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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

マッチレビュー 2016年06月19日

J1-1st第16節 神戸×鹿島マッチレビュー

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J1-1st第16節 
ヴィッセル神戸×鹿島アントラーズ@ノエビアスタジアム神戸
解説:玉乃淳 実況:下田恒幸 インタビュアー:林智美


【ヴィッセル神戸 ネルシーニョ監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:悔しい敗戦となりましたが、この90分を振り返って一言お願いします。


A:前半はウチのやりたいことが攻守に渡って非常にできていて、試合を優位に進められたんですけど、その優位性を数字に変えることができなくて、もっと点を取って折り返したかったのですが、後半は相手がカウンターを中心にしっかりしてきた中で、試合が拮抗した状態になったと思います。全体を見ても非常に競い合ったタフなゲームだったと思います。


Q:特に前半は鹿島の中盤にも仕事をさせずに、神戸の良いシーンもたくさん見られました。手応えも感じられているのではないでしょうか?


A:前半は本当にそうだったと思います。相手にやりたいことをやらせず、常に無効化しながら、カウンターであったり、ウチの時間というのも創れましたし、前半は攻撃のボリュームもゲーム全体の内容も出せたとは思います。前半の22分間で6,7本のCKを得たと思いますし、それぐらい支配できたとは思うんですけど、追加点が取れないという所と、同時に同点を許してしまった、失点してしまったという所でまた試合を振り出しに戻してしまい、相手の攻撃がまた息を吹き返してしまったかなと思います。


Q:後半カードを切った後にポジションチェンジも行われました。一番気になっていた部分というのはどういう所だったのでしょうか?


A:システムとやり方は継続して、特に気になっていた点という訳ではないんですけど、石津を左に入れてみて、同時に千真は守備のタスクのできる選手ですから真ん中に入れて、右にペドロと。攻撃に転じる時にはボールを持てる選手たちなので、それぞれの特徴を生かしたいなと思っていました。


Q:次はファーストステージ最終節で勝利が欲しい所です。最後に意気込みをお願いします。


A:勝つことがいつも毎回の目標ですので、次の試合に向けてもしっかりと良い準備をして、ポジティブな結果を残せるようにしたいと思います。ガンバリマス。


【鹿島アントラーズ 石井正忠監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:見事な逆転勝利でした。まずはこの試合の90分を振り返ってお願いします。


A:前半は少し押し込まれる形から、セットプレーで失点してしまったんですけど、自分たちの戦いがしっかりできれば、必ず逆転できるだろうとは思っていたので、前半の終わり際に得点できて、また後半も振り出しに戻った形から行けるというのは、非常に良かったんじゃないかなと思います。後半はしっかり自分たちで繋いで行こうというのと、あとは守備のセットプレーの所は、神戸さんは得点の中でもセットプレーが多いチームだったので、そのへんはもう1回しっかり警戒しながら対応していこうという話をして、本当に逆転できて良かったと思いますね。


Q:前半の試合中やハーフタイムでも選手たちに「落ち着いて」と伝えられたということですが、やはり気になる部分や選手の様子にいつもと違う部分を感じられた所はありましたか?


A:そうですね。グラウンドがかなりスリッピーだったので、少しボールコントロールの所が落ち着かなくて、そういう点でミスが多かったので、そのへんは「落ち着いて」という話はしました。


Q:そして後半に入って、良い時間帯に遠藤選手の素晴らしいゴールが入りましたね。


A:そうですね。落ち着いて自分たちがボールを保持する時間が長くなれば、チャンスは創れると思っていたので、そのへんは本当に選手が落ち着いてやってくれたなと思います。


Q:これでリーグ戦は5連勝ということで、勢いも付いてきたと思います。負けない強さというのも感じさせてくれますね。


A:そうですね。本当に選手は集中力が高いですし、まずは先を見ずに1試合1試合を勝って、勝ち点3をコツコツ積み重ねていこうということを言っているので、そのへんの意識が選手自身にあるんだなと思います。


Q:非常に痺れる試合となりました。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間は、正直にどんなお気持ちでしたか?


