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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

マッチレビュー 2016年05月21日

J1-1st第13節 鳥栖×大宮マッチレビュー

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J1-1st第13節 
サガン鳥栖×大宮アルディージャ@ベストアメニティスタジアム
解説:玉乃淳 実況:下田恒幸 インタビュアー:森田みき


【サガン鳥栖 マッシモ・フィッカデンティ監督インタビュー(試合後・中継後)】
Q:まずは今日の試合の90分を振り返っていただけますか?


A:オープンな試合になったという部分もあったんですけど、相手の大宮は凄く今良い状態で、順位もそれに反映されている所もあるんですけど、試合の流れとしてはキム・ミヌを早い時間帯でケガによって失ってしまいましたので、チームにとってはメンタル的にも少し響いたと思います。ゲームの内容として完全に悪いゲームという訳ではないですけど、他の試合でも申し上げてきたことというのがまた繰り返されてしまっていますので、何とかしていかないといけないなという所なんですけど、まだ試合直後なので今は自分の気持ちだけを述べるという所だけでとどめさせていただきます。


Q:ハーフタイムの際に「攻撃の時に最後をシンプルに」ということを選手たちに指示されていましたが、改めて攻撃の課題を教えていただけますか?


A:決定力がないという所は本当に常に常に言っている所なんですけど、試合の中でチャンスになるシーン、ゴールシーン、ゴールになってもいいようなシーンというのが全くない訳ではありませんので、その部分は繰り返し言っていますように、変えてはいけない所とクオリティを上げなくてはいけない所というのは、もう今日の試合の結果でやり方を変えなくてはいけないとかではないと思います。ただ、もう12試合を終えてこういう状態ですので、ファーストステージは何とか少しでも良い状態で終えられるように、チームを導いていきたいと思います。


【大宮アルディージャ 渋谷洋樹監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:今日の90分通しての試合を振り返っていただけますか?


A:まずは今日ここの鳥栖さんのホームスタジアムまで、我々大宮のファン・サポーターが300人ほど来ていただいて、勝利を届けられたことを嬉しく思います。本当にいつも応援してくれることにも感謝しています。今日のゲームに関しては、まず相手には豊田選手というストライカーがいるので、そこにロングボールが来たり、そこがターゲットという中でのセカンドボール、またはプレスバックして彼を自由にさせないというのが一番重要だという風に思っていましたし、中央からサイドの起点という所での守備をしっかりやらなくては、勝ちに繋がらないかなと思っていて、まずは前半からそういう意識は全員が高かったかなと思います。ですので、前半は我々がボールを動かしていて失って、ピンチが3,4回ありましたけど、最後に体を張ったり、足を止めないでプレーしていたと。これが前半はゼロに終わった理由かなと思いました。後半は相手もこの暑さの中でやっているので、たぶんボールを動かしていけばチャンスはできるかなと思ったんですけど、後半の最初もずっと相手に押され気味だった時間をしっかり耐えて、何回目かのチャンスでゴールを入れることができました。最後まで選手たちが焦れずにやれたことと、あとはハードワークの部分で最後まで粘り強く戦ってくれたことが結果に繋がったと思います。


Q:前半は鳥栖の方に選手交代に伴うシステム変更がありましたが、そのあたりの対策というのは何かされましたか?


A:いえ、もう鳥栖さんのシステムはあの形というか、一番最初に立った時の形をずっとやってきているので、たぶんケガ人が出たことなのかわからないですけど、キム・ミヌ選手がいなくなったことによって4-4-2にしたと思います。ただ、そこはもう4-4-2のチームとよくやっているのであまり混乱はなく、逆に前半の形のそのままで行った時にどう攻略するかなと考えていたんですけど、キム・ミヌ選手がいなくなって4-4-2だったので、「いつもの対戦相手に対する攻撃の仕方をやろう」と言っていました。


Q:後半はボランチの岩上選手に替えて、攻撃的な江坂選手を投入しました。その意図を教えていただけますか?


