最近のエントリー
カテゴリー
アーカイブ
このブログについて
J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
J1-2nd第2節
名古屋グランパス×川崎フロンターレ@パロマ瑞穂スタジアム
解説:玉乃淳 実況:八塚浩 インタビュアー:桑原学
【名古屋グランパス 小倉隆史監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:残念ながら敗戦となりましたが、まずは90分を振り返ってお話しいただけますか?
A:川崎相手にホームでしっかりと勝ちを目指しながら、どこまで粘れるかという所でやったのですが結果は完敗ですね。やはり先制点を取られて追い掛ける形というのは、しっかりとボールキープやポゼッションができる川崎相手にはなかなか厳しい展開になったといった所で、本当に力負けですね。
Q:川崎相手に無理に食い付かずにコンパクトにというのは見て取れましたが、守備のポイントはどんな所にあったのでしょうか?
A:そこの中から自分たちで全体で奪いに行く所というのは「もっと行く」という所でしたが、川崎はそこもうまく掻い潜れるだけのオーガナイズもされていますし、技術もあるといった所で、そこで前半は何とか我慢していたのですが、そういった隙の所でしっかり点を決めるフィニッシャーがいるというのは、「やっぱり川崎は強いな」という風に思いました。
Q:今日はハ・デソン選手と扇原選手をスタメンで使いました。まだ加入して間もなかったと思いますが、どんな部分を期待されていたのでしょうか?
A:デソンは技術があるので何回か基点になる所で、もっともっと連携を高める部分で周りを生かしながらといった所が出れば良かったのですが、なかなかできた部分とできなかった部分があると思います。なかなかコンディションも試合をこなしていない所ではキツかったとは思うんですけど。扇原の方は捌きの部分で今までにない大きな展開というのはあったと思うのですが、そこからしっかりフィニッシュまで繋げる形というのはなかなか創れなかったかなという感じですかね。
Q:なかなか結果が出ていない中で選手にもプレッシャーが掛かるかもしれませんが、次までまた間隔が短いですけど、選手にどんな働きかけをされますか?
A:ここまでやられる形というのは本当に悔しいですけど、切り替えてやるしかないので、次の試合はすぐミッドウィークに来ますし、そこは自分たちのやるべきことをしっかりやってといった所になるとは思います。本当にたくさんのサポーターに来てもらったのに本当に申し訳ないですし、そういう試合の中でこんな展開になって、サポーターの皆さんに申し訳ないですね。
Q:最後に次節に向けての抱負を聞かせていただけますか?
A:もう目の前の試合をしっかり勝ちを目指して頑張るしかないので、うまく切り替えて次も頑張りたいと思います。
【川崎フロンターレ 風間八宏監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:素晴らしいゲームだったと思いますが、まずは90分間を振り返ってお話しいただけますか?
A:立ち上がりからうまく入って、徐々に点も積み上げていったという所だと思いますけど、やはり残念なのがあまりにも相手が終わってからのアフターが多いので、それがちょっと残念だったなと。やっぱりそこの所を我々が選手にもっと「回せ」と言うのか、あれをしっかり取ってもらうのか、あるいはそこの所を相手にもしっかりリスペクトしてもらうのか、それをもっとしっかり考えて欲しいなというゲームでしたね。
Q:裏を返すとそれだけ川崎がよくボールを握って、相手をイライラさせるように展開になったという感じでしょうか?
A:プレーが激しいのは全然問題ないんですけど、やっぱり終わってからのプレーが非常に多かったので、そこはやっぱりお互いにしっかり気を付けないといけない所だと思います。自分たちのテンポで今日はボールを持てましたけど、仕留める所はもう少しですし、もう少し早く3点目が取れれば良かったかなという風には思います。
Q:まず相手が少し低めに構えてカウンターという狙いが見て取れたと思うのですが、そういう中で崩しの構築というのはどうご覧になっていましたか?