A:本当に嬉しかったですね。今回も前節もそうですけど、アウェイの試合が続いている中、サポーターの方も来てくれていますし、本当にその人たちの後押しがあり、選手が100パーセントの力を出して戦ってくれたなと思って、嬉しさもありましたがホッとしました。


Q:今節をもって暫定首位に立ちました。首位で迎えるファーストステージの最終節はホームでの戦いとなります。優勝への意気込みを聞かせて下さい。


A:自分たちは何試合も前から勝ち点を3つずつ積み重ねて、勝つしかないという気持ちでやってきたので、最後もホームゲームですし、たくさんのファンの皆さんも応援に来てくれると思うので、そこでしっかり勝って優勝したいなと思います。


【鹿島アントラーズ 遠藤康インタビュー(試合後・中継内)】
Q:先制される苦しい展開から見事な逆転勝利となりました。まずはこの試合を振り返って一言お願いします。


A:前半は先制されて苦しい戦いだったんですけど、みんな慌てずに90分間戦い抜こうという意識が強かったので、それが良い結果に繋がったかなと思います。


Q:見事な逆転の決勝ゴールは今シーズンの遠藤選手にとって初ゴールとなりましたが、あのシーンも振り返って下さい。


A:カイオからボールが来ると思っていたので、あとは足が伸びました。


Q:イメージ通りだったんですか?


A:はい。イメージ通りでした。


Q:今日は絶対に勝利が必要な大事な一戦でした。どういう想いでピッチに入られたのでしょうか?


A:優勝も懸かっているということで、ちょっとみんなも動きが硬かったんですけど、結果として勝てたので良かったです。


Q:次のファーストステージ最終節はステージ優勝を懸けた大事な一戦となります。最後に意気込みをお願いします。


A:ホームですし、最後にウチらは勝つしかないので、勝って鹿島サポーターのみんなに優勝を届けたいなと思います。


【玉乃淳氏のレビュー】
(神戸)
神戸が前半の立ち上がりから
かなりパワーを持って攻めたことによって
まず面白い試合になりましたよね。
前半の神戸はどっちが優勝争いをしているか
わからないぐらいの力を見せ付けてくれたので
後半落ちてしまったのは体力的な問題なのか、
ハーフタイムが魔の時間になってしまったのかわからないですけど
そのぐらいこの試合の前半の神戸は強かったですね。
結果的にはまた「ペドロ・ジュニオールに何回決定機ありました?」と。
不思議なチーム、不思議なファーストステージになってしまいましたね。


失点シーンはカイオに対して後半早々にも関わらず
プレスに行けなかったんですよね。
前半はああいうシーンもなかったので。
小林は69分のドリブルシュートを見ただけでも面白いですよね。
だいたいウイングの選手はあのぐらいの時間から
運動量が落ちて足が攣り気味になって
パフォーマンスが落ちるということがあるんですけど
そんなこともなかったですからね。


ペドロ・ジュニオール決める所で決めておけばと思うのか
後半なぜあそこまで落ちてしまったのかという所を考え尽くすのか
ネルシーニョ監督も難しいですよね。
前半のテンポで後半もできないのかなと思ってしまったり
逆に難しいピッチコンディションの中で
前半はなぜあれだけ良いプレーができたのかと思うような
ちょっと不思議なくらい前後半が対照的でした。


前半のテンポで行けるのであれば90分間押し通して良いと思います。
藤田と田中英雄の所を中心にセカンドボールも拾えて持てていたので
決して前への単調なロングボールばかりという訳でもなかったですし
高橋祥平と北本も勇気を持って前にプレスを懸けて
足を出すようなディフェンスまでできていましたからね。
小林も仕掛けて良い所しかない90分でしたから。
なぜ後半であそこまでトーンダウンしてしまったのでしょうか。
決して前半を否定するようなことはしないで欲しいですね。
見ていて楽しかったですし、後半が楽しみになるような前半でしたから。


あとはニウトン選手がどれくらいやってくれるのか。
ネルシーニョ監督は中盤のレギュラーをあえて定めていないじゃないですか。
まったく固定せずにやってきているので
どのタイミングで軸を置くことができるのかも大事かなと。
藤田選手はセットプレーも含めて
90分間出ていると味の出る選手だと思うので。
じゃあどこを変えるのかというのも難しいですけど
早く固めていかないとシーズンも終わってしまいますし
すぐクリスマスがやってきてしまいますからね。


(鹿島)
鹿島の底力も見ることができたので
見応えは十分ありましたね。
色々なことがこの94分間の中で起こりましたので
今日スタジアムに見に来たアントラーズサポーターの方は
是非家に帰ってもう一度見直して
ちょっと時間が経ってからももう一度見直せるような
そんな試合になったんじゃないかなと思っています。


遠藤選手のゴールはおそらくサポーターの中でも
「一番この選手に取って欲しいな」というような中での
難しいゴールでしたね。
遠藤選手はまずボールが収まりますけど
それを当たり前にやるのは難しいことで
どんな状況でもボールの置き所が深いというか飛び込めないんですよね。
それに左足は私のような凡人にはわからないような
独特の空間を持っていますからね。


