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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

マッチレビュー 2016年05月15日

J1-1st第12節 川崎×神戸マッチレビュー

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J1-1st第12節 
川崎フロンターレ×ヴィッセル神戸@等々力陸上競技場
解説:渡邉一平 実況:西岡明彦 インタビュアー:高木聖佳


【川崎フロンターレ 風間八宏監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:非常に大事なゲームでの勝利となりました。今日の試合を振り返って下さい。


A:どこも楽な試合はないんですけど、やっぱり自分たちの中でかなりゲームが動いてしまうと。ただ、そこでハーフタイムに「みんなで一緒になってやっていこう」ということを言うと今のチームはわかりますので、まったく別のチームになりましたよね。選手が今日は素晴らしかったと思います。


Q:前半は神戸の粘り強い守備の中、いくつもフロンターレらしい形を見せることができました。その中で決め切ることができなかったですが、どんな風にご覧になっていましたか?


A:まあ運の良い人と悪い人がいたなということだと思います(笑) ただ、大事なことはやっぱりどれだけチャンスを創るかなので、決める決めないは責める訳には行かないですし、そういう意味ではそこで何回もチャンスのシーンに行ったということは大事なことなので、それはチームの中で構築して、もっともっと増やしたいなと思います。


Q:ハーフタイムには「もっとゴール前で落ち着いて」という言葉もあったようですが、そのあたりは気になってらっしゃったんですか?


A:それだけではないですけど、十分チャンスはありましたし、あとはもう少しギアを上げるということですよね。そういう意味では選手は変わったという風に思います。


Q:前半失点をして、さらに奈良選手のアクシデントと、非常に難しい中でのハーフタイムだったと思いますが、選手にはどんなメッセージを伝えたのでしょうか?


A:「内容は悪くない」と。もちろん自分たちの中で良いとは思いませんけど、悪くないしチャンスも創っていると。それからほとんどピンチはないので、そういう意味では「別に最後に取られたから悪いということではない」と。「前半は忘れて、後半は俺たちがもっともっと自分たちらしくしっかり攻めて行こう」ということを言いましたけど、選手はやれたと思います。


Q:奈良選手の状態が非常に気になりますが、監督に何か情報は入ってらっしゃいますか?


A:まだ細かい所まではちょっとわからないですけど、骨に異常がなければいいなという風には思っています。


Q:今日は大久保選手がJ1出場350試合というメモリアルな試合で、しっかり2得点を決めました。改めて大久保選手の評価をお願いできますか?


A:やっぱりプロですし、彼は海外にも行っていますし、その中でもこれだけの数の試合に出ていると。それから勝負を決めるという所で物凄く大きな責任を持ちながらやっているということは、ただの350試合ではないという風に思いますし、彼の功績というのは凄く大きいと思います。


Q:奈良選手の状態も気になりますが、この後はすぐにオリンピック代表組がいなくなる中で、リーグ戦は連戦ということになります。このあたりはどのように捉えてらっしゃいますか?


A:全員でやっていくしかないですし、どこのチームもそうだと思いますけど、代わりの選手の人数も思う通りには行かないと思います。ですけど、逆に言うとそれがチーム力ですし、それから出ていない選手を出すことがチーム力を落とすことではなくて、最も良い状態の選手が出て欲しいですから、そういう意味ではその中の競争、あるいはその中の共通の意識をしっかり作りたいなと思います。


【ヴィッセル神戸 ネルシーニョ監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:悔しい敗戦となりましたが、まずは今日の90分を振り返って下さい。


A:今日はウチが守備に追われて攻撃ができなかったという試合だったと思います。相手チームも非常にパス&ムーブが巧みですし、パスワークしながら背後を取ってくるという所に、守備としては対応できている時間帯もあったんですけど、そこから生まれたカウンターというのをモノにできなかった試合でした。


Q:今日はレアンドロ選手とペドロ・ジュニオール選手という2人の攻撃の要を欠きました。これが大きく影響しましたか?


A:やはりその2人の影響というのは当然あります。彼らが占めるチームの中での役割というのは大きいですからね。ただ、彼ら抜きで準備をしてきた訳で、ゲームプランも守備の所はある程度出せたんですけど、先ほども言いましたが、その後のカウンターまでは出せなかったという所です。


Q:立ち上がりから粘り強い守備で、球際もかなり激しく行かれていたと思います。このあたりは監督の指示だったのでしょうか?


A:相手がボールを握るというのはこの試合でわかっていましたので、その力がありますし、我々は守備でどう対抗するかという所でしたね。


Q:先制した後に後半は4-1-4-1にシステムを変更されたように見えました。そのあたりの意図と狙いを教えて下さい。


A:前半対応していく中で、相手のボランチと中村(憲剛)選手という所がルーズになってしまう時間というのがありましたから、そこが気になっていましたので、三原(雅俊)を中に入れて、今おっしゃったようなシステムに変えました。(渡邉)千真を右に持って行って、中盤のマークをしっかりしようという意図です。


Q:三原選手の退場で非常にゲームが難しくなってしまいましたか?