A:崩せていましたね。シュートまで行っていましたし、崩せていましたので点が入るとは思っていました。相手も前から来るか後ろに引くかどちらかですけど、そこは自分たちのテンポの中にあると思いますし、そういう意味ではもっと崩せていましたので、もう少し点が欲しかったなと思います。
Q:最初のチャレンジで奪われても、すぐに2列目が奪い返すというシーンも多かったと思います。どうしても川崎は攻撃に目が行きがちですけど、守備も素晴らしかったと思いますが、そのあたりはいかがですか?
A:いつも言っている通りに表裏一体なので、攻撃ができればそうできると。今日始まったことではないので、今言われるのが逆に驚きですけどね。
Q:これで直近のリーグ戦7試合中、6試合が無失点ということになります。これは素晴らしい数字だと思いますが?
A:ただ、もっともっとミスをなくせば、もっともっとピンチも減りますし、得点も増えると思いますので、そちらをしっかりやっていきたいと思います。
Q:これで11試合負けなしでクラブ新記録ということになりました。凄い安定感ですね。
A:選手が凄く高いモチベーションでやっていること、集中してやってくれていること、それからサポーターもそれを望んで一緒に戦ってくれていること、これが一番大きいと思います。
Q:今後に向けての抱負を聞かせて下さい。
A:本当に一戦一戦、我々は今日よりも良いゲーム、あるいはもっともっと自分たちが上に上がるように、技術を積み上げていきたいと思います。
【川崎フロンターレ 小林悠インタビュー(試合後・中継内)】
Q:前節に続いて自身のゴールが勝利に繋がりました。今の率直なお気持ちから聞かせて下さい。
A:自分のゴールもそうですけど、チームが勝ったということが一番大事なので、良かったなと思います。
Q:まず相手が少し引いた中での戦いになりましたが、どんなことを心掛けてプレーされていましたか?
A:もう相手がブロックを作って取りに来なかったので、「自分たちが焦れないでやろう」と声を掛けていましたし、1点を取ってからはだいぶスペースもできてきたので、試合運びとしては良かったかなと思います。
Q:展開的には最初のゴールが重要だったと思いますけど、その貴重な先制ゴールを振り返っていただけますか?
A:1回自分がクロスを上げて流れてしまったんですけど、憲剛さんが良いパスをくれたので、あとは決めるだけでした。
Q:そういう二次攻撃からのゴールでしたが、そういう部分で前に人数を掛けられたという所でも、川崎らしいゴールだったんじゃないですか?
A:そうですね。今日は3点ともすべて良い崩しだったと思いますし、素晴らしいゴールだったかなと思います。
Q:今日は前線の選手としては、奪われた後の守備への切り替えも素晴らしかったと思います。そのあたりの意識はいかがでしたか?