前半の45分を見た限りはどう転ぶかわからなかったですけど
今日の強さには理由がありましたよね。
調子が悪い中でも当たり前にみんながハードワークして
失点を最少失点に抑えながら、勝機を見い出すための
カイオ、金崎という個があると。
それをサポートするメンバーがしっかりいて
献身的に守備をしながら我慢していた選手が最後に点を取ると。
鹿島の土地柄というか、サッカーに集中できたり何かに没頭できるような
サッカーをする素晴らしい環境があるという所にも
勝つ理由があるんじゃないかと思って見てみて、総括してみました。


次はカイオがいないのはかなり痛手ではありますが
昌子の不在に関しては、ブエノも出番をもらった時には
かなり良いパフォーマンスを見せていたので
もしケガじゃないのならメンバーに入ってくる可能性もありますよね。
「カイオでも早い時間帯で替わっちゃうんだ」というのもありますし、
石井監督の色々な采配の基準というのも
もう少し追ってみないとわからないくらいの奥深さがあるのが
今の鹿島なのかなと思います。


【Jリーグブログ的データ】
J1-1st第16節@ノエビアスタジアム神戸
ヴィッセル神戸 1-2 鹿島アントラーズ

入場者数:18,875人 天候:晴、弱風
気温:25.0度 湿度:68%
主審:扇谷健司
副審:八木あかね、戸田東吾
第4の審判員:大坪博和


《得点者》
<神戸>
22'北本久仁衛①(アシスト:藤田直之)
<鹿島>
45'土居聖真⑤(アシスト:金崎夢生)
50'遠藤康①(アシスト:カイオ)


《選手寸評》
(神戸)
GKキム・スンギュ
失点はどちらもノーチャンス。果敢なセーブも正確なパントもとにかく質が高い
DF高橋峻希
前半からMVP級の上下動で奮闘も終盤はさすがに足が止まってしまった
DF北本久仁衛
あわや1ゴール1アシスト。本職の守備でも水際での安定感は抜群
DF高橋祥平
クサビに対して強く行く姿勢を貫きつつエアバトルでも十分な迫力
DF田中雄大
好リズムだった前半はもっとオーバーラップしても良かったか
(→57' DF相馬崇人)
極上のサイドチェンジも含めて何かをやりそうな雰囲気を放っていた
MF小林成豪
後半に見せた積極的なドリブルシュートをもっと見せて欲しい
(→77' FW石津大介)
投入された時間帯を差し引いても何かができたとは言い難い
MF藤田直之
セットプレーから1アシスト。終盤こそ彼の"手"が必要だったはずだが...
(→83' MF三原雅俊)
バランス向上が投入意図ではあるが、もっと攻撃に打って出たかった
MF田中英雄
終盤まで驚異的な運動量でピッチを駆け回るも結果に結び付かなかった
MF渡邉千真
惜しいFKを放つなどゴールの香りは漂わせたが結果として不発
FWペドロ・ジュニオール
前節とまったく一緒。前半の決定機を彼が決めていれば試合は終わっていた
FWレアンドロ
やや味方にいら立つシーンも多く、後半はなかなか流れに顔を出せず


《選手寸評》
(鹿島)
GK曽ヶ端準
失点以外の枠内シュートへ冷静に対応。特筆すべきは派手さのない安定感
DF西大伍
自陣に押し込まれた前半から一転して、後半は積極的に攻撃へ関与
DF植田直通
失点シーンもその前のCKも完全に北本をフリーにしてしまった
DF昌子源
危ない局面にいちいち顔を出す。出色のパフォーマンスも次節は出場停止に
DF山本脩斗
後半の中盤ぐらいまでは高橋峻と小林の推進力に押し込まれた印象も
MF遠藤康
この大一番で今シーズン初ゴール。"持っている"男ぶりを発揮した
(→80' MF杉本太郎)
鹿島らしい時間の使い方も披露するなど確実に戦力として機能し始めている
MF小笠原満男
勝ち越してから交替するまでの時間帯は抜群の存在感を放った
(→76' MF永木亮太)
小笠原からボランチとキャプテンマークを引き継ぐのは勝利の方程式に
MF柴崎岳
前半は攻守に中途半端も、後半はかなり自身の役割を明確にこなし切った
MFカイオ
前半からのイライラで次節出場停止も貴重な決勝アシストを記録
FW土居聖真
同点弾で低調な前半の停滞感を払拭。ここ数試合は凄みすら感じさせる出来
(→87' MF鈴木優磨)
この時間帯でのクローザー起用に指揮官の信頼が窺える
FW金崎夢生
異議で不必要な警告を受けるも、局面での強さと上手さでチームを牽引


再放送スケジュールは
6月24日(金)深夜0:00~深夜2:15 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!


土屋

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