていて、6人の選手がゴールを決めているんですけど、色々なパターンで色々な選手がゴールを取れている、このあたりの要因や秘訣を教えていただけますか?
A:たくさんの選手が色々な形から取れているということは、とても良いことだと思うんですよね。チームとして戦っていますから。我々としてもここ最後の2試合ですけど、神戸戦と湘南戦はしっかりと力を尽くして戦いたいと思います。今は苦しい状況が続いていますけど、今の我々ができる全てを出し切って、我々のできるプレーをしていますので、最後まで続けていきたいです。今日は本当に負けないで良かったという部分もあります。ここ最近の試合では負けていない部分もありますから、この勢いを最後まで続けていきたいと思います。
Q:今監督から「勢い」という言葉がありましたが、監督としては残り2試合で一番何を大切に戦っていこうと考えてらっしゃいますか?
A:最後まで苦しい状況ですけど、我々としても我々の方法で続けていきたいと思います。最後の本当の最終戦が我々の命運を分けると思いますし、このままの勢いでずっと続けて、J1に残りたいと思っています。
【ジュビロ磐田 名波浩監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:アウェイに乗り込んでの大一番は、追い付いての勝ち点1となりました。まず今日の90分を振り返っていただけますか?
A:立ち上がりから守備のブロック、それからボールアプローチの連動とか、非常に良い守備を構築していたので、そこまで危険なシーンもなかったなという所でPKで不運な失点で、しかも前半の終盤ということで嫌な時間帯にやられたんですけど、まだ何も決まっていないし、後半は追い付いたら逆転できるだけの勢いを持てると思っていましたし、前節で名古屋が大勝したゲームというのはやっぱり2点目が勝負を決めたと思うので、まず2点目をやられないということを、強い気持ちを持ってやって行こうと送り出した所、立ち上がりで点が取れて、そこからは我々のリズム、ペースでずっとゲームができたんじゃないかなと思っています。
Q:特に追い付いてからのゲームの進め方というのは、勝ち点3を取りに行ったのか、それともここは勝ち点1を持って帰ろうという所だったのか、監督の頭の中はどういうことがウェイトを占めていましたか?
A:ホワイトボードには「0か3か」ということを書いて、春先から自分たちがそれを目指してやってきて、勝ち点を積み上げていたので、アウェイだろうが相手の調子が良かろうが関係なく、3ポイントを目指そうという中で同点ゴールが入って、その後も優勢にゲームを進められましたけど、これでワンピンチで失点してしまうのはもったいないゲームだと思ったので、最後の方は選手とも話しながら、交替選手の意図を感じながら選手がやってくれたんじゃないかなと。1ポイントでも良しとしなくてはいけないゲームだと思います。
Q:そういった意味ではゲーム終盤で足が攣る選手が多く見られました。本当に気持ちのこもったゲームだったと監督の目にも映りましたでしょうか?
A:ウチの選手は別に足を攣っていないので(笑) 向こうの選手は何人か傷んだと思うんですけど、ウチの選手は十分に90分走れていたのではないかなと思います。
Q:大井選手が戻ってきましたが、今日の働きぶりはいかがでしたか?
A:名古屋には闘莉王がいて、「闘莉王は個人で勝ち点10を持っている」と僕は常々言っているんですけど、ウチには勝ち点10とはちょっと言えないまでも、大井も勝ち点を持っている選手だと思っているので、そういう意味では今日の復帰は非常に心強かったですし、空中戦もカバーリングももちろんそうですけど、奪った後のファーストプレーであったりクリアの質というのも非常に良くて、良い出来だったと思います。
Q:今日勝ち点1をプラスして、残りは2試合ということになりました。次節は今シーズン最後のホームゲームで浦和戦ということになります。次に向けて一言下さい。
A:浦和というチームはカップ戦も勝って、年間チャンピオンも狙っているチームだと思うので、非常に難しいゲームになると思うんですけど、特に今日の後半のように自信を持って、連動しながらチームのためだけに働いてくれれば、良い結果が出ると思います。
【玉乃淳氏のレビュー】
(名古屋)
闘莉王が耳打ちしていったFKは面白かったですね。
「ああ、こういうことを狙っていたのね」と。
おそらく練習でやっていないとアレはできないと思います。
ヘディングの強さで言ったらシモビッチより闘莉王なんですね。
シモビッチも自分で創ったチャンスでPKをモノにして
自ら蹴るというのは、勇気と日頃の行いの良さがないと
恵まれないようなシーンでしたからね。
田口のヘディングは本来精神的に余裕があれば
止めてというシーンでしたけど
後半の名古屋はクリアも目立ちましたし
プレッシャーを感じて自らを追い込んでしまっている感がありました、
後半に体力が落ちたのがちょっと不思議でした。
交替選手というよりもチーム全体のパワーが
明らかに減ってしまっていたので
交替した彼らがどうこうと言うのは難しいくらい
チーム全体が落ちてしまいましたよね。
新監督を迎え、闘莉王が活躍していたここ最近はなかったことなので
この長い中断期間がどうだったのかというのは