A:当然1人少なくなってしまうと人数も不利ですし、その分スペースも与えてしまいますから、そこで追加点を取られました。


Q:今日デビューした中坂(勇哉)選手の評価をお願いします。


A:今日の試合は彼が入ったシチュエーションも非常に厳しい状況からだったと思います。すぐに三原も退場してしまって、彼に関しては前でプレーさせたかった選手ですし、やはり守備に追われたという所で当然やりにくさは感じたと思いますが、入ってすぐに良いプレーもいくつか落ち着いてできていたと思います。


【川崎フロンターレ 大久保嘉人インタビュー(試合後・中継内)】
Q:首位レッズに離されてはいけない一戦、どうしても勝たなくてはいけない一戦でした。どんな気持ちでこのゲームに臨んだのでしょうか?


A:本当に1試合1試合大事にと思っていましたし、神戸とはいつもあまり相性が良くないので「どうなるかな」と思っていましたけど、先に点を取られても後半にフロンターレは強いですし、自信を持って巻き返しできたので、そこが勝因かなと思います。


Q:今日の2ゴールを振り返っていただきたいのですが、まずはJ1通算164ゴール目となったPKのシーンは、GKの逆を取って左のコースを狙っていきましたね。


A:あれはGKが先に動いてくれたので、GKを見て冷静に打つことができました。


Q:そして逆転ゴールは登里選手からのボールをGKの頭上を越す浮き球で、非常に上手かったですね。


A:たぶんノボリは狙っていないと思います(笑) 狙っていないと思うんですけど、アレがノボリのアシストになると思うので、昨日の夜LINEで「明日アシストしろよ」というメッセージを送って、「はい。できるように早く寝ます!」と言っていたので、彼もそのアシストができて良かったと思います(笑)


Q:これで12試合で9ゴール。非常に良いペースですよね。


A:そうですね。それは本当にチームのみんなが最後に集めてくれるので、自分はそこを集中して決められているだけですし、1試合1試合絶対に点を取る気持ちでやっていきたいなと思っています。


Q:そして今日は試合前に、J1出場350試合のお祝いを息子さんたち3人にしてもらっての試合でした。カッコよいお父さんを見せることができましたね。


A:まあ、そうですね。そういう節目に点も取れて、それもチームも勝てて、非常に良かったなと思います。


Q:ホームではおよそ1カ月ぶりの勝利ということになりました。サポーターの皆さんに最後にメッセージをお願いします。


A:ホームではなかなか良いゲームができずに苦しんでいましたけど、皆さんも焦らず応援して下さい。僕たちは1試合1試合優勝目指して頑張りますので、熱い声援宜しくお願いします。


【渡邉一平氏のレビュー】
(川崎)
今日は数的優位だったとはいえ
前節の柏戦も今日のゲームも複数得点を
しかも3点を挙げている訳ですよね。
決めるべき所を決めていればその倍ぐらい取ったかもしれませんが
少しでも自由を与えてしまうと
相手の守備網を突破できるだけのイメージの共有や
アイデアを持っているチームですよね。


大久保の得点感覚は見事です。きっちり仕留めてきますし
こういった350試合という節目のゲームで結果を出しますね。
「ケガに強い」というのも名プレーヤーというか
良い選手の条件の1つだと思います。
シーズンを通じてケガなくできるというのはそんなにないことですし
CFでなおかつ4年連続の得点王が懸かっている選手に対して
マークが緩い訳はないですからね。
許された時間の中でしっかり準備をして
それを受けながらもしっかり結果を残すと。
ストライカーというのはエゴイスト的な所もあると思いますが
それだけ結果を残してくれたら周りは何も言えないですよね。


2点目はインタビューを聞くと
「ノボリにそこまで技術はないだろう」というような
意味合いにも感じましたけど(笑)
大久保は信じて走っている訳ですし、
登里も走るだろうと信じてあそこに出しているということですよね。


2ステージ制になってから
ファーストステージの大切さは昨年を見てもわかると思います。
後半追い上げてきた鹿島もチャンピオンシップに行けなかった訳で
どれだけファーストステージから結果を残しつつ
年間通してコンスタントに結果を残さないといけないかと。
今日も追い掛ける側の川崎からすると落とせないゲームですし
もう浦和や鹿島といった上位との直接対決が残っていないので
その中でどう結果を残していくかということで考えると
間違いなく今日の神戸のように色々な作戦を練ってくるので
それを上回るだけのアイデアがこのメンバーに
備わっているのかどうかは見守っていきたいですね。


メンバーを見ても、それほどハーフタイムで細かいことまで言わなくても
1つ言えば10わかるような、それぐらいやり込んできたチームだと思いますし
サッカーだと思うんですよね。
それでも言われたことだけではなくピッチの中で考えたことを
しっかり選手が伝え合って修正を掛けられると。
ピッチの中で変えられるというのは凄いストロングポイントだと思います


(神戸)
前半の神戸は激しいチャージやコンパクトな守備がかなり効果的で
得点まで奪いましたけど
退場者を出してから難しいゲームになってしまいましたね。
先制点も川崎にとっては不運だったと思いますが
神戸にしてみれば"してやったり"のゴールだったと思います。
前半のサッカーはハマったと思ったのですが...