A:彼は前線でもしっかり守備をやりますし、家長選手をサイドに置いて、今度はサイドでしっかり基点を創って、そこから少し中央にボールが入って行けばなと思って、少しもう一度サイドからの攻撃を重視しようということと、今度は中央にランニングということを意識してやりました。


Q:江坂選手は監督の期待に応えましたね。


A:そうですね。彼はずっとナビスコでも点を取っていて、リーグでもチャンスはたくさんあったんですけど、たぶん初得点だと思います。それはもう全員がボールを持ってきて、最後に良いボールのクロスを上げて、最後に彼が決着を付けたと。非常にヘディングも上手いですし、しっかりとした彼のプレースタイルが出たんじゃないかなと思います。


Q:そしてもう1人、今日はディフェンスの菊地(光将)選手不在の中で、若手の山越選手を起用されました。評価を教えていただけますか?


A:個人の評価はあまり僕は好きではないんですけど、日本を代表する豊田選手と対峙して、彼自身がどう思ったかだと思います。でも、攻撃の部分ではだいぶボールを失っていたので、そこは彼はもっともっと高めないとそうは簡単には勝たせてもらえないと思いますし、やっぱり彼自身もう少ししっかりとトレーニングの中から高めていって欲しいと思います。ただ、守備の部分ではしっかりやっていたかなと思います。


Q:これからファーストステージも終盤に差し掛かる中で、トップも狙える位置にいると思いますが、監督の意識としてそのあたりはいかがでしょうか?


A:いえ、もう我々は勝ち点は持っていますけど、得失点差とかを色々考えるまだまだですし、我々は昨年をJ2で戦って、その前の年には降格しています。それも私自身は肝に銘じて戦っているので、もちろん勝ち点は絶対に重ねていかないといけないと思っていますし、とにかく目の前の一戦が大事で、やっと初戦、2戦目の連勝以来となる連勝ができたので、次もどんどん連勝して、勝ちを続けていきたいという風に思います。


【大宮アルディージャ 江坂任インタビュー(試合後・中継内)】
Q:まずは勝利の感想からお願いできますか?


A:難しい試合になるというのは予想していたんですけど、1-0で拮抗した試合で、しっかりゼロで抑えて勝てたというのは、チームとして大きかったかなと思います。


Q:江坂選手は途中からの投入となりましたが、どういう想いでピッチに入りましたか?


A:0-0だったので、裏にはスペースがありましたし、「良いクロスも入ってきているな」というのは感じていたので、「そこから自分が点を取れればな」という風に思って入りました。


Q:そして見事に結果を出しましたね。


A:そうですね。1本目も(横谷)繁くんから良いクロスが入って、外れましたけど決めたかったので、2本目も良いクロスが来て、しっかり決められて良かったです。


Q:ナビスコではゴールもありましたが、リーグではJ1初ゴールになるんですよね?


A:そうですね。リーグ戦でも何回かチャンスはあった中で決め切れなかったので、「やっとゴールを決められたな」という印象です。


Q:ゴールは得意のヘディングでした。「もうヘディングで行こう」と思われていたんですか?


A:「クロスからの攻撃がチャンスだな」とは感じていたので、自分の特徴でもあるヘディングという部分でゴールできたというのは、それがJ1初ゴールになったことも大きかったかなと思います。


Q:解説の玉乃さんが「凄くイケメンだ」ということを言われていましたが、ゴールも決めてアピールになりましたね。


A:そうですね。そう言っていただけることは嬉しいことなので、これからもゴールをしっかり取りたいと思います。


Q:今後大宮でどういう仕事をして行きたいと思われますか?


A:こういう風に拮抗した試合で、試合を決められることだったり、勝ちに繋がるゴールやアシストというのをしていくのが自分の仕事だと思うので、そういう部分を大事にしてやっていきたいと思います。


【大宮アルディージャ 山越康平インタビュー(試合後・中継内)】
Q:まずは勝利の感想をいただけますか?


A:そうですね。苦しかったんですけど、上手くチームのみんなで守れて、勝てて良かったです。


Q:今日はリーグ初スタメンでしたが、どういう想いでピッチに入られましたか?


A:初スタメンなんですけど今まで通りに、いつも通りにやっていれば大丈夫だと思っていたので、いつも通りの気持ちで試合に入りました。


Q:実際にプレーしてみていかがでしたか?


A:やっぱりナビスコカップとはまた違った雰囲気というのを味わいました。


Q:今日はご自分のどういう持ち味を出そうと思われていましたか?


