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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2016年08月29日

天皇杯1回戦 グルージャ盛岡×早稲田大学 試合後の盛岡・神川明彦監督会見コメント

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岩手県営運動公園陸上競技場で行われた
第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会1回戦の
グルージャ盛岡×早稲田大学は
4-0で盛岡が勝ちました。
以下、試合後の記者会見における
盛岡・神川明彦監督のコメントです。


(盛岡・神川明彦監督)
改めましてこんにちは。グルージャ盛岡の監督の神川です。いつもお世話になっております。まずは今日本当に晴天に恵まれて、非常に良い環境の中で天皇杯1回戦を戦わせていただいたことを、岩手県サッカー協会を始めとした関係者の方々、そして熱い応援を繰り広げてくれた早稲田サポーター、そして本当にいつも我々の拠り所となっているグルージャのサポーター・ファミリーの皆さまに深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。今日の試合の焦点は、とにかく早稲田さんの速い攻撃ですね。それに対してどちらかというとJ3というのは展開があまり速くないと。そういう速い展開に慣れていないグルージャが、その速い展開に対して早く慣れて、しっかり守備ができて、自分たちの攻撃の時間をいかに早くテンポを創り出せるかという所がポイントだという風に考えていました。あとはセットプレーの所は、J3で揉まれている分、一日の長があるのかなというのが、早稲田さんの映像を見ている中で垣間見えたので、拮抗した勝負の中でセットプレーが分かれ目になるのかなと、そういうような想定でゲームに入りました。たまたまそのセットプレーで、風も手伝ったんでしょう。うまい具合に入った、あの早い時間帯での1点が今日の試合を大きく左右したのかなという風に思っています。その後、早稲田さんのお株を奪うような、ウチもロングボール主体の攻撃のサッカーにしたんですけど、あれに関しては試合前にウォーミングアップで高崎ヘッドコーチが、今日のピッチコンディションや色々なことを考えた時に、「繋ぐサッカーだとハマってしまうだろう」と。「早稲田のリズムになってしまうだろう」ということで、急遽「もう今日はロングボール主体」で、少しリスクを冒さないサッカーを立ち上がりはやった方が良いという指示もありましたし、私もそういうミーティングをしていたので、そういう所で選手が割り切ってサッカーをやってくれたことがうまく機能したのかなと。後半は割と相手の間が空いてきてからは、本来の自分たちのパスワークという所も十分見せることができたと思いますし、そういった中から4点目も取れたので、次のラウンドに進むに当たって自分たちのサッカーも少しずつ披露しながら勝てたということが、今日の大きな収穫だと思っています。ただ、皆さんに誤解していただきたくないのは、たまたま今日は4-0というスコアになりましたけど、決して大学のチームに力がないのではなくて、彼ら早稲田は色々なタイトなスケジュールを縫って、この天皇杯に乗り込んできたと。ホームで戦えたという利がこちらの方にあって、たまたまこういうスコアになっただけで、力関係的に言えば僕は早稲田さんの方が個の力もあったんじゃないかなと。本当に運が凄く味方してくれたんじゃないかなと。あとは選手の本当に勝ちたい気持ちが全面に出た、それがこういう形になっただけだと、驕ることなく謙虚にしっかり受け止めて、次のJ1の仙台、本当にこんなことを言ったらアレですけど、僕も夢にまで見たJ1の仙台とのユアテックスタジアムでのゲームができますからね。実は昨日J1の仙台対広島も私は見に行ってきました。「来週このピッチに僕らがいられたらいいな」と思いながら、仙台の選手には教え子が3人いるものですから、関憲太郎、三田啓貴、差波優人は昨日ベンチからも外れてしまいましたけど、ピッチ上ではバックアッパーとしていたので、3人の姿を見ることができましたし、彼らと真剣勝負の場でぶつかれる舞台に立ちたいなという想いで昨日帰ってきたので、そういった舞台を踏ませてくれた選手たちに本当に感謝、感謝、そういった気持ちです。この1週間は最高の準備をして、仙台に勝つということを目標にこの天皇杯は臨んでいますので、勝つための準備をして挑みたいという風に考えています。ちょっと長くなりました。ありがとうございました。以上です。


Q:先ほどロングボールという話がありましたが、あれはトーナメントだからということではなくて、あくまで今日のピッチを考えた上での判断でしょうか?