後半の頭にPKで同点に追い付かれて
そこからメンバー交替で前に動きを与えたけど勝ち越されたと。
なおかつ退場者も出てしまって
若い中坂にとっては難しいゲームを経験しましたね。
このデビュー戦は忘れられないと思いますが
次のチャンスに向けてまたしっかりと準備して欲しいと思います。


ネルシーニョ監督のインタビューをお聞きしても
やはり前半のサッカー、ゲームの入りから激しく行くであったり
スペースを消す、ファウルを恐れずにチャレンジに行く、
あのサッカーは見事だったと思うんですね。
川崎も完全に嫌がっていましたし
実際に奪ってからのカウンターもできていましたから
苦しめたと思いますし、1点取れて最高の前半でしたよね。


後半は少しマークをハッキリしようということで
4-1-4-1にしたと思うんですけど
ゲームの中でも言ったように
川崎にとっては1人1人がマッチアップする所で
置いていくであったり剥がすであったりということができれば
局面を打開できるというイメージが持ちやすかったのかなと感じましたね。


【Jリーグブログ的データ】
J1-1st第12節@等々力陸上競技場
川崎フロンターレ 3-1 ヴィッセル神戸

入場者数:20,215人 天候:晴、中風
気温:22.1度 湿度:50%
主審:家本政明
副審:唐紙学志、西橋勲
第4の審判員:蒲澤淳一


《得点者》
<川崎>
57'大久保嘉人⑧(PK)
63'大久保嘉人⑨(アシスト:登里享平)
90'エウシーニョ④(アシスト:田坂祐介)
<神戸>
45+3'渡邉千真⑤(FK)


《選手寸評》
(川崎)
GKチョン・ソンリョン
失点はノーチャンス。注目の韓国代表GK対決をきっちり制す
DFエウシーニョ
しきりに見せていたゴールへの意欲をゴラッソで完結させた
DF奈良竜樹
小林へのフィードなど攻撃面でも好プレー見せるもケガは非常に心配
(→45+2' MF谷口彰悟)
難しいシチュエーションでの登場もチームに落ち着きをもたらす
DFエドゥアルド
やはり左利きの左CBが入るとビルドアップ時はスムーズさが増す
DF車屋紳太郎
前半は少なかったオーバーラップも後半は一気に増加した
MF大島僚太
受けて捌いてが良い時期のそれに戻りつつある。復調傾向は明らか
MFエドゥアルド・ネット
狙いたいポイントはハッキリしていたがパスミスも少なくなかった
MF小林悠
「Not his day」。PKは獲得したものの自身の決定機はことごとく枠に飛ばず
(→87' MF田坂祐介)
短い時間でもきっちりアシストで結果を出すのはさすがの一言
MF中村憲剛
得点への関与はなかったが常に隙を狙う姿勢が神戸のラインを押し下げた
MF登里享平
ゴールシーンのドリブルはキレキレもアシストは少しラッキーだったか
(→82' MF中野嘉大)
田坂がアシストをしたことと対比すれば物足りないパフォーマンス
FW大久保嘉人⑧⑨
同点PKも逆転ループも技術が光る。J1得点ランキングトップは独走状態へ


《選手寸評》
(神戸)
GKキム・スンギュ
失点シーンは悔やまれるが、彼がいなかったらもっと失点は嵩んでいる
DF高橋峻希
オーバーラップもほとんどなく存在感の稀薄な90分間になってしまった
DF高橋祥平
失点の自責こそなかったが岩波を忘れさせる出来とはいかなかった
DF伊野波雅彦
早い時間にもらったイエローカードで以降のプレーに影響が出たことは否めない
DF相馬崇人
中に絞りがちな相手サイドハーフの対応に追われ、オーバーラップも数えるほど
MF三原雅俊□□■
痛恨のPK献上に遅延行為で2枚目のイエローカードという厄日に
MF藤田直之
ロングスローは1本のみ。前に出て行くシーンは限定されていた
(→69' MF中坂勇哉)
Jリーグデビュー戦としては最も難しい部類のシチュエーションを強いられた
MF田中英雄
中盤での激しいプレスは結果に繋がらず。盟友大久保とも激しくやり合う
MF前田凌佑
守備面でのタスクが多く、攻撃にはなかなか絡めずに途中交替
(→63' DF田中雄大)
古巣相手に気持ちの入る一戦も爪痕を残すまでには至らず
FW渡邉千真
エアポケットのような時間帯に抜け目なくFKで奪った先制弾はチーム唯一のシュート
FW増山朝陽
良いトラップシーンもあったが個で打開できる力はまだ持ち合わせていない
(→57' MF小林成豪)
違いを見せられるような状況はほとんど生み出せなかった


再放送スケジュールは
5月15日(日)午前8:00~午前10:15 J SPORTS 3
5月20日(金)深夜0:00~深夜2:15 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!


土屋

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