A:自分はヘディングが武器なので、ヘディングで相手の選手に勝つことを意識して入りました。


Q:無失点ということでチームの勝利に貢献しましたね。


A:そうですね。そこは良かったんですけど、まだまだビルドアップの所の課題だったりという所が残ったので、これからもっと成長していけたらいいなと思っています。


Q:サポーターの皆さんにメッセージをお願いします。


A:今日もこういう遠くまで応援に来ていただき、ありがとうございます。これからアルディージャを支えられるような選手になれるよう頑張るので、一緒に戦いましょう。ありがとうございました。


【玉乃淳氏のレビュー】
(鳥栖)
得点を今後どう取っていくかというのは少し不安になりましたね。
もちろんサイドからえぐってセンタリングという
チームのコンセプトはあるんでしょうけど
なかなかこれでは確率は上がらないんじゃないかなと不安さえ覚えました。


選択として決定的なパスを豊田に出せるシーンもあったと思うんですけど
あえてサイドからのクロスにこだわった結果
ゴールには至らなかったので
これを続けてやり通すのかというのは気になりますね。


中盤でのプレスは本来鳥栖の
一番のストロングとする部分なんですけど
そこがあまりにも今シーズンは足りていないので
ムルジャに抜け出されるようなシーンが生まれてしまいましたね。
61分のシーンもキム・ミンヒョクのパスミスというよりも
チームとしてどうビルドアップをしていくのかということが
定まっていなかった中で、ああいう危険なシーンになってしまいました。


難しいですね。今後どうしましょうか。
徹底して今の攻撃のスタイルを貫くのか
結果が出ていないが故に何かを変えてくるのか。
これがもし選手を替えるとなると
結構難しいチーム状況に陥る可能性もありますし
どこに問題点の所在があるのかという所を明確にしてあげないと
難しいシーズンになってしまうのかなというのが今日の正直な感想です。


鳥栖は今までどういう風に点を取ってきたのか
思い返して欲しいですね。
どういう風に勝ち点をもぎ取ってきたのかというのを振り返る作業が大事で
おそらくフィッカデンティ監督は今シーズン初めて鳥栖の監督に就任されて
歴史をわかっていないのではないかなと思ってしまうぐらい
良い所がなくなってしまっているという印象があります。
もちろんフィッカデンティ監督が持っているサッカーが
あると思うので、そこへのプラスアルファですよね。
今までの良かった所をなくす必要はないと思います。
歴史を知る必要があるのではないでしょうか。


鳥栖の試合ってゲームがかなり止まるじゃないですか。
それって相手チームからすると凄く嫌なんですよ。
去年まではロングスローもあったりとか
「鳥栖はやりにくいなあ。強いなあ」
「どんどんプレスに来るし、足も出してくるし嫌だなあ」という
その「嫌だなあ」という所をもう1回思い出して
相手に付いていって欲しいなという気持ちはありますね。


福岡戦も浦和戦も、もう挑戦者の形で
1点もぎ取るというような気迫ある鳥栖らしいサッカーで
いつでも強い鳥栖に立ち戻ることはできると思うので
それを願うばかりです。


(大宮)
勝つべくして勝った大宮でした。
勝ち方を知っているというか自分たちのシュートの確率を上げるために
熟練されたとまで言って良いかわからないですけど
この試合に関しては勝ちを予想できた前半でもありましたし
後半途中でもありましたね。


江坂と山越のインタビューを聞いていても
上手くなりたいとかチームに貢献したいとか
目の前の試合に勝ちたいとか
そういう純粋な想いというのが目に現れていたというか
何もくすんでいないというか
「うらやましいな」という想いでいっぱいですね


結果を見ても素晴らしいですし
その裏には間違いなく謙虚な気持ちを持っているはずで
準備で苦しい時期もあるはずなんですけど
そういう気持ちでサッカーに前向きに取り組んでいないと
間違いなくこういう結果にはならないので。


江坂のゴールも決して簡単なシュートではないと思いますね。
タイミングがずれてふかしてしまいがちなシーンを
しっかり最後までゴールと相手GKの位置を見て
冷静に押し込みましたね。


ここまで去年のチャンピオンシップに出たチーム以外には
負けていないということですよね。しかも昇格組ですから。
監督のインタビューをお聞きしていても
上しか見えないぐらい選手のローテーションもうまく行っている中で
あくまでも1試合1試合勝ち点を積み重ねていって
「残留する」とまでは言わなかったですけど
そこを目標にされているんだなというのは
大宮の強みになっているんじゃないかなと思います。