A:常にボールを保持していたので、取られてもすぐに取り返す準備は全員がしていましたし、それが凄く効いていたんじゃないかなと思います。
Q:これで年間勝ち点首位をキープすることになりました。改めて今後に向けての抱負を聞かせて下さい。
A:もう1試合1試合勝っていくことだけだと思うので、次の試合に向けてしっかり準備したいと思います。
【玉乃淳氏のレビュー】
(名古屋)
元気の良い時間帯は矢野貴章が必ず絡んでいましたし
やはりシモビッチの所に入った時は迫力がありますよね。
サイドハーフも良く走っているんですよ。
それがゆえに90分間安定した試合を組み立てるのが
難しいんじゃないかなというぐらい
前線の選手は良く走って頑張っていたと思います。
前半は扇原の加入もあってサイドに散らしながら
速攻だけではない新しい形も見られていたので
チーム全体で時間帯の使い分けをすることができれば
面白くなってくるのではないかなと思います。
扇原の展開力は1つの武器になったと思いますし
永井が復帰した場合は両ワイドからの速い攻撃の
ファーストボールになり得ると思うので
扇原の加入というのはどうやって田口やイ・スンヒ、
ハ・デソンと併用していくのかを嬉しい悩みにしたいですよね。
ケガ人の復帰の状況もありますしから難しいですよね。
ポジティブにメンバーを替えていくのであれば
選手に掛かるストレスというのは少ないと思うんですけど
今度は「何で俺じゃないんだ?」とか
「今まで負けていたのは俺のせいだったのか」という状況が
生まれてしまうと負のスパイラルに陥ると思うので
とにかくポジティブに良い所を見つけて伸ばしていって
フォーカスしていくというような持って行き方をしたいですね。
敗戦に関しては最初の失点云々ではない気もしますけどね。
方向性ではないですけど、4-4のブロックを作っても
「絶対失点しないんだ」というゲーム運びでもなかったですし
攻撃になった時には野田、小川、ハ・デソン、シモビッチと
相手のペナに侵入する気概は見せていたじゃないですか。
そうするとやっぱり守備でも攻撃を受けやすくなると。
「どうしたいか」というのを大げさでも良いので打ち出してあげると
もしかしたら選手たちは1つの同じ方向に向かって
走っていけるのではないかなと思います。
「もう2人で攻めてこい。ハ・デソンとシモビッチ行け」と。
「8人で守れ」でも良いかもしれないですし
何か1つのメッセージが欲しかったなと。
負けても良いから全選手がペナの中になだれ込んで
「3点取られても4点取るぞ」なのかどうなのかというのは
今日は上から見ていてちょっとわからなかったので
どっちなのかなという気はしています。
逆に考えればこういう状況でこそ
表情を明るくポジティブに行くべきかなと。
それでもいいんじゃないかと思うぐらい
苦しい状況に置かれていることは間違いないと思います。
良い意味で開き直ることですよね。
次がスタートぐらいの形で行かないと
本当に日程と時間だけが過ぎてしまうので。
(川崎)
今日は完勝でしたね。
申し分のないスタートで凄くサッカーを見るという上で楽しめたんですけど
中村憲剛選手が心配で「大丈夫かな」と。
あれがなければと思いました。
無事であることを祈るばかりです。
こういうゴールラッシュの中でも
攻撃から守備への切り替えという所も確認されていましたし
そこはチームとして徹底してやっているんだなというのが
僕の中でも確信に変わりました。
中村憲剛は再三セットプレーを含めて
合わせるようなボールを蹴っていた感触がある中で
あの先制点のアシストに繋がったと思います。
どれも本当に必然的に生まれた
取るべくして取るべき時間帯に取ったなという気がします。
野田のヘディングに寄せていたのはエドゥアルド・ネットですよね。
アンカーに高さのある選手がいるのは大きいんですよ。
跳ね返せる力がありますからね。
相手のロングボールを1つとっても跳ね返せて
苦しい試合の終盤にも競ってくれるのが大きいのではないかなと。
どうしても中村と大島のコンビだと
最後にパワー負けしてしまうことはどうしてもあるので
創造性あふれる選手たちから守備を軽減してあげたことが
それが今の安定に繋がっているんじゃないかなと思います。
ドイスボランチも無駄な動きがないというか
お互いが動くだけでパスコースを創り、