A:はい。あとは早稲田のサッカーのスタイルですね。相手は前でボールを取りたいので、おそらく我々を分析して、前から前から来るだろうと。その裏をかくような形で少しロングボールを主体で、特に3番の熊本選手の背後を取っていこうと。そのへんの所は、実は明治大学の栗田監督からも「早稲田は背後にはちょっと弱みがある」ということも情報として聞きましたし、今回はあっちこっちから物凄い情報量を僕は集めました。かなり色々な人の証言、鈴木政一監督(日本体育大)だったり、中京大学の朝倉監督だったり、仙台大学の吉井監督だったり、色々な人の証言を得て、「早稲田に勝つにはどうやって戦えば勝てるか」という所の1つに、背後を突くということがあったので、そこを選手が本当に徹頭徹尾、最後の時間帯までやり抜いてくれたので感謝しています。


Q:前半右サイドに偏っていたのは、チームの狙いとしてあったのでしょうか?


A:そうですね。3番の選手の動きにヘッドコーチは目を付けて、「割とあそこだったら狙えるんじゃないか」と。しかも谷口が割と戦えていたので、あそこが1つポイントだったんじゃないかと。そのことによって、ちょっと相手の重心が左寄り、こっちの右寄りに掛かってきた部分に2点目がうまい具合に発生したんじゃないかなと分析しています。


Q:次戦の相手のベガルタ仙台は、これまでグルージャ盛岡が戦ってきた相手の中でもかつてない戦力を誇る対戦相手だと思いますが、どういうような戦いを展開したと思いますか?


A:僕も明治の時に2007年、2009年と2014年に東京都の代表になって天皇杯に出て、J1、J2、J3と一通り勝ってきたんですけど、ハッキリ言って向かって行く方が楽なんですよ。今日とか先週とかこっちは苦しくて苦しくて。僕だけかもしれませんけど、僕も本当に心労がたたりそうなくらい神経を使ってやってきたので、逆に今回は僕も楽しみたいなと。選手たちが思い切ってぶつかっていく姿を楽しみたいなと思っていますし、もうこうやって戦ってくると選手が自動的にノッてくるというか、今までの経験上でも自分たちのサッカーを展開してくれるはずなので、やっとそこまでチームを持ってくることができたというか、彼らがそういう状況を創り出したと思うので、本当に僕はなるべく選手の邪魔をしないように、適切に今までの経験を含めて彼らに物事を伝えたいとは思いますけど、本当に彼らの邪魔はしたくないなと。彼らが今成長過程にある所を後押しするような立ち位置をしっかり取りたいなという風に今は考えています。思いっきりグルージャスタイルを貫徹しますから、楽しみにして下さい。


Q:ピンチの場面で粘り強い守備が光っていましたが、そのあたりは監督から見てどのように感じられましたか?


A:勝ちたいのだったら当たり前ですからね。簡単に失点しているチームが勝てるほど今のサッカーって甘くないですし、世界中を見ても上には行けないので、今ディフェンスがどれくらい重要かというのは、この間のオリンピックでも証明されていると思うんですよね。そういう意味でグルージャって今も緩さはあると思っていますし、なかなか消し切れない垢みたいな、蔓延った垢みたいなものはまだ取れないでいますけど、こういう試合を通して選手たちが何か身に着けて学んで、これからの練習にさらに繋げていってくれたらいいんじゃないかなと。ですので、今日は守備に関しては一歩前進だったかなと。この間みたいにあんなイージーなミスで失点することもなかったですし、鳥取の時も凄くイージーなミスで失点して、2試合連続でイージーな失点をしていましたので、そこだけは今日はなくそうということで入って、最後まで集中してよくやったんじゃないですかね。鈴木もあわやゴールという所を掻き出してくれたり、やっぱり本当に集中しないとああいうプレーは出てこないので、良かったんじゃないかなと。これを是非もう今日が最低ラインになるように、ますます彼らは自信を付けてやってもらいたいです。


Q:今日2得点の安楽選手は県決勝でも先制点を取るなど最近活躍していますが、安楽選手は最近どんな存在でしょうか?