ゲームもきれいにまとまりましたね。
あそこで家長を1トップ気味に残して、ボールをキープさせて
しかも本人が一番楽しみながらというか
「苦しい時間の中、僕がキープして時間を使ってあげるよ」と
楽しんでいましたから、そういう采配を見せられると
私たちのように見ている方も楽しいですし
大宮側に立つと気持ち良い試合だったなと。
何もかもがうまく行ったような試合だったと思います。


【Jリーグブログ的データ】
J1-1st第13節@ベストアメニティスタジアム
サガン鳥栖 0-1 大宮アルディージャ

入場者数:7,729人 天候:晴、弱風
気温:28.0度 湿度:46%
主審:飯田淳平
副審:名木利幸、三原純
第4の審判員:日高晴樹


《得点者》
<大宮>
74'江坂任①(アシスト:ムルジャ)


《選手寸評》
(鳥栖)
GK林彰洋
最後は前線まで駆け上がるなど、チームで最も勝利への意欲を見せた
DF藤田優人
吉田へ届けたクロスは確かにベッカムだったが全体的に精度不足の面も
DFキム・ミンヒョク
ラインの裏に抜け出されるシーンも散見。安定感は示し切れず
DF谷口博之
他の選手の特徴を考えてもCB起用が最適解かどうかは一考の余地あり
DF吉田豊
チーム最多となる3本のシュート。林と同じく勝ちたい気持ちを前面に押し出した
MF高橋義希
彼の攻撃力を考えればアンカーではないポジションの方が生きるような気も
MFキム・ミヌ
序盤から鋭い仕掛けで奮闘もヒザのケガが長引かなければ良いが...
(→33' MF岡本知剛)
68分に放ったボレーは惜しかったが、決めていれば展開は全く変わっていたはず
MFチェ・ソングン
特別な印象がなかったことがチームへの貢献度を物語っているかもしれない
(→82' FW池田圭)
長いボールが頭上を飛び交う中でできることはほとんどなかった
MFペク・ソンドン
プレスに行くでもなくしきりに仕掛けるでもない。本来のキレとは程遠かったか
FW豊田陽平
この日もシュートゼロ。倒された時に浮かぶ苦悶の表情ばかりが目立った
FW岡田翔平
度重なる攻守のスプリントが今のチームの流れの中で結果に直結しない
(→64' FW冨山貴光)
特別な古巣戦に途中出場もラストチャンスのお膳立てがハイライト。シュートは1本も打てず


《選手寸評》
(大宮)
GK加藤順大
少ない守備機会をきっちり凌ぎ切ることのできる安定感を纏っている
DF奥井諒
U-17W杯の盟友でもある吉田とのマッチアップは互角かそれ以上に渡り合った
DF山越康平
不安定な場面もあったがリーグ戦初スタメンで完封勝利への貢献は立派
DF河本裕之
山越をリードしながら豊田にもきっちり競り勝つ。欠かせないディフェンスリーダー
DF和田拓也
勘所を押さえつつも前の沼田を含めた周囲に気を遣う。どのゲームもMVP級の出来
MF横谷繁
仙台戦に引き続いてミドルレンジのパス1本で局面打開できる才能を発揮
(→82' MF横山知伸)
クローザー起用に応えて8分とアディショナルタイムを消し去った
MF金澤慎
相手の中盤が構成を変えてからの方がボールに良く絡めていた印象も
MF岩上祐三
攻守のバランス維持に腐心。ミドルへのチャレンジは攻撃姿勢の表われ
(→70' FW江坂任①)
2度あった決定的なヘディングの片方を沈め、ようやくJ1リーグ初ゴールを記録
MF沼田圭悟
和田の後ろ盾も得ながらサイドを見張る。破綻なく90分間を走り切った
FW家長昭博
相変わらず広範囲でボールを受ける。時折見せるハンドオフの強さはおそらくリーグ1
FWムルジャ
自身の決定機は仕留めきれなかったが、柔らかい絶妙クロスで値千金のアシスト
(→89' DF大屋翼)
横山同様クローザー起用に応えて1分とアディショナルタイムを消し去った


再放送スケジュールは
5月23日(月)午前9:45~午後0:00 J SPORTS 3
5月27日(金)深夜0:00~深夜2:15 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!


土屋

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