後ろでボールを回しながらゲームを創ったと思えば
ペナの中に侵入していって、侵入していくことで
小林や中村や大久保がフリーになると。
好循環をこのドイスボランチが間違いなく生んでいましたね。
車屋のアシストに繋がったトラップも良かったですよね。
最初からセンタリングを見せるだけではなくて
中にも行くふりをして、1個角度を創ってからのセンタリングですから。
カラーコーンでやるような練習のパターンを
こうやって実戦でやりますからね。
エウシーニョも走り方1つをとっても好感が持てるというか
「ダイナミックだな」と。手が長いせいかなあ。
【Jリーグブログ的データ】
J1-2nd第2節@パロマ瑞穂スタジアム
名古屋グランパス 0-3 川崎フロンターレ
入場者数:16,780人 天候:曇、無風
気温:26.3度 湿度:67%
主審:扇谷健司
副審:三原純、中野卓
第4の審判員:小屋幸栄
《得点者》
<川崎>
36'小林悠⑧(アシスト:中村憲剛)
53'大久保嘉人⑫(アシスト:車屋紳太郎)
77'中村憲剛⑤(アシスト:エドゥアルド・ネット)
《選手寸評》
(名古屋)
GK楢崎正剛
失点シーンはほとんどノーチャンスも1点目は触っていただけに惜しかった
DF矢野貴章□
高低を使い分けるクロスはチームの数少ない武器。最後まで最も闘っていた
DF大武峻
ラインも上げ切れず地上でも存在感を示せず。ひたすら耐える90分間に
DF竹内彬
小林に競り負け、大久保に前へ入られる。2失点に絡む厳しい90分間に
DF安田理大
先制の場面は完全に裏を取られた。攻撃面でもほとんど流れに顔を出せず
MFイ・スンヒ■
ありえないタックルで一発レッド。数試合の出場停止もやむを得ない
MF扇原貴宏
彼のサイドチェンジは間違いなくチームの新たな武器になる
MF小川佳純
車屋との接触シーンはトラップがハマれば決定機に繋がっていた
MFハ・デソン□
足は落ちたがギャップで受ける感覚を披露。やはり1トップ下が適正か
(→68' FW松田力)
チームの出来もあったが、ジョーカー起用でシュートゼロは寂しい数字
MF野田隆之介
後半は運動量が明らかに低下。前半のヘディングは枠へ収めたかった
(→64' MF和泉竜司)
何かができるゲーム展開ではなかったが、それでもシュートを打たなくては
FWシモビッチ
惜しいボレーを放ったようなシーンをもっとチームとして創らなくてはいけない
(→86' DF古林将太)
むしろシモビッチとのホットラインを見たかった印象
《選手寸評》
(川崎)
GKチョン・ソンリョン
ほとんど守備機会はなし。ハ・デソンの負傷時はいち早く気付く視野の広さも
DFエウシーニョ
先制のシーンはスーパーなスルーパスで相手の組織を破壊した
DF谷口彰悟
矢野のカットインシュートを果敢にブロックしたシーンがこの日のハイライト
DF井川祐輔
シモビッチへの対応も含めて古巣相手にほぼパーフェクトの好パフォーマンス
DF車屋紳太郎
グラウンダーでのアシストは左利きの左サイドバックとして最高のプレー
MF大島僚太
エウシーニョに出したループパスは極上。リオでもこのクオリティを発揮して欲しい
MFエドゥアルド・ネット
3点目のアシストに結び付く飛び出しは彼のプレースタイルの真骨頂
(→90' MF狩野健太)
セットプレーも任されるあたりにキック精度への信頼が滲む
MF小林悠⑧
チャンスに絡む嗅覚は相変わらず。3点目の起点になったプレーも見逃せない
MF大塚翔平
ボールを呼び込む積極性と仕掛ける積極性が高次元で融合している
(→78' DF武岡優斗)
サイドバックでのクローザー起用が勝利の方程式になりつつあるか
MF中村憲剛⑤
ピッチの全域を支配して1ゴール1アシストを記録。ケガだけがとにかく心配
(→86' MF三好康児)
短い時間でもゴールを奪いたい意欲は十分に伝わってきた
FW大久保嘉人⑫
久々に流れの中からゴールを奪う。ここ数試合よりイライラは少なかった
再放送スケジュールは
7月10日(日)午後2:30~深夜4:45 J SPORTS 3
7月12日(火)深夜2:00~深夜4:15 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!
土屋
J SPORTS フットボール公式Twitterをフォローしてフットボールの最新情報をチェック!