A:元々彼は1月に入ってきた時から明るくて、チームのムードメーカーで高崎コーチからどんな厳しいことを言われようが、何回言われようが全部ポジティブに受け止めて、すべて返していたんですよ。ただ、精神的な部分なのか肉体的な部分なのか、ちょっとお休みする必要があった時期が正直あったんですけど、それを経て戻ってきてからは本来の彼らしい、僕が東海学園大時代に見ていた彼に戻ってくれたなと。本当に肩の力が抜けましたし、本来の彼の力が出始めたなと思っていたので、あんなに早くチームにフィットして、これだけ早くチームに大きく貢献するような活躍をするとは思っていませんでしたけど、本当に彼の色々なサッカーに対する想いとか、そういった所が表現できた先週と今週だったんじゃないかなと。彼には本当に感謝しかないです。


Q:先ほどもおっしゃっていましたが、次に教え子たちと対戦するということへの気持ちと、昨日はお話しとかされたんですか?


A:いえ、できなかったです。LINEでチョコチョコっとやり取りはしまして、「昨日は残念だったね」と。「僕らも何とか仙台と戦えるように明日頑張るよ」と。それに対して差波は丁寧な「カミさんの姿を見たい」みたいな返信をくれたので嬉しいですよね。でも、この巡り合わせは凄いんですよ。GKの関憲太郎は2007年に京都サンガに勝って、明治が初めてJクラブに勝った時のGKで、清水エスパルスと延長PKまで戦った時のGKなんですよ。2009年にグルージャに勝った湘南ベルマーレに、2回戦で決勝ゴールを決めたのが三田ですし、モンテディオ山形に3回戦で勝った時の先制ゴールを決めたのも三田なんですよ。2014年のちょうど夏ぐらいに、J3の1位を快走していた町田ゼルビアと東京都予選の準決勝でぶつかって、我々が3-0で粉砕した時のボランチが差波だったんですよ。なので僕らがJ1、J2、J3にそれぞれ勝った時にいた選手たちが来週当たる仙台にいるという、これは何か出来過ぎじゃないかと。だから「早稲田じゃないだろう」「オレたちだろう」と勝手に思っていたので、それを実現してくれた選手たちには感謝、感謝で、それを選手には言っていませんが、僕の心の中では凄く嬉しいです。彼らとそういう形で相まみえるチャンスがある天皇杯というのは素晴らしい大会ですし、本当に僕は恵まれているなとこの瞬間思っています。


Q:八角選手の起用は早稲田が相手ということもあったのでしょうか?


A:2つあって、実は先週の岩手大戦から僕は使おうと思っていたんです。森との競争のさなかに入れちゃおうと思って。そうしたら「7月から来た3人は登録できていない」という話になって、「ええ?」ということで、「じゃあ森でそのまま行こう」と。森も全然悪くなかったですけど、今週はもう八角にチャンスを与えて、相手も早稲田ですし、たぶん並々ならぬ意地を持ってやってくれるだろうし、単純にまずそういうのが1つの理由です。2つ目としては単純に相手の相馬君という7番が速くて、あそこがポイントになるので、やっぱり八角の方がスピードに乗った相手との1対1の守備は八角の方に一日の長があるのではないかという分析をしていた中で、森が悪いんじゃなくて、今日の相手を見た時に八角の方がベターであると考えて起用しました。1回クロスを上げられましたよね。あれは本当に怒りました。ちょうどその直後に3点目が入ったので、すぐ呼んで「オマエ使っている意味ないぞ。あんなのあり得ないぞ」というのは言いました。でも、他は良かったんじゃないですか。前半のバックパスミスで引っ掛けられたのと、あの2回ですかね。今日ちょっと「うーん」と思ったのは。あとは非常に良かったと思います。


Q:グルージャにとって久々の天皇杯の勝利だと思いますし、それに加えて先ほどからおっしゃられているように、明治大時代もかなりJリーグのチームを倒されていて、ご自身の天皇杯との相性の良さは感じてらっしゃいますか?


A:いえいえ、たまたまですよ。選手が良いだけです。明治の時は選手に恵まれていましたし、今日も本当に良く選手が頑張ってくれました。僕がクドクドクドクド言うんですよ、ミーティングとかで。そういうのも良く聞いて、忠実に規律を持って戦ってくれたんじゃないですか。選手に感謝、それだけです。たまたまです。ただ、クラブの色々な想いは聞いていたので、そういうのをみんなで実現したというのは、今日も営業の方とかこの長谷川さん(クラブ広報)もそうですけど、みなさんが喜んでくれていますし、仙台とやりたかったというのがあるので、それが実現できた所に僕が居合わせられたというのは幸せです。


以上です。


土屋

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