もしかしたら検証する必要があるかもしれませんね。
明らかに後半は運動量が落ち過ぎたので
前半のプレーを続けることができたら
どこが相手でも間違いなく勝てるチームだなと思いましたから。
コンディション調整の所で何かがあったのでしょうか。
(磐田)
ジェイのゴールも難しくてハイレベルなシュートでしたから
気持ちも技術もないとあそこにボールは運べないですし
何よりもアダイウトンとジェイの気持ちの入り方は
「これぞ助っ人外国人」というパワーや
"やってやるぞ感"がありましたね。
前節のこともありますし、同点になった時に
少し慎重にゲームを進めていくかと思ったんですけど
人数を掛けて攻めに行っていましたからね。
アダイウトンを替えてからはもちろん少し選手にメッセージを与えて
引き分けでも良し、負けずにできれば勝つということも伝えていましたし
80分まで勝ち点0か3という想いで
監督と選手間で信頼し合いながら戦うことができていたので
名古屋の選手たちの消耗はハンパではなかったですよね。
ジェイとアダイウトンを下げたことで「負けるな」という
強烈なメッセージが伝わったんじゃないかなと思います。
大井は「勝ち点を持っている選手」という表現が
そのまま当てはまるかのように
今日の勝ち点に閉める非常に大きいんじゃないかというぐらい
体も張っていましたし、頭も使っていましたし
すべて出し切ったんじゃないですかね。
【Jリーグブログ的データ】
J1-2nd第15節@豊田スタジアム
名古屋グランパス 1-1 ジュビロ磐田
入場者数:30,282人 天候:曇、無風
気温:24.0度 湿度:51%
主審:佐藤隆治
副審:聳城巧、権田智久
第4の審判員:岡宏道
《得点者》
<名古屋>
44'シモビッチ⑩(PK)
<磐田>
47'ジェイ⑭
《選手寸評》
(名古屋)
GK楢崎正剛
他に決定機はほとんどなかっただけに失点シーンを誰よりも悔やんでいるはず。
DF矢野貴章
アダイウトンとの丁々発止は今日のハイライトの1つ。託されたタスクは完遂した
DF竹内彬
失点時の対応は責められない。ジェイVS闘莉王後のリスク管理は徹底されていた
DF田中マルクス闘莉王
ジェイとの競り合いはほぼフィフティ。決定的なヘディングはカミンスキーに阻まれた
DF磯村亮太
思い切ったオーバーラップがPK獲得に直結。慣れない左SBでも存在感を放つ
(→69' DF古林将太)
リズムの良くない時間帯での投入ということもあってほとんど守備一辺倒に
MFイ・スンヒ
後半は前と後ろが開いてしまったことで前半ほど相手に食い付けなくなった
MFハ・デソン
彼でボールが落ち着くことが前半の好リズムの一因に。最後は足が攣って交替
(→79' MF明神智和)
難しい局面での投入も、勘所を押さえつつ勝ち点1の獲得にきっちり貢献
MF田口泰士
圧巻の配球力で流れを創るも、不思議と集まってきた決定機は生かせず
FW小川佳純
ポイントで巧みに顔を出していたが、後半は消えてしまい最初の交替に
(→67' FW松田力)
彼の推進力やシュート意欲を打ち出せるような展開ではなかった
FWシモビッチ⑩
前半は抜群の収まりにPKも沈めたが、後半はサポートもなく孤立してしまった
FW永井謙佑
失点に繋がったパスミスも含めてなかなか流れに乗れない90分間を過ごす
《選手寸評》
(磐田)
GKカミンスキー
枠内シュートはことごとく弾き出し、PKも触っていた。まさに守護神の名がふさわしい
DF山本康裕
PKの判定自体は不運。対面の永井には粘り強い対応で仕事をさせず
DF藤田義明
PKのシーンはシモビッチに振り切られたが、後半はきっちり封じ込めてやり返す
DF大井健太郎
際どい局面にことごとく現れては潰し切る。指揮官も「勝ち点を持っている」と絶賛
DF中村太亮
守備での奮闘を差し引いても攻撃面での関与の少なさは物足りない
MF宮崎智彦
失点直後のピンチで彼の体を張ったプレーがなければおそらく勝ち点は得られなかった
(→70' MF松浦拓弥)
フィニッシュへの意欲は見せるも、ジョーカー起用ならもう少し精度を伴わせたい
MF上田康太
戦う姿勢を普段以上に前面へ。鬼気迫るプレーに7番を背負うキャプテンの意地を見た
MF太田吉彰
同点弾に繋がったシーンを含め、ほとんど独力突破を強いられる中で獅子奮迅の活躍
MF川辺駿
ボールを引き出す動きは十分も、トップ下起用時には目に見える結果を残したい
MFアダイウトン
矢野との1対1に苦しみながらも、チームの推進力を一手に担って走り切った
(→79' FW齊藤和樹)
攻守両面でのハードワークを買われての起用もJ1初ゴールが欲しい所
FWジェイ
低調だった前半とは一転して、同点弾以降は見違えるように前線で機能し続けた
(→90' FW森島康仁)
得点より前からのプレスを期待されての投入という役割は果たした印象
再放送スケジュールは
10月23日(日)午前10:30~午後0:45 J SPORTS 3
10月28日(金)深夜2:30~深夜4:45 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!
土